発売から時が経ち、中古市場で比較的安価で購入できるようになった名器ドライバーは今でも現役として使える? プロゴルファー・堀口宜篤がキャロウェイ「GBBエピックサブゼロ」とタイトリスト「913D3」を改めて試打してみた。

最初に試打をするタイトリストの「913D3」は2012年11月発売のモデル。PGAツアーメンバーのアダム・スコットが‘2013年のマスターズで優勝した際の使用ドライバーとしても有名で、発売から約10年のときが経った今では、名器の1本として数えられるドライバーだ。

コンセプトは、フェース中心の後方付近に重心を設定し、エネルギーロスを抑え飛びの三要素であるボール初速、打ち出し角、スピン量の最適化を図ったというもの。今回試打する445㏄の「913D3」のほかに460㏄の「913D2」もラインナップされていた。

ではさっそくプロゴルファー・堀口宜篤に、913D3の構えた時の印象から聞いてみよう。

「ヘッド体積は445ccでちょっと小さめなんですけれど、オーソドックスな洋ナシ型のヘッドで小顔を好む人には最適なドライバーだと思います。見た目の印象は、すっきりしていて、先ほど言った洋ナシ型なのでフェース面のバルジロールがしっかりしていて、いかにもプロモデルという感じがします。アベレージクラスにもフェース面がしっかり見えるので構えた時の安心感はありますね。ワッグルした感じも打ちやすい感じを受けます」(堀口、以下同)

では次に、ボールを打った時の評価はどうだろうか。試打データの平均値は以下の通り。

【堀口のタイトリスト913D3の試打結果】
HS44m/s キャリー236.5Y トータル259.5Y 打ち出し角13.8度 ボール初速62.3m/s スピン量2128.8回転

「軽く振って飛んでいってくれる感じがします。シャフトのしなり戻りもあるし、やさしく楽に打てます。打感はフェースの吸いつき感がよくて非常に心地良いです。弾道に関しては、球はじゅうぶんに上がってくれますね。そしてサイドスピンもそんなに多くないので、振っても球がねじれることがないというのがこのドライバーの最大の特徴かなと思いますね」

初速性能に関しては「振ったらそれなりに出るという印象で、球が伸びはいいですね」と堀口。方向性に関しても「ちょっと芯を外してもある程度真っすぐ行ってくれる感じがします」という。

「タイトリストのドライバーは安定感がいいのですが、それを踏襲しているモデルだと思います。総合的な評価としては、プロモデルなんだけどそこまで難しさを感じなくて、操作性がある中にちょっとオートマチックな部分もあり、今でもじゅうぶんに使えるクラブだと思いました」

続いて打ったキャロウェイの「GBBエピックサブゼロ」は、2017年2月に発売されたモデル。GBBエピックシリーズは「グレートビッグバーサ」の後継機を称するモデルで、発売当初からローリー・マキロイや石川遼が使用開始して話題になった。こちらも今では名器として名前の挙がる1本だろう。

最大の特徴は、2本のバーがカップフェース内部に設置された「ジェイル ブレイク テクノロジー」で、これによりヘッドのたわみをコントロールし、最大限の反発が得られるというコンセプトだ。このテクロノジーは年々進化を遂げ、最新モデルである「ローグ ST」シリーズにも受け継がれている。

「GBBエピックスター」と「GBBエピックサブゼロ」の2機種がラインナップされていたが、今回は「サブゼロ」での試打を行った。ではさっそく構えた時の印象から聞いてみよう。

「構えた時にはヘッド体積が460㏄と大きさも感じられて安心感があります。バルジロールもしっかりあって強い球が打てそうというのがヘッドから伝わってきます。プロ選手の中でもいまだにこれを愛用しているのを見かけるというくらいの人気クラブですよね」

では球を打った時の評価はどうだろうか。試打データの平均値は以下の通りだ。

【堀口のキャロウェイGBBエピックサブゼロの試打結果】
HS44m/s キャリー231.6Y トータル263.4Y 打ち出し角11.1度 ボール初速63.4m/s スピン量1651.2回転

「まず打感ですが、球離れは『GBBエピック』のほうが早い感じがしますね。結構ブッ飛び系のドライバーかもしれないです。弾道は低くて強い球が出ます。スピン量は先ほどの『913D3』に比べてこちらのほうが少なくて、ランも出ています。普段スピン量が多いという人は『GBBエピック』がいいかもしれないですね」

寛容性に関しても「ちょっとフェースが開いて当たってスライス系の球になっても距離が落ちませんね」と評価。総合的な印象としては「現行のドライバーなんかと比べても遜色ないパフォーマンスは出せると思います。エースドライバーにしてもいいぞという感じがしますね」という。

さて、2モデルの試打を終えた堀口は「どちらもやさしく打てて性能は高いという印象を受けました」と総括。いっぽうで「比較してみるとスピン量で差を感じましたね」という。

「『GBBエピック』のほうがスピンは少なめで球の弾き感も強い感じですね。『913D3』は球の食いつき感がよくてフェースに乗っている時間が長いので、スピンが少し入ってくれるというところは感じました」

最後に、この旧モデルは現行モデルと比べてパフォーマンス的に張り合えるのか、ズバリ評価をしてもらった。

「『GBBエピック』に関してはまったく遜色ないです。確かに現行モデルの『ローグ ST』シリーズのほうが吸い付いて弾く初速を出している感じはするんですけれど、弾き感が好きなゴルファーにとっては、この『GBBエピック』のほうが合っているのかなと思います。『913D3』に関しては、現行のTシリーズと比べると、『913D3』のほうが吸い付き感が長い気がするので、ボール初速に関しては現行モデルのほうが出ているかなと思います。ですが、打感と音という打った時の心地良さというものもパフォーマンスに影響してきますから、その意味では軟らかさを感じる『913D3』はじゅうぶんに今でも使えるクラブだと思いますよ」

ショップや商品の状態によっては1万5000円を下回る値段での入手も可能なうえに、今も通用するパフォーマンスを有するというこの2つのドライバー。発売当初はスルーしてしまったゴルファーも、改めて買って試してみる価値はありそうだ。

協力/PGST