「乙女男子」と言う言葉があるのをご存知だろうか。少年のような容貌の瞳の大きな男の子?あるいは女装趣味の男性をイメージした人、「女々しい」という言葉と結びつけた方も多いかもしれない。当「乙女男子研究所」が考える乙女男子とは、本来はF1層(20〜30代女性)をターゲット層としてきた商品やライフスタイルを「カワイイ」「オイシイ」「ダイスキ」と躊躇なく受け入れてかつ愛好できる男性のことであり、そのような人たちが着実に増えていると感じている。「男らしさ」を背負わされて生きた昭和世代とは違い、軽やかに生きる新たな男子の生態を探りながら、社会や文化についても考えていきたい。

■波紋を呼んだ乙女系男子という言葉

2005年「乙女系男子」という言葉が一部で波紋を呼んだ。


  「日経WOMAN」の記事
火付け役となったのは、「結婚したくてもできない男 結婚できてもしない女」などの著書があるライターの白河桃子氏が、雑誌日経WOMANに執筆した「お姫様を待つ乙女系男子たち」という記事だった。 結婚したいけど結婚できない、または結婚しない男性が「もう結婚を前提とした恋愛しかしたくない」「傷つくのが怖い」「自分からは押せない」とインタビューに答えた言葉を並べて『男たちはかなり「乙女系」でした』と紹介したのだ。

この記事は「Smart晩婚講座」というタイトルの連載なのだが、統計データを見てもこの発言は裏付けられる。

データが明らかにする結婚しない男のホンネ

国立社会保障・人口問題研究所がまとめている「少子化情報ホームページ」によると、1970年に女性24.2歳、男性26.9歳だった平均初婚年齢は、2005年には女性28.2歳、男性30.0歳まで上昇している。

女性の晩婚化の理由は、「仕事を持つ女性が増えて、女性の経済力が向上した」が66.1%に続き「独身生活の方が自由である」が54.1%あるのに対して、男性の晩婚化の理由は「独身生活の方が自由である」がダントツで59.6%なのだ。もう少しデータを読み解いてみればこの男性の「自由」の本音が明らかになる。


  「結婚に対する負担」
結婚に対する負担について「行動の自由が制約される」としたのは女性のほうが若干上回っている。育児、介護、仕事と家庭の両立、などは女性の割合が高いがそれでも10ポイント程度の違いでしかない。実は「経済的負担」を挙げる人が男性は7割弱もおり、女性の2倍になっているのだ。

社会進出が進んだ「強くなった」女性に対する「弱い」男性という図式が、いかに社会的に強力なフレームであるということを浮き彫りにしていると言えるのではないだろうか。

さらに、厚生労働省発表の「平成19年版 働く女性の実情」によれば、女性労働力人口は4年連続で増加しているのに対して、男性の労働力率は10年連続で低下している。女性管理職は、数はまだ少ないとはいえ1984年から2005年の間に約2倍に増加。それに対して男性管理職は2005年までの10年間にほぼ半減している。ちなみに、この資料を発表した厚生労働省の担当課長も女性である。

「男らしさ」のファンタジーに囚われ続ける

このように、女性は、まだ不充分とはいえ、収入も増え、社会的地位も認められはじめ、ライフスタイルの選択の幅は確実に広がっている。一方で男性はどうだろう?いまだに「男らしさ」といったファンタジーに囚われ続けているのではないだろうか。