中古クラブショップで発見した、かつて名器といわれたクラブをプロゴルファー・堀口宜篤が試打。果たして今でも“現役”として使えるのかを検証する。今回はプロギア「TR-X370DUO」を打ってみた。

「TR-X370DUO」。プロギアが2003年に発売したこのモデルは、ドライバーの進化の歴史のなかでも重要な位置づけの1本と言える。その理由はモデル名の由来となっているテクノロジー「DUO構造」にある。

DUO構造とはチタンヘッドボディ上部のクラウン部に航空・宇宙分野で使用される先端素材のCFRP(炭素繊維強化プラスチック) を装着した構造のこと。つまり、今日ではごく一般的となったカーボンクラウンを採用した、先駆け的なドライバーだと言えるのだ。

このCFRPをクラウン部に装着することでインパクト時の衝撃によりフェース上部のたわみがアップし、打ち出し角が高くなり、いっぽうでボールのスピン量を抑えられるという、相反する現象を実現した「TR-X370DUO」は、当時話題沸騰となった。

では、そんな同モデルを改めてプロゴルファー・堀口宜篤に試打してもらおう。まずは、構えた時の印象から。

「現在のドライバーのヘッド体積は460ccが多いので、370ccはかなり小さく感じるはずなのですが、構えてみると凄くスッキリした洋ナシ型のいいヘッドだなという印象を受けますね。もちろんヘッドのコンパクトさはあるんだけれど、嫌な小ささじゃないという印象です。フェース面が真っすぐなので引っかかる心配がないという安心感がありますね」(堀口、以下同)

では次に、球を打った時の評価はどうだろうか。試打データの平均値は以下の通り。

【堀口のPRGR TR-X370DUOの試打結果】
HS46m/s キャリー238.5Y トータル264Y 打ち出し角度13.1度 ボール初速63.75m/s スピン量1905回転

まず、打感などのインプレッションはどうだろう。

「インパクトはシャキッとした音がして、それでいて弾く感じもあるので打っていて気持ちがいいですね。音も含めて、古さを感じさせないです」

370ccという今のクラブと比してかなり小さなヘッドも「これはこれでアリですね」という。

「ヘッドがコンパクトなので球のコントロールはしやすい、操作性はかなりいいと思います。大型ヘッドが合わない人とか、球が吹き上がって困っている人には良いんじゃないですかね。シャフトを選ぶことで高さもコントロールできるだろうし、強い球が打てると思います」

さらに、特筆すべきはスピン量の少なさだったという。

「インパクトでかなりフェースが開いて当たったなと思った時でもスピン量は2000回転をちょっと上回った程度でした。スライスめに入った時も同様にスピン量は2000回転くらいです。ナイスショットの時は2000回転までいっていないから弾き感は相当よく、低スピンの強い球で飛んでいきますね。それでいてドロップしないのは、クラウン部分のカーボン素材による打ち出し角度がそれなりに出ているからですね。20年前のモデルとは思えないです」

最後に、今のドライバーと比較して、果たして“現役”として使えるかどうかについて判断をしてもらおう。

「今のクラブと比較した時に、初速がもう少し出て欲しいというのはあります。あと球の上がり具合は今のクラブのほうが上がるかなと思います。ただ、スピン量は今のクラブと比較をしても『PRGR TR-X370DUO』のほうが低スピンだと思いますね。重量はトータルで300グラム(Sシャフトが302グラム、SRが298グラム)ですから、現在のドライバーの270〜330グラムと変わらないし、長さも44.75インチで、振ってもヘッドがついてきてくれるので振りやすい。試打をしてみてフェードを打ったほうが飛んでいたので、アマチュアの方でスライスで飛距離が出ないと悩んでいる方にはいいと思います。20年前のモデルとは思えない。今でもじゅうぶん使えるドライバーだと思います」

今日の複合素材ドライバーの先駆けともいえる「TR-X370DUO」。ネットや中古クラブ販売店で見つけたらラッキーかも!?

協力/PGST