gooニュース×『Voice』連携企画 話題のテーマに賛否両論!
グーグル流ビジネス・崇高な理念に隠れた欺瞞(森 健・ジャーナリスト)

次々と報告された違法行為

  「グーグル革命」「儲かる会社のグーグル化」「自分をグーグル化せよ」。いささか聞き飽きた言葉だが、グーグルを使わなければ時代遅れになるとばかりに煽り立てる企業トップやコンサルタント、書籍が溢れている。
・マイクロソフトのワードやエクセルを購入しなくとも、オフィスアプリケーションの機能を使うことができる。
・不動産を購入したり借りようとしたりしている人なら、ストリートビューで物件周辺の様子を見学することができる。
・自分に関心のある人なら「自分をグーグル化」することで、アラートや検索から自分に関する ウェブ情報を見つけることができる。
……云々。とにかく無料で便利なのだから使い倒せというわけだ。

  グーグルを駆使すれば、手軽にお金を稼ぐこともできる。各種サイトからコピーしたテキストを自分のブログに貼り付け、そこにグーグルアドセンスを導入して広告収入を稼ぐ。違法ではないか? そんな声もあるだろう。だが、面倒なことにはできるだけグーグルは首を突っ込まない主義だ。
  グーグルのビジネスの根幹は、検索エンジンとそれに基づく検索連動広告。データは多ければ多いほどいい。だが、あまりに公私のデータを拾い集めているがゆえに、ネットを深く利用する人たちにはグーグルを忌避する動きがある。

  よく知られているのが、ストリートビューに絡む騒動だろう。サービスが日本で開始されたのは、アメリカに遅れること一年余りの2008年7月。開始直後から2ちゃんねるや各種ブログ、ウェブメディアなどで物議を醸した。路上でキスをする高校生らしきカップル、風俗店に入ろうとしていた客など、おかしな画像が数々話題になり、面白がると同時に「プライバシーの侵害ではないか」といった議論にも広がった。
  騒動はそうした下世話な興味を超えたところにも及んだ。撮影車は、私道や「進入禁止」と明示されている場所、あるいは女子校の敷地まで勝手に入り込んで撮影していた。いわば“違法行為”がブログや2ちゃんねるなどで次々と報告された。

  これに対し、東京都町田市議会では規制を求める意見書が、福岡県弁護士会ではサービス中止の意見書が出されたことが話題になったが、これらはある意味で想定内だ。だが、日ごろ露悪的な情報が好きな2ちゃんねるの利用者ですら、否定的な声のほうが少なくなかったのは注目に値する。
   「誰でも容易に組み合わせて個人情報を得られることがはっきりしているんだけど。これを個人情報ではないというほうがおかしい」 「法的に問題なけりゃそれでよしってのもおかしな話だと思うが」

  こうした非難の声に対し、例によってグーグルはけっして真摯とはいえない対応をした。これまでにも、「アドセンス打ち切り問題」(2005年)、「グーグル八分」(2003年以降)とさまざま問題が明らかにされ、そのたびごとに当事者が同社に問い合わせをしてきたが、ほとんどは自動化された応答メールや、木で鼻を括ったような口頭対応だった。
  「これ住所と家とその周りをネットで犯されるって事だろ つまり生活空間を無許可で不特定多数に流出してる訳か 誰が得するんだよwww」  この2ちゃんねるユーザーの問いに対する答えは簡単だ。ほかでもないグーグルだからだ。

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