女子プロゴルファー・斉藤愛璃が新たなエースパターを探すべく、プロゴルファー・堀口宜篤をアドバイザーに最新パターを打ち比べ! 今回はテーラーメイド「スパイダーGT TM1」、「スパイダーGT TM2」、「スパイダーGT SILVER スモールスラント」を打ち比べた。

大型マレットパターの代名詞であるテーラーメイドの「スパイダー」シリーズの最新モデル「スパイダーGT」。今年3月に発売された同シリーズの最大の特徴は、その重量配分にある。

形状自体は角型のミッドサイズのマレットなのだが、その角の部分が左右それぞれ90グラムの「スチールサイドウェート」として、軽量アルミ素材で作られたかまぼこ型のボディに取り付けられた格好となっているのだ。メーカーによると「左角4:ボディ2:右角4」の重量配分によって、ミスヒットへの寛容性とストロークの安定性がより高まっているのだという。

それに加え、5月に新たに発表され、7月の発売が予定されている追加モデルが「スパイダーGT TM1」と「スパイダーGT TM2」。両モデルとも2020年に初代が発売され、一世を風靡したトラス形状=三角形のホーゼルを採用しているのが大きな特徴となっている。

まさかのスパイダーとトラスのコラボレーション、いったいどのような性能となっているのか。今回は発売済みのモデルのなかからスモールスラントタイプのモデル、そして発売前のTM1とTM2、計3モデルを、プロゴルファー・堀口宜篤をアドバイザーに据え、女子プロゴルファー・斉藤愛璃に打ち比べてもらった。

まずは発売済みのスモールスラントタイプから見ていこう。「ピン型のほうが自分で操作できる印象で、結構ずっとピン型ばかりを使っていました」という斉藤に、ヘッドの形状も踏まえた、構えた際のインプレッションを聞いてみよう。

「見た目がかわいいし、スラントネックなのもあって構えやすいですね。ちょっとヘッドが大きくてやさしいので、安心感があります。大きいヘッドのパターって今まであまり使ったことなかったんですけど、ピン型と比べてもそんなに構えた感じの違和感はないですね」(斉藤)

とくにピン型を好んで使うゴルファーの場合は「スモールスラントが入りやすい傾向にありますね」と堀口は言う。

「ピン型が好きな方ってショートスラントネックが好きな人が結構いて、ストロークしやすいイメージがあるみたいです。バランス的に開閉しやすいんですよ。実際ピン型を使っているゴルファーが、いきなりベント型のマレットに替えるよりは、こういうスモールスラントのマレットから入っていくほうが扱いやすいと思います」(堀口)

では、斉藤が実際に打ってみてのインプレッションも聞いてみよう。

「直進性がいいですね。私がピン型に慣れているのもあると思いますが、方向性も出しやすいです」(斉藤)

では続いて、追加モデルのひとつ、「スパイダーGT TM1」を打ってもらおう。TM1はヘッドの形状自体は既存のスパイダーGTシリーズと共通で、トラス構造のホーゼルがヒール寄りに装着されたモデルとなっている。

構えた印象は「ネックの角度がしっかりついていて、構えやすいです」と斉藤。では試打した際のインプレッションはどうだろうか。

「打ってみると、意外とクセがあまりなくて、どんな方でも使いやすそうですね。TM1も、ピン型を普段から使っている私からしても違和感はあんまりないです。普段使っているトラスパターより、インサートがアップデートされていて、少し柔らかくなっていて転がりも良くなっていますね」(斉藤)

最後に打った「スパイダーGT TM2」は、トラスホーゼルがヘッドのセンターに装着された、センターシャフトモデル。ネック周りをよく見ると「センターシャフトだけど、ネック周りが若干ピン型のようなクランクネックになっていますね。ちょっと変わった今までにない感じです」と堀口は補足する。

「センターシャフト自体、苦手意識があって今までまったく使ったことがなかったです」という斉藤だが、意外にも構えてみると「結構構えやすいですし、打ちやすいです」という。

「難しいっていう固定観念があったんですけど、すんなりボールに対して合わせやすいですね。しかも、私のストロークとの相性もあると思いますが、よりヘッドがブレず動いてくれる感覚を、ほかの2モデル以上に感じました。センターシャフトは難しいっていう固定観念があったんですけど、これはかなり振りやすいですね」(斉藤)

さて、計3種のスパイダーGTパターを打ち比べた斉藤。改めてそれぞれの印象を聞いてみよう。

「構えやすさはスモールスラントが一番でしたね。そしてクセがなくて万人が扱いやすそうだと感じたのがTM1です。でも意外とセンターシャフトモデルのTM2が、いろいろ考えなくても勝手にキレイな軌道を描いてくれた印象でした。センターシャフトの印象が今まであまりよくなかったので、その反動もありますね。こういう機会じゃなくて、店舗だったらまず打っていなかったですし。なんでみんなそんなに難しいの使っているのかな〜って思ってましたけど、自分の頭が固かったんだなと(笑)。いろいろ試してみるべきだな〜と思いました。そして全体の印象として、大きいヘッドってつかまらないイメージがあったんですけど、スパイダーGTはそんな感じがしなかったですね」(斉藤)

ここまでよい印象を与えたのは、「大型マレットのデメリットである重心が深くなり過ぎる問題を、うまく前重心にすることで安定感を出せているヘッド設計のよさ。そしてTM1とTM2に関しては、トラスホーゼルの採用でよりパターの慣性モーメントも大きくなり、安定感がより増している点も大きいです。構えた印象も含めて、ピンタイプっぽさとハイブリットされた感じになっていますね」と堀口。

逆に言えば、トラスホーゼルが採用されていない既存のモデルに関しては、マレットらしい安定感はありつつも、TM1・TM2と比べると少し操作がしやすい、とも言えるわけだ。

既存モデルはもちろん、追加モデルのスパイダーとトラスのコラボレーションにも要注目のスパイダーGTシリーズ。パターのモデルチェンジを検討している方は、ぜひ一度試打してみてほしい。

協力/PGST