ゴルフには“スコアの壁”がつきもの。ビギナーを脱したアマチュアゴルファーに立ちはだかるのがスコア100の壁だ。これを乗り越え「100切り」を達成するにはどうすればいいか? プロゴルファー・兼濱開人が状況別に解説。今回は兼濱が「たまに実践するならオススメ」だという「アスリートのようなルーティン」を紹介してもらおう。

アスリートルーティンでメリハリを付けよう

100切りを目指すゴルファーの中には、スタート前からプレー中までしっかり自分の中でルーティンを定めている人もいれば、ガチガチに固めずに臨むという人もいることだろう。

そんな両者にとってオススメだと兼濱が言うのが「アスリートのようなルーティンでラウンドする」ことだ。

「もちろん毎回アスリートのようにラウンドしなければならない、となると息苦しく感じてしまいますが、たまにくらいの頻度ならプレーにメリハリも付きますし、学ぶことも多いと思いますよ」(兼濱、以下同)

コースで朝食を食べる

兼濱がオススメする、簡単に採り入れられる1つ目のアスリートのルーティンは「コースで朝食を食べること」だ。

「そんなことでと思うかもしれませんが、実際に女子プロゴルファーの方から『朝ご飯をコースで食べるようにしたら調子が良くなった』なんて話も聞いたことがあります。たしかにゴルフ場という非日常的な世界で、朝食という日常的な行動をすることで、徐々にその場が“自分の空間”になってくると思うんですよね。コースという場所に慣れる、緊張感を減らすという意味でも、実はアスリートの入り口かもしれないですね」

スタート前の練習の中心は「グリーンにタッチを合わせる作業」

コースで朝食を摂るとなれば、自然と入り時間も早まっていく。「食べる時間から逆算すると、大体1時間半〜2時間前くらいの到着がちょうどいいと思いますよ」という。朝食後はラウンドに臨むためのアップの時間となるわけだが、練習場で主にやってほしいというのが「練習グリーンでのパッティングです」と兼濱は続ける。

「ショット練習ももちろんしますが、比重が大きいのはパターの練習ですね。なんとなくスタートせず、ロングパットをひたすら打ってグリーンのスピードにタッチ感を合わせる調整を行いましょう。個人的には、青木瀬令奈プロがパッティングの際に毎回グリーンに触るっていう話が好きで、これも取り入れていいと思います。毎回芝を触って、粘度や芝質を手元で感じて、それをイメージして打つんです。最初は当然ピンと来ないと思いますが、繰り返しやることで感覚として身についていくわけですから。“感覚の貯金”としてはすごくいいルーティンだと思いますね」

集中力が途切れないようお昼も軽食に

そして最後は、昼食に関するルーティン。「アスリートのようなルーティンであれば、お昼も軽食にしましょう」とのことだ。

「お昼の料理やお酒もラウンドの醍醐味ですが、アスリートであればお酒は飲まないし、軽食になりますね。昼食をしっかり食べると血糖値が急に上がってしまいますからね。すると、お昼を食べ終えてから大体40分〜1時間後に低血糖になって集中力が切れてしまうんですよね。午後がインスタートならタイミング的には12番から13番ホール辺り。結構勝負どころのホールに出会うタイミングで集中力が落ちてくる状態になってしまうと思うので、なるべく軽く済ませましょう」

これは前述した朝食も同様で「一気に食べるより継続的に軽食を食べるほうがいいです」と兼濱。「朝に少し食べて、ランチも軽食にして、ラウンド中も合間合間でドリンクを飲みながらちょこっと食べるのがいいですね」という。

今回兼濱が教えてくれたのは、すべてやろうと思えばすぐ採り入れられるルーティンばかり。ぜひ一度試してみては?

協力/学芸大ゴルフスタジオ