多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新ギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はピンのG430MAXドライバー。クラブ選びの参考にどうぞ!

では、早速クラブとヘッドを計測していこう。試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角10.5度、シャフトはメーカー純正の『ALTA JCB BLACK(フレックスS)』だ。クラブの長さは45.25インチと標準的で、クラブ重量も306.3gと標準的だが、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが292万g・㎠と大きくなっている。この数値であれば、本来はドライバーのヘッドスピードが46m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすい設計といえるだろう。ちなみに、前作『G425 MAX』は296万g・㎠なので、新作のほうが振りやすくなっている。

ピンの『MAX』らしくヘッドの横幅が非常に広い形状が踏襲され、全体的にはやや三角形に見えるイメージだ。ライ角も60.0度とかなりアップライトだが、フェースアングルが1.5度オープンだった『G410 PLUS』や『G425 MAX』よりもその度合いが弱められ、構えやすい印象を受ける。

実際に試打したところ、アドレスでは『G410 PLUS』や『G425 MAX』よりも構えやすく、リアルロフト角が10.1度だった『G425 MAX』に比べ、『G430 MAX』は11.8度になっているので、アドレスでフェース面が良く見え、やさしく打てるイメージが出ている。試打シャフトは軟らかめだが素直なしなり感があり、ヘッドスピードが40m/sくらいのゴルファーならフレックスSで大丈夫だろう。

『G425 MAX』と比べ、ソール面の剛性が上がり、軽かったインパクト音が改善されているため、打音・打感に違和感がなくなったことが今回の大きな特徴だろう。基本的にフェース面のスイートスポット(SS)位置が37.5ミリと高い高重心設計で、比較的スピンは入りやすく、普段から厚めのインパクトでフェース上部に当たりやすいゴルファーに向いている。また、『G425 MAX』よりも重心深度が浅くなり、その結果、左右方向のヘッド慣性モーメントは小さくなっているが、同時にヘッドのネック軸周り慣性モーメントも少し小さくなったので、クラブ全体として『G425 MAX』 よりも少し球をつかまえやすいヘッドといえる。

フェースの反発という点では前作モデルとさほど違いはないように感じるが、『G425 MAX』よりもクラブが少し短くなっているため、ミートしやすい。他社クラブと比べ、基本的にネック軸周りの慣性モーメントが非常に大きく、ダウンスウィングでのヘッドの返りが緩やかなので、安定したストレート〜軽いフェード系弾道が打ちやすいだろう。

これがG430MAXの計測データだ!

※週刊ゴルフダイジェスト22年11月22日号「松尾好員 責任計測×責任分析 ヘッドデータは嘘つかない!」より