今年のマスターズは4月11日から。開幕を前に、PGAツアーや世界のプロゴルファーに詳しい識者やマスターズファンのアマチュアゴルファーに優勝予想をしてもらった。

●●本命はスコッティ・シェフラー。対抗は僅差で松山英樹

まずシェフラーですが、昨年のスタッツランキングでショット部門ではすべて1〜5位なのに平均パット数は110位。つまりはショットメーカーだったわけです。それが今年のアーノルド・パーマー招待優勝で、パッティングも覚醒したように感じました。彼にはフィル・ケニオンというパッティングコーチがいるんですが、改善点を発見したというのです。スタンスラインで右を向き、肩のラインは左を向いていると。わずか1ミリ程度のズレですが、これが10メートル先には何センチかになってしまいます。そのアライメントに、スパイダーツアーXのマレットパターがぴったり合ったというのです。これで鬼に金棒、ザ・プレーヤーズ選手権でも2週連続勝利。今現在最強の選手です。

それをわずかな差で追うのが松山。今季、スクランブリング(グリーンを外した時の寄せ)で覚醒しました。もともとアプローチは上手かったけれど、今季また新しい武器を手に入れて勝ち方の幅を広げたように思います。穴にはローリー・マキロイ。2014年にグランドスラムに王手をかけて、今回のマスターズで10回目の挑戦です。年齢も35歳とキリのいい年。本人も大いにその気になっているようです。今季、いまひとつ結果が出ていないようですが、かみ合えば爆発力のある選手。またLIVからのジョン・ラーム、ブルックス・ケプカ、ダスティン・ジョンソンらも、これまでのマスターズでは成績を残していますから、目が離せません。53歳のフィル・ミケルソンもチャンスはあると思います。(佐渡充高、テレビ解説者)

●●直近の試合で調子がいいスコッティ・シェフラー?

直近の試合で調子がいい選手を選ぶのが常道。となると、アーノルド・パーマー、ザ・プレーヤーズで連勝したスコッティ・シェフラー? そんなに続くわけないと思いますが、3月に2勝してマスターズにも勝ったことがあったので、再び"春のシェフラー祭り"が?(50代男性、東京都)

●●やっぱり松山英樹プロに勝ってほしい。(60代男性、埼玉県)

●●本命は何といってもジョン・ラーム

まず、松山英樹に関してですが、今季すでに1勝しているし、パットのコンディションも良さそうなので安心して見ていられます。ただ年を重ねてきて少し体が硬くなってきた感はあります。優勝にはちょっと届かないのではないでしょうか。穴は南米の選手、ホアキン・ニーマン。

対抗はローリー・マキロイ。これは個人感情も交えてです。マキロイが2011年のマスターズで最終日に80を叩いて崩れたトラウマを克服できるか? 選手にとって成功体験はもちろん大きいですが、失敗経験のほうが大きな痛手となるケースが多い。本命は何といってもジョン・ラームでしょう。LIVゴルフのポイントがワールドランキングに加算されないことにラームは怒っています。その怒りをエネルギーに変えれば優勝もありです。(ハル常住、ゴルフマルチプロデューサー)

●●LIVゴルフ勢の情報が少なくて、どんな調子なのか今いちつかめない

とはいえジョン・ラームはオーガスタナショナルとの相性も良く、外せないと思う。(50代男性、神奈川県)

●●”ネクストタイガー”のラドビッグ・アバーグ

”ネクストタイガー”の呼び声高いと、何度も聞いたラドビッグ・アバーグ。本当に”ネクスト”なら、このあたりでグリーンジャケット1回目になるはず。(40代男性、千葉県)

●●スコッティ・シェフラーが本命です

ザ・プレーヤーズ選手権も勝ち、2週連続優勝も達成。余勢を駆ってというところです。もっとも安定した実力があります。対抗としてはザンダー・シャウフェレ、ウィンダム・クラークですかね。LIVゴルフのジョン・ラーム、ブライソン・デシャンボー、ダスティン・ジョンソンも挙げられますが、調子はそこまで上がっていないようです。

穴は同じくLIVゴルフのチリ出身、ホアキン・ニーマン。3カ月で3勝(同)をマーク。欧州ツアーのオーストラリアンオープンで優勝。これがマスターズ招待を引き寄せました。松山英樹は、ここ2年間の不調……特にパットですが、を脱しつつあるように見えます。穴にはノルウェー出身のビクトール・ホブランを挙げます。才能豊かでナイスガイなのですが、性格的に優しいところがあって……。生き馬の目を抜くPGAツアーという世界でどう闘っていくか、見ものでもあります。(レックス倉本、テレビ解説者・プロゴルファー)

●●オーガスタで”絵”になるローリー・マキロイ選手推し

マスターズはこれまで36回訪れています。ゴルフダイジェスト社のカレンダー撮影でも10年、今年も出かけます。優勝者予想は評論家諸氏に任せて、ぼくはファインダーからのぞいてドラマを演出できる選手、つまり”絵”になる選手を推します。その意味でいえば、ローリー・マキロイですね。マスターズを勝ってグランドスラマーになった瞬間を18番グリーンで撮りたい。僕は18番グリーンに上がっていくとき、優勝シーンをイメージします。思った通りの瞬間を切り取ったときの興奮と、冷静にならねばというもう一人の自分がいます。帝王ジャック・ニクラスやタイガー・ウッズ、セベ・バレステロスら複数回メジャーを勝つ男の顔を撮れたことは、僕の勲章ですね。

ファインダーをのぞいて意識することがもう1つあります。それは僕にもアジア人の血が流れているということ。なので、松山英樹にはもう1回でも2回でも勝ってほしい。タイガーも母親がタイ人ですし、血の近さを感じます。今年初出場の久常凉、顔つきが闘争心に溢れていてファインダーからはみ出しそうです(笑)。スウィングがどうだこうだではなく、攻め抜く男の顔ということで、写真映りでベスト10 には入るのではないでしょうか。(宮本卓、カメラマン)

●●本命スコッティ・シェフラー、対抗にはブルックス・ケプカとジョン・ラーム

やはり、スコッティ・シェフラーを本命に挙げざるをえないでしょう。第5のメジャー、ザ・プレーヤーズ選手権も逆転でモノにしましたし。14本のクラブを使いこなすオールラウンドプレーヤーとして、今いちばんの安定している選手です。マスターズの週、パットが良ければ、優勝にもっとも近いと考えます。対抗にはブルックス・ケプカとジョン・ラーム。この2人には“地力”を感じます。個人的には一番取らせてやりたいのはローリー・マキロイなのですが、思い入れがあまりに強いと焦りにつながり、本来のチカラが出せないかも。一度勝ち損なったこと、マスターズを取ればグランドスラマーになれること、年齢的に年々難しくなってくることへの焦燥などもあるでしょう。

松山英樹は一度取っているから、ある意味気楽さがあり。2勝目のチャンスあると思います。大穴には久常涼を挙げます。実は、僕はマスターズでは、出場選手全員に勝つチャンスがあると思っているんです。マスターズではメジャーの中で出場選手が突出して少ない。出場選手は100人以内と決められているし、昨年も88人でした。全米オープン、全英オープンは156人。マスターズの勝率は88分の1、全米・全英の156分の1と比較すれば歴然でしょう。またマスターズはパットのウェイトが高く、その週、パットの調子が絶好調なら、出場選手全員に勝機あり、です。(タケ小山、テレビ解説者・プロゴルファー)

※週刊ゴルフダイジェスト2024年4月9日号「山を動かす〜2024年マスターズチャンプを予想すると?」より一部加筆