「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説する。今回はウェッジの重さについて!

みんゴル取材班(以下、み):ウェッジを見てみると日本では相変わらずボーケイの人気が高いようです。ただ、「ボーケイデザインSM9」の56度を例に取ると、「ダイナミックゴールドS200」装着モデルは総重量が474グラムでバランスD5。「NSプロ950GH neo」仕様でも453グラムのD4です。日本人には重すぎませんか?

宮城:単純にバランスだけを見ると重く見えますが、比較する場合は長さを考えなければいけません。モデルやロフトによって違いますが、56度なら日本メーカーは35インチが標準で、ボーケイなど外ブラは35.25インチが多いです。0.25インチ長いのはアイアンのPWの長さに合わせているからで、D5がベストというわけではなく、同じヘッド重量でも長さによってバランスが出てしまうわけです。バランスは0.25インチで1.5ポイント弱変わるので、35インチに換算すればD3.5やD2.5くらいということになります。

み:なるほど。それなら“ふつう”のアマチュアにも使えそうですね。

宮城:長くて重いままでは扱いづらいと思います。私がツアーに行っていた頃、日本の男子プロはほとんどが35インチでD0からD1くらいのウェッジを使っていました。重くてもD2くらいで、それ以上重いウェッジで上手な人はいませんでした。逆に名手の丸山茂樹プロや横田真一プロは半インチ短い34.5インチでC8からC9くらいでした。35インチ換算だとD2くらいですね。

み:ウェッジは重いほうが飛び過ぎないメリットがあると思っていました。

宮城:フルショットなら重くても問題ないでしょう。しかし、プロなど上手な人はスウィングのテンポで距離感を出していますが、ゆっくり振るときにバランスが重いと負荷がかかってテンポを取りにくくなります。アマチュアの場合は、ダウンスウィング後半で重さを感じダフるのが嫌でクラブを引き上げてしまったり、重さが原因のミスも出やすくなります。

み:ウェッジの適正重量とバランスはどれくらいなのでしょう?

宮城:手を使わないようにするために総重量は重いほうがいいけれど、バランスは軽いほうがいいでしょう。平均的な男性であれば総重量が440グラムくらい、バランスはD1かD2くらいが適正です。いま重すぎると感じている人は単純にシャフトを0.25インチカットすれば振りやすくなります。