アプローチの打ち方といえば、ボールを右に置いて左足体重でハンドファーストに構えて上から打つと教わった人も多いはず。しかし、近年は入射角を浅くしてミスの許容範囲を広げる「フィネスウェッジ」が常識となっているという。プロゴルファーでフィッター、トラックマンマスターの‟三刀流プロ”小島慶太にトラックマンのデータを見ながら「フィネスウェッジ」を解説してもらった。

まずは「左足体重」「ボールは右足の前」「ハンドファーストで構える」「ロフトを立てて上から打つ」という一度は教わったことのあるアプローチショットのデータを見てみよう(画像A)。

「58度のウェッジ」を使ったアプローチショットになりますが、打出し角は20度、入射角は7.6度ダウンブローでダイナミックロフトは34.2度とかなりロフトが立って当たっていることが表れています。強いダウンブローのせいもありヘッドの最下点は10.9センチボールよりも先になっています。それため低く出てランも9ヤードほど出てしまっています」(小島慶太プロ、以下同)

それに対して画像Bの同じ58度のウェッジで打った柔らかい打ち出しで落ちてからトロトロと転がりカップに寄せる「フィネスウェッジ」のデータと比較してみると大きく異なる点が多い。

「『フィネスウェッジ』と呼ばれるウェッジのソールにあるバウンスを使って打つアプローチショットでは、ダイナミックロフトは44.3度、1.6度ダウンブロー、ヘッドの最下点は3.2センチボールよりも先とクラブの入射角によって作られるデータは大きく変わっています。そのため打ち出し角も27.9度高く、スピン量も1000回転以上多く落ちてからのランも5ヤード程度におさまっています」

「フィネスウェッジ」を採用するメリットは大きく二つあると小島プロ。

「一つは、ウェッジのソールに備わっているバウンスを使うことでボールへのコンタクトがよりやさしくなります。入射角がゆるやかになるのでバウンスが芝に当たって滑ることでダフリやトップのミスを軽減してくれます。もう一つは打点が安定することで打ち出し角やスピン量が揃うことで距離感が合わせやすくなります」

「フィネスウェッジ」はアドレスにポイントがあると小島は続ける。

「まずハンドファーストに構えてしまうと入射角がきつくなりフィネスウェッジにならないので、ボール位置をスタンスの中央付近に寄せ、シャフトが地面と垂直になるように構えます。体重も左右5対5で構えるイメージです。ウェッジのバウンスが地面に当たっている状態で構えることがポイントです」(画像C)

まずはシャフトを地面と垂直になるように構えることが重要だ。実際に構えて素振りをしてみるとクラブヘッドの最下点付近でボールをとらえる感覚がつかめるはずだ。入射角を浅くするためにコックはあまり使わずに、イメージはパットのストロークの延長のように考えて試してみよう。柔らかく飛び出し適度なスピンで減速しトロトロとカップに寄るアプローチが身につくはずだ。早速試してみよう。

撮影協力/ゴルフアップ