コロナ禍の影響もあり、ゴルフを始める若者ゴルファーや再開するゴルファーが増えてきている。ただ、同時に生じるのがやはりマナーやスロープレーなどの問題。せっかくはじめたゴルファーに長くゴルフを続けてもらうために……ゴルフ場の取り組みを取材した。

いかにルールやマナーを覚えてもらうか

「川口市浮間ゴルフ場」は都心からのアクセスの良さが人気の河川敷コース。その利用登録者の内訳にここ2年で異変が生じているという。というのも、2年前の2019度は353人だった30代の利用登録者が2020年度は844人と2.39倍に。20代に至っては132人から682人と5.15倍にもなっているというのだ。

このことについて、川口市浮間ゴルフ場の事務局担当者・北川とも子氏は「コロナ禍で若いゴルファーが増えてきたと肌で感じていて、とても嬉しく思います」と語る。

ただ、新規ゴルファーが増えることはゴルフ場にとって嬉しい反面、課題もある。たとえばビギナーゴルファー4人でプレーをしようとした場合、マナー、ルールはもちろん、スロープレーなどの問題は当然起こる。

そうなれば既存ゴルファーからはクレームがくるし、かといって新規ゴルファーに「ルールやマナーを理解してからゴルフ場には来るように」と周知するのもまた難しい。一昔前のように、職場の先輩がゴルフ場に連れてきて手取り足取り教える……という時代でもなくなっている。そこで北川氏は一計を案じた。

「ゴルフは年齢を重ねてもできるスポーツですから、長く楽しくプレーしていただくためになにか協力できることはないかと考え『若者ゴルファーお助け隊』イベントを10月10日に開催しようと考えています」(北川)

若者ゴルファーお助け隊とはコースデビューが不安なゴルファーに向けたイベントで、ゴルフ場のスタッフがプレーに同行し、回り方やルールやマナーをアドバイスしてくれるというもの。参加費はプレーフィ(5400円)のみで、プラスアルファの費用はかからない。もちろん若者以外でもゴルフからしばらく離れていたゴルファーも利用してほしいのだという。

「ゴルフはスコアアップすることも大事ですが、マナーやルールを守ることでより楽しくプレーすることができます。なので、このようなイベントでプレーの手順をアドバスしたり、球が曲がったときに『フォワー』と声をかける意味などをお伝えできたら、もっとゴルフを楽しめるのでは考えています」(北川)

別のゴルフ場の話だが、初心者同士の組が全員ティーイングエリアからティアップせずにドライバーを打っていたのをみたスタッフが、「なぜティアップしないんですか?」と声をかけたら「ティアップってなんですか?」という答えが返ってきたという笑えるような笑えないような話もある。

ティアップしたほうがドライバーショットははるかにやさしい。それを知っているか、知らないかが問題なのだから、ゴルフ場がそういった最低限の情報を教えてあげようというのが試みの趣旨。新規ゴルファーはより快適にプレーできるようになるし、コース側としてもリピーター獲得やスロープレー防止につながり、WIN-WINが見込める。

また同ゴルフ場では若者ゴルファーに向けた「若者ゴルファーサポート教室」というものも実施するそう。週に1回、プロにみっちり教えてもらう全3回のプログラムで、こういった試みを積極的に行う必要があるくらい、コースには若者たち(新規ゴルファー)が押し寄せていることがわかる。

川口市浮間ゴルフ場同様、初心者ゴルファーやしばらくゴルフから離れていた休眠ゴルファーが安心してコースに出られるような取り組みを行っているコースのひとつに、千葉県にあるマグレガーCCがある。

「当クラブは通常のコースとは別に2ホール丸々使った”練習ホール”を用意していて、そこを私がガイドする体験会を半年前から月イチで開催しています。2ホール丸々使っているからこそ、後続組を気にすることなくプレーの段取りを教えたり、バンカーなど実戦的な練習することもできます。コースへ出ることの不安を少しでも取り除きたいという趣旨です」(同コースの松下健氏)

2時間みっちり芝から練習できて料金は3900円(10月以降は4900円)だから、コースで練習できることを思えば格安だろう。体験後には9ホールプレーすることも可能なため、練習して体が覚えているうちにプレーすることもできるのも体験会の魅力だ。

若者ゴルファーや休眠ゴルファーが安全に楽しくプレーできるようにゴルフ場では様々なイベントを開催している。少しでもコースに出ることに不安を感じているゴルファーはぜひ参加してみてはいかがだろうか?