第150回全英オープンの最終日が終了。日本のエース、松山英樹はどんな戦いを見せたのか? 試合後のコメントを踏まえて、松山のプレーをレポート!

前半だけで3つスコアを伸ばす

「最終日は来年の全英に向けていい材料になるようなゴルフをしたい」

スコアを大きく落とした3日目のラウンド終了後、松山はそう話していた。

迎えた最終日、いきなり出鼻をくじかれることに。1番ホールのティーショットはフェアウェイをとらえたが、残り84ヤードからの2打目をグリーン手前に流れるクリークに入れてしまう。しかし、4打目のアプローチをカップに沈め、まさかの“チップインパー”に、松山も全英で初めて(と思うくらいの)笑顔を見せる。「2打目も感触的にはいいショットだった。なんで(クリークに)入ったんだろうという感じ。ティーショットも2打目も4打目も、いいショットだったから気分よくスタートできました」(松山)

ただ、松山曰く、「ショット(の感覚)はまだ全然はまらない。どう振っていいかわからない」。
その状況の中、3番ホールでは2打目をベタピンにつけ、この日最初のバーディを奪う。5番のパー5では、2打目をグリーンに乗せて楽々バーディ。続く6番でもバーディを奪い、前半だけで3つスコアを伸ばした。

後半になっても10番ホールでは約3メートルのパットを沈め、幸先よくバーディを奪う。12番ホールは2打目を約1メートルへピタリとつけバーディ。しかし13番、ティーショットを左へ曲げ、ラフからの2打目はパーオンしたものの、ファーストパットは約13メートルの距離。そこから3パットでこの日初めてのボギーを叩く。14番パー5の2打目、残り距離269ヤードを見事2オンに成功。イーグルパットは惜しくも外すが、楽々バーディを奪いバウンスバック。前ホールのボギーをすぐさま取り返した。

15、16番はパー。そして、「世界一難しいパー4」と言われる17番ホール(3日目までの平均スコア4.627)。ティーショットは、松山自身が暫定球を打とうとするほど右に大きく外してしまう(結果的には助かっていた)。2打目でグリーンオンするも、約14メートルのバーディパットは1.2メートルショート。このパーパットを外し、この日2つ目のボギー。迎えた最終18番ホール、全英オープンの、今年のメジャー締めくくりのティーショットは会心の当たりでグリーン手前まで運び、2打目はパターで1メートル弱に寄せる。18番ホールは3日間バーディを奪っているホール。松山は最終日もしっかりバーディパットを沈め、全英オープンの“72ホール”を締めくくった。

ベストではない状況の中
それでも”松山英樹”を示した

松山にとって、苦手意識のある全英オープンの4日間はどんなものだったのか? 彼の言葉をもとに振り返ってみよう。

初日――
「よくもなく、悪くもなく。ショットもパットもよくなってきているので、もう少しはまるものがあれば…」
決して満足のいくゴルフではなかったが、それでもまずまずのゴルフで、35位タイ。

2日目――
「ショットもパットももったいない一日だった。まずは、たくさんバーディチャンスをつくれるようにしないと…」
出だしは上々だったが、終わってみればひとつしかスコアを伸ばせず、2日目終わってトータル1アンダ、55位タイ。

3日目――
「パットのタッチが合ってもラインが合わなかったり、逆にラインが合っていてもタッチが合わなかったり…」
思うようにいかず、怒りを抑えるために“無”になった。15番からは”らしさ”を取り戻したが、前半の“トリ”“ダボ”が響き「76」。80位まで順位を落とす。

最終日――
「3パットも3回、短いパットも2回外したわりには、リンクスでこのスコアで回れたのはよかった…」
この日はセントアンドリュースにしては風がなく、その状況ではあまり参考にはならないとしながらも、結果には満足の「67」。トータル2アンダー68位タイでフィニッシュ。

これで今年のメジャーはすべて終了。マスターズは14位タイ、全米プロは60位タイ、全米オープンは4位、そして全英オープンは68位タイで終った。「全米オープン以外はいい成績を残せなかった。来年はメジャー4つ全部でいい成績を残せるようにしたい」(松山)

松山の戦いはこれで終わりではない。ホールアウトの2時間後には飛行機に乗ってアメリカへ。全英オープンの翌週に行われる「3Mオープン」に出場する。そして8月からは年間王者を決めるプレーオフシリーズが始まる。

「優勝争いは見ないで、もう移動します」(松山)。最終組のマキロイとホブランがスタートする約3時間半前、松山英樹は足早に会場を去っていった。もう頭の中は次の試合に切り替わっている。

写真/姉﨑正