先日、静ヒルズカントリー倶楽部と、越谷ゴルフリンクスの新スタジオでおこなわれた「エンジョイゴルフ テクノロジーワークショップ」シリーズの「ショートゲームワークショップ」。その模様を参加したゴルフコーチ&クラブフィッターの北野達郎が解説!

みなさん、こんにちは。ゴルフコーチ&クラブフィッターの北野達郎です。ダビデさんとエンジョイゴルフさんが主催する2日間のセミナーに参加してきました。ダビデ(Davide Bertori)さんはシンガポールを拠点に世界で多くの指導者の育成をするGCクアッドフォーサイトスポーツアンバサダーでエンジョイゴルフフォーサイトスポーツディストリビューター。

初日のテーマはアプローチでした。

まず1つ目は近年PGAツアーでも主流になりつつある「フィネスウェッジ」と「ディスタンスウェッジ」の違いについてです。「フィネスウェッジ」は50ヤード以下のアプローチ。「ディスタンスウェッジ」は50ヤード以上のアプローチのことを言います。

「ディスタンスウェッジ」では適度なダウンブローで、ローポイント(クラブヘッドの最下点)はボールより左にきます。しかし「フィネスウェッジ」の場合、ローポイントはボール位置、またはボールより右でもOKという事です。

これは個人的にはかなり驚きで、ウェッジのバウンスを使うとはいえアプローチもローポイントはボールの左と考えていたので、目からウロコでした!

ダビデさんによると、アプローチでのアタックアングル(入射角)のPGAツアーアベレージはマイナス2度前後で、あまり入射角がきつすぎるとヘッドのリーディングエッジから地面に刺さりやすく、ソールのバウンスをうまく使えないということでした。参考までに、たとえばトラックマンでの7番アイアンのアタックアングルのツアーアベレージはマイナス4度前後ですから、アプローチはアイアンショットにくらべて緩やかに打っていく必要があることが分かります。

次にアプローチの打ち方には2種類のタイプ「レジスター(Resistor)」と「リリーサー(Releaser)」があって、その違いを教えてくれました。

まずアドレス。「レジスター」は前傾が深めで体と手の距離を近く構えます。それに対して「リリーサー」は、前傾が浅くなって体と手の距離を取って構えます。

「レジスター」はバックスウィングで右脇が締まったまま右肘は適度に曲がり、インパクトにかけて手首やフェースローテーションを積極的に使うタイプ。プロゴルファーだとセルヒオ・ガルシアやフランチェスコ・モリナリがそれにあたります。

対して「リリーサー」は、バックスウィングで右脇は少し開いて右肘はやや伸びたまま、インパクトにかけて手首やフェースローテーションをあまり使わず体の回転をメインに使うタイプです。プロゴルファーだとタイガー・ウッズやジェイソン・デイがリリーサータイプです。

この両タイプの共通点は、手首は尺屈させてクラブをなるべくアップライトに構えて、ソールのトウ側が地面につくように構えます。こうすることでインパクト時にソールが地面に当たる面積が少なくなるので、地面と芝の抵抗を受けにくくなりリーディングエッジが刺さってダフったり、バウンスが跳ねてトップするなどのミスを減らすことができます。

さらに驚いたのが、アップライトに構えると打点はトウの下めに当たりやすくなりますが、ダビデさんによるとこうする事でミート率(Smash Factor)を意図的に下げられるので、クラブスピードを速くすることでよりスピン量を増やせると言うのです。ここでミート率の定義をおさらいすると、ボールスピードにクラブスピードを割った数字がミート率です。通常ショットでは、ミート率が上がるとヘッドスピードに対してボールスピードが上がるので、飛距離が伸びる効率のいい球になります。つまり、敢えてこの理論と真逆にミート率を下げる事で、「速く振るけど柔らかくて飛ばさない球」を打ってスピン量を増やすというテクニックを使うわけです。

ほかにもまだまだトピックスはあるのですが、あまり書くとネタバレになり過ぎるのでこのくらいにしておきます。(笑)