国内女子ツアー第4戦「アクサレディスゴルフトーナメント」が宮崎県のUMKカントリークラブで3月26日から開催される。火曜日の練習日を見たプロゴルファー・中村修のレポートをお届け。

2021年に入って初めて女子ツアーを現地取材する機会に恵まれました。感染対策のため選手との会話はあいさつ程度に制限されていますが、やっぱりツアー会場の雰囲気はいいですね。リモート会見で顔を見てはいるものの直接会ったり、練習風景を見たり、打球音を聞いたりすることで、五感で感じ取れるものがあります。

さて、今週注目したのはこの試合を終えたあと渡米する渋野日向子、原英莉花、河本結の3選手、そして先週2位と好調な鈴木愛選手です。

クラブをアメリカ仕様に調整中の原、体調回復で上位をうかがう河本

まず二人で仲良く練習ラウンドをした原、河本の両選手。原選手は、昨年末の全米女子オープンに出場した経験から、クラブをアメリカ仕様にアレンジしつつ練習ラウンドをこなしていました。

ミズノのツアー担当者によるとソールの幅やシャフト、ウェッジのバウンスなど、主に柔らかく粘っこい芝に対応すべく、様々な仕様のクラブを試しているようです。時折、アメリカツアーが主戦場の河本選手のクラブを手に取り、打たせてもらいながらクラブ談義をしているようでした。

スウィングを見ても、ショットを見ても、下半身だけでなく上半身も鍛え、体のバランスをとってきたというオフのトレーニングの効果がしっかりと出ていると感じました。迫力のあるインパクト音で、飛距離もかなり出ています。2021年はここまで33位タイ、棄権、予選落ち。4戦目で疲れが出る頃だと思いますが、いい流れをつかんで渡米して欲しいところです。

2021年は7位タイ、28位タイときて、先週は体調をくずして棄権した河本選手は体調の回復を確認しながらのラウンドです。体重が2キロ減ったようですが、こちらもトレーニングの効果かライの悪い傾斜地からもブレずにしっかりとスウィングできていました。ドライバーの飛距離はまだ戻ってはいないようですが、今日、久しぶりに開催されるプロアマトーナメントと練習で調子を上げながら初日を迎えるはずです。

1ヤードの精度を体に刻む渋野日向子

そして同じく渡米する渋野日向子選手。今週はベテランで優勝経験も豊富な佐藤賢和キャディとのコンビです。51、54、57度の3本のウェッジとパターを持って14時過ぎの最終スタートでインコース9ホールをラウンドしました。

ティーイングエリアではティショットの狙い目やOBラインを確認。2打目地点ではフェアウェイの幅やライをチェック。グリーン周りでは想定されるピン位置に棒を立て、近いサイドに外した場合のアプローチやピンまで距離があるアプローチなどを入念にチェックします。

そしてそれぞれの地点で必ずヤーデージブックにメモを取ります。たとえば、使ったウェッジのロフトや落ちてからの転がりや曲がり幅など。感覚だけでなく、メモに残すことで想定外を想定内にする作業を綿密に行っていました。

ウェッジを4本体制にしたことも手伝って今までよりも寄せられるエリアが広がっていると感じました。以前はエッジから遠いピンに対して寄せきれないシーンもありましたが、打ち方は変えなくても54度や51度のウェッジを使うことで寄せられるようになっているようです。

パー5では、3打目地点から想定されるピンまでの距離を細かく設定した上でショットをし、どこにキャリーしてランがどれくらい出ていたかを、佐藤キャディと確認していました。エッジまで72ヤード、エッジからピンまで11ヤードのトータル83ヤードのピンに対し、キャリーで5ヤード、トータルで8ヤードオーバーした、というように記録をとり、それを繰り返すことで距離感を養っているようです。

13位タイ、57位タイ、11位タイときているここ2021年は、オフの間に100ヤード以内の精度向上を積み重ねてきたと話していた渋野選手。練習ラウンドでは縦の距離感を細かく確認することで体に1ヤード刻みの距離感を覚えさせているようでした。こういったラウンド術が、3戦連続で予選落ちせずにしっかりとパー5でバーディを奪うマネジメントにつながっていますね。

それにしても、短い期間で大きなスウィングチェンジとアプローチ技術の向上、100ヤード以内の精度の向上と着実にレベルアップさせてきているところには驚きます。また昨年と違った自分に挑み、そこで得た経験からさらにゴルフをブラッシュアップしていくことでしょう。今週はもちろん、渡米後は米ツアーでどんな姿を見せてくれるのか非常に楽しみです。

鈴木愛の調子が良さそう

そして最後に鈴木愛選手。2試合連続47位タイのあと、先週の「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」では難コンディションの中、終わってみれば2打差の2位タイでフィニッシュしています。練習場では、右手と左手を少し離して握るスプリットハンドでウェッジを打ち、動きを確認しながら通常のショット練習へと移行しています。

ドライバー、アイアン、ウェッジとどのショットを見ても安定性、再現性が高く弾道は一定していました。スウィングもマイナーチェンジしているようですが、自分の体の動きに合った動きなのでしょう。

新しいパターでのパッティングも調子が良さそうです。練習グリーンでは、右ひじを体につけ左手で支えながら片手打ちしていました。右手首の角度がキープされ安定した入射角でボールの転がりも一定していましたので、このまま行けば今週は優勝争いしそうな雰囲気です。

試合を重ねるごとに次から次へと注目選手が表れる国内女子ツアーですが、注目した選手以外でもまだまだチャンスをつかんでくる選手がいるはずです。この週末が楽しみです。