「僕たちもゴルフ場のメニューを考えます!」。地域の農工高校生徒とゴルフ場が連携してウィンウィンの関係を目指す、新しい地域貢献。山口県周南市と立田市の実例から。

山口県の周南カントリー倶楽部と地域の高校生がコラボ

山口県にある周南カントリー倶楽部を地元、山口県立田布施農工高校の食品科学科の3年生24 名が訪ねた。

同校は、1次(生産)〜6次(1次・2次・3次産業を統括するトータル事業)産業の経営や、地元企業の特産品を作り出すという授業を従来から行っているというが、この一環として選んだのが、規格外の野菜を活かしたメニュー開発。それをゴルフ場に提供できるのではないかと、周南CCへ見学に訪れた。

この裏側には同校の成功体験があった。昨秋、山口県光市にある創作料理カフェで「枝豆のシュークリーム」を開発し、好評を得たという実績があった。同カフェが仲介・紹介する形で、今回の訪問となった。

一方、周南CCは、経営の追求とともに地域との連携も重視する一般社団法人。これまでも毎年、シーズンには幼稚園や小学校の遠足にゴルフ場を開放し、中学生・高校生には土曜日の15時〜18時の時間にハーフラウンド体験を受け入れてきた。

当日、訪問した生徒たちはゴルフ体験をした後、クラブハウスのレストランで食事をとった。

引率した教諭によれば、「ゴルフになじみのある生徒がほとんどおらず、最初は乗り気でなかった生徒もいましたが、ゴルフ体験や料理のおいしさからか、帰りの車中では『楽しかった』『帰りたくない』との声があがっていました。プレーの後、ゴルファーの方々がどんなものを食べたくなるか、実感できたのもよかったと思います」

また「(各組のスタート間隔に合わせた)8分間隔で料理を提供するシステムは?」「運動後はさっぱりした料理」「やはり地元の食材」など、メニュー開発に向けた意見が飛び交ったという。

ステップ・アップ・ツアーで提供するメニューも考案か

開発するのは通常営業時のレストランメニューだけでなく、周南CCで開催予定のJLPGAステップ・アップ・ツアー、山口周南レディースカップ(11/9〜11)の際、ギャラリーに提供される料理も含まれるとのこと。

「新しいことに挑戦する時期にきていると感じます。地域貢献に加え、生徒さんの1人からは当ゴルフ場で働きたいという言葉を聞くことができ、地元の雇用にもつながっていければ、と思っています」(周南CC支配人の松本俊博氏)

今や、地方のゴルフ場は、地域共生がキーワードでもある。これから地元の高校生たちが生み出していく、クラブハウスメニューに期待したい。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月18日号より

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