発売から時が経ち、中古市場で比較的安価で購入できるようになった名器ドライバーは今でも現役として使える? プロゴルファー・堀口宜篤がテーラーメイド「バーナー」を改めて打ってみた。

テーラーメイドは、ラウンドで使える実用的なメタルヘッドのドライバーを開発・販売したメーカーだ。1979年に初めてPGAショーにメタルヘッドのドライバーを出展し、その後、1980年台半ばにツアーでメタルヘッドのドライバーを使う選手の優勝者が出始め、以降1990年台半ばからチタンヘッドが出始めるまでの間、それまで使われていたパーシモンウッドから一気にメタルヘッドが普及、ゴルフ界に浸透していた。

「グレーのステンレスヘッドに、ツアーゴールドのカーボンシャフトは当時はやりましたね。私の記憶が正しければジャンボ尾崎さんが日本のツアーでは初めて使ったんじゃないかなと思います。パーシモンヘッドからメタルヘッドに変わったことは、ゴルフクラブの大きな進化で、ゴルフが新しい時代へ向かう契機となったクラブであると言えると思います」(堀口、以下同)

そして今回試打をするのはテーラーメイドのメタルドライバーのなかでも一世を風靡した「バーナー」を打つことに。まずは堀口に構えた印象から聞いてみた。

「改めて見るとめちゃくちゃ小さいですね。体積は150ccで、今のドライバーが460ccなので、その差が300ccですから、いまのクラブでいうとユーティリティくらいの感じですね。体積は小さいけれどフェースの厚みはしっかりあるので、強い球が出るイメージはあります。長さは43.5インチなので、いまでいう3Wよりもやや長い、ヘッドがかなり小さなミニドライバーといった感じです」(堀口、以下同)

では次に、球を打った時の評価はどうだろうか。試打データの平均値は以下の通り。

【堀口のバーナーの 試打結果】
キャリー230.5Y トータル258.5Y 打ち出し角12度 ボール初速62m/s スピン量2743回転

まず打感と球のつかまりはどうだろう。

「打感はヘッドの内部にフォームが充填されているので、今のチタンヘッドなんかに比べると弾き感はないですよね。そのぶん食いつき感はあって、吸い付きながら押し出していく感じがあります。昔はもう少し球がつかまらなかったという感じがしたんですけれど、でもそれはボールの違いもあるのでなんとも言えないです。改めて打つと、つかまりは意外と悪くないですね」

弾道や操作性についても「30年前の印象とは少し違いますね」という。

「30年前に最初に打った時は球が全然上がらなくて、でも慣れてくると次第に強い球で凄く飛んだイメージがあったんですけど、改めていま打ってみると弾道は低めというよりも中弾道ですね。球は強いです。操作性に関しては、逃がした感じで打ってみても意外と反応がよくて、思った球が出ますね。シャフトが43.75インチと短いし、コンパクトなヘッドなので、けっこう操作性があるクラブなのかなと思いますね」

では、どのようなスウィングタイプや打ち方に向いているのだろうか。

「当時はボール位置を少し左にしておいて、斜めから見るように構えて、少しアッパー気味に打っていましたよね。ジャンボ尾崎さんは長いティーペグを使って超高いティーアップで打ち出しを高くして、当時は弾道測定器とかなかったのに、低スピンの球を打っていましたからね。いま思うと凄いですよね。いま改めて打つと、ティーアップはそんなに高くしないで、低めのティーで普通に打っていくほうがいいかもしれないですね」

とはいえ、いまのクラブはサラッと打っても飛んでくれるドライバーが多く、単純な性能だけ見ればヴィンテージなり、といったところ。敢えて今の時代に使うとしたら「ミート率を上げる練習用としてでしょうか」と堀口は言う。

重量も重くてクラブも短いので、振っていかないと力も伝わっていかないのでしっかり振るスウィングのコツを覚えるにはいいのかなと思います。中で、しっかりと振ることを思い出させてくれるクラブかなと思いましたね。

「体積では今のクラブの3分の1のヘッドなので、そのクラブの中心に当てるわけだから良い練習になりますよ。まずはハーフショットで練習して徐々にフルショットしていくというような練習がいいですね。また、重量も重くてクラブも短いので、振っていかないと力も伝わっていきません。しっかり振るスウィングのコツを覚えるにもいいのかなと思います」

歴史的価値のあるクラブとしてはもちろん、ミート率が悪いと悩んでいるゴルファーは、中古クラブショップで見つけたら、買ってみる価値はありそうだ。

協力/PGST