世界のトップ選手たちが打つフェードボール。スライサーのアマチュアでも打てるのだろうか? 多くの女子プロを指導する横田英治プロがフェードの打ち方を解説する。

「フェードを打つには、インサイドからクラブを下ろすこと」(横田プロ)

「プロのフェードはコントロールされたボールです。一方、アマチュアのスライスはコントロールできていません。つまりフェードとスライスは似て非なるものなのです。スライスはアウトサイドイン軌道が主な原因ですが、クラブはアウトから下りた時点でコスリ球にしかなりません。ですから、インサイドからクラブを下ろすことが必要です。そのカギがテークバックで体を回すことです」(横田プロ)

アマチュアのアウトサイドイン軌道では、いつまで経ってもフェードにはならない。だが、インサイドからクラブを下ろせれば、フェードが見えてくるという。

「体が右に回れば、トップが深くなります。そうすれば、右サイドにスペースが生まれ、インサイドからクラブが下ろせます。スウィングの基本はイントゥイン軌道ですから、まずはインサイドにクラブを下ろすことが必要です。あとは、ボール位置をやや左寄りにするだけです。わずかなアウトサイドイン軌道が作られ、左に打ち出す、コントロールされたフェードボールが打てるようになります」

コスリ球のスライスではない、フェードを手に入れれば、飛距離も間違いなく伸びるはずだ。

フェードが打てるようになる4つのステップと2つのドリル

●ステップ① 体を右に回してトップを深くする

アマチュアはテークバックで体が右に回らない。ターゲットに対して背中を向けるくらい、胸が90度右に回ることが大事だと横田プロ。体が硬いのであれば、右ひざを伸ばしたり、ヒールアップしてもいいという。

●ステップ② トップが深ければインサイドに下ろせる

体が右に回転できるとトップは自然と深くなる。トップが深くなれば右サイドにクラブを下ろすスペースが確保できるのだ。この体が回ったトップを作ることが、フェードを手に入れる第一歩となる。

●ステップ③ インサイドに下ろしてインパクトでボールをつかまえる

インサイドからクラブが入れば、スライスのようなコスリ球にはならない。深いトップから切り返し、体を回しながらダウンスウィングすることで、ボールをつかまえたフェードのベースが完成する。

●ステップ④ ボール位置と切り返しの動きでフェードを手に入れよう

体が回ったトップが作れたら、あとはボール位置をフェードになりやすいところにセットする。通常よりやや左に置き、切り返しで左足の左側面を踏み込むイメージで体を回し続けていこう。

また、切り返しの左足の踏み込みは母趾球ではなく、土踏まずの左側面を意識。

「左足の土踏まずからかかと寄りを踏み込むと体の回転を止めずに振り抜けます」(横田)

●ドリル① フェースをかぶせてストレートに打つ

フェースをかぶせてアドレスするとアウトサイドイン軌道では、ストレートに打てないことがわかるはずだ。このドリルならインサイドからクラブを入れるイメージが作れる。

●ドリル② 左足1本で打つ

フェードは切り返しから体を止めずに回し続けるため、左軸のスウィングになる。ややクローズスタンスにし、左足1本でドライバーを打ってみよう。左軸の感覚がつかめる。

これらのステップやドリルに挑戦して、憧れのフェードボールを手に入れよう。

※2023年5月22日13時55分、一部文章を修正しました。

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Atsushi Tomura,Blue Sky Photos THANKS/クラブハウス

※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月23日「世界のトップ選手はみんなフェードだ!」より

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