PGAツアー「ザ・アメリカンエキスプレス」を制したキム・シウ。2017年の「プレーヤーズ選手権」優勝以来、上位で戦うもなかなか勝ち切れなかった3勝目を掴んだシウが次に目指す目標とは?

昨年の「ザ・アメリカンエキスプレス」では、初日のラウンドを87(15オーバー)で終えたキム・シウは、背中痛のため棄権。あれから1年、今年の同大会には万全な状態で試合に臨んだ彼は、連日60台の好スコアを叩き出し、2位のパトリック・カントレーとは1打差の22アンダーで優勝を果たした。

2017年、第5のメジャーと言われる「プレーヤーズ選手権」以来のツアー3勝目。これによりフェデックスカップランキングは69位から9位にジャンプアップし、世界ランキングも50位以内に浮上した。現在、26歳以下でツアー3勝を挙げているのは、コリン・モリカワとキム・シウの2人だけである。

「プレーヤーズ選手権から、何度も優勝争いをしてきたが、勝てなかった。でもやっとこうして優勝できて本当に嬉しい」

3日目を終えて、首位タイで臨んだが、最終日前日は眠れない夜を過ごした。今まで何度も優勝争いに絡んできたにも関わらず、毎回うまくいかなかった苦い思い出がキムの睡眠を妨げた。かなり寝不足だったと思われるが、それでも最終日は8バーディ、ノーボギーの64という好スコアをマーク。最終組から6組前のパトリック・カントレーが11バーディ・ノーボギーという驚異的なスコアで猛追したが、キムはスコアボードを冷静に見つめながら、それに動じずになんとか1打差で交わして4年ぶりの勝利を手繰り寄せた。

「少なくともプレーオフには持ち込みたかった。17番のパッティングはスピードに注意して、(同伴競技者の)マックス・ホーマのパッティングを参考にしたんだ」

彼はこれまで、優勝争いに絡む展開になるとできるだけ積極的に攻めていたという。だが、それは間違いであることに気づいた。コーチから「優勝のチャンスがある時は、ただ我慢強くチャンスを待って、落ち着きなさい。そして自分を信じること」と言われていたことを思い出した。上がり3ホールで17番、18番の2ホールでバーディを奪取したときも、できるだけガツガツせずに冷静にプレー。その結果、「優勝争いをしても勝てない」という長く苦いトラウマから、ようやく脱却し、優勝できたのだった。

ツアーで3勝を遂げた彼は、韓国人選手としてはツアー8勝を挙げているKJチョイに次ぎ、2番目に勝利数を挙げている選手となった。だが、彼は遠い将来の目標には目を向けていない。「今年はあと1勝はして、(最終戦の)ツアー選手権に出場したい」と、冷静に着実に目の前のハードルをクリアしようとしている。