女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第29話、人を笑わせることが好き。

小祝さくらは、人を笑わせることが好きだ。キャディの小畑貴宏氏やマネジャーの石井氏に、しょっちゅう〝笑い〟で挑んでいる。2人をおじさん、おばさん扱いして、いじって喜んだりもする。「思っていることを言っているだけだから、何が悪いんだ、と思うんですよ(笑)」

その割に、今年も2人の誕生日には素敵なプレゼントをした。野球の大好きな小畑氏には、大谷翔平が着るボスのブルゾンをプレゼントしたし、日々自分に付いてくれている石井氏には、冬に着られるルルレモンのダウンジャケットをプレゼントした。いつも使える、実用的なものを選ぶのだ。

毎年、2カ月前から日々「何がいいかなあ」と贈り物を考えているというさくら。普段の、また試合中の会話を聞き逃さない。小畑氏が「大谷翔平が好き」という話をしていたら、それをきちんと覚えている。「あ、大谷翔平に少しでも近づいてください、という意味もあるんですよ〜」と不敵に笑ってけむに巻く。結局、人が喜ぶ顔が好きなのだ。小祝さくらは、自分がネタになって笑われることも嫌いではない。

スターバックスで飲み物を買うとき、お店の人が「ラテですか?」と聞いたら「ノー、ノー」と答えて、ちょっと笑わせた。なぜ英語が口に出るのかはわからない。そういえばよく、「ウォーターください」とも言う。「ソーリー」も口癖だ。ちなみに、アメリカ志向があるわけではない。

ゴルフに関することを聞いても、何かしら面白い言葉を挟んで答えてくる。バンカーショットのコツを聞くと、「私、バンカーも、ざらざらした砂質のほうが好きなんです。得意な砂質とか苦手な砂質とかあると思うんですけど、きめが細かくないのが好きです」。打ち方ではなく、好きな砂質が返ってくる。

今年、唯一、自分へのプレゼントとして買った愛車の電動自転車のことを聞くと、「最初乗ったとき、めちゃくちゃラクでびっくりしました。普段からバリバリ乗っていますよ。買い物に行ったりします。あ、練習に行くときは、背中にクラブを何本か担いで行きます」。周りが〝プロゴルファー猿〟のようなさくらの姿を想像してクスッと笑う。これもしてやったりだ。

今ハマっているウクレレ(岩井明愛・千怜姉妹とのユニット『小岩井』でひっそり活動中)もきっと、人を楽しませるためにある。「自分はハマってすぐに飽きるタイプなんですよ」と言うが、暇を見つけては練習しているらしい。これらすべて、意識している言動かどうかは、本人にも周りにもわからない。まさに〝天然〟。

自分より人のことを優先して考えるさくら。照れ屋、でもサービス精神は旺盛。いつもあまのじゃくなさくら。でもだから、「優しくても強い」というプロゴルファー像が成り立つ。

今年も最終戦まで無事に完走。来年、どんな小祝さくらを見せてくれるのか、もう楽しみだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月5日号より(PHOTO/Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa)
※2023年12月1日10時20分、一部加筆修正しました。

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