いよいよソチ冬季五輪の開催が近づくなかで、フィギュアスケートの日本人選手の活躍に注目と期待が集まっています。フィギュアスケートは美しい音楽にのって自由に滑って跳んで回っているかのように見えるので、氷上のバレエとか、ダンスなどと表されることも多々。でも、ショーではなく試合の場は「アスリートが技術と体力の限界に挑戦する競技」なので、そこには厳密なルールがあり、演技をチェックする採点があるのです。それでは競技としてのフィギュアスケートにはどんなルールがあってどのような採点がなされているのか。五輪の試合を観戦する前の予備知識として、男女シングル競技を中心に説明したいと思います。(美容ジャーナリスト・渡辺佳子)

 男女シングルのフィギュアスケートの試合はショートプログラム(以下、ショート)とフリープログラム(以下、フリー)との2つで構成されています。それぞれに求められている要素があり、ルールを守りながら、正確でレベルの高い演技を行うことが高得点への道。ミスはしないに越したことはないが、万一ミスをした時には、できる範囲でルール内のリカバリー(ミスの穴埋め)をしてもよく、最後まで粛々と、できる限りのパフォーマンスを見せ、制限時間内にフィニッシュ! そしてそこまでに得られた得点を競うという、体力も気力も機転も必要な競技です。


○ フィギュアスケートの採点〜TESとPCS〜

 現在のフィギュアスケートの採点は、大きく分けて2つの面から行われ、演技後にそれぞれの得点が発表されて、合計点で順位を競います。1つがTES、もうひとつがPCSと呼ばれるもの。TES(ティーイーエス)とは、Technical Elements Score(テクニカル・エレメンツ・スコア)の略、PCS(ピーシーエス)とは、Program Components Score(プログラム・コンポーネンツ・スコア)の略。

 日本語にする際にこれを「技術点」と「演技構成点」という簡単な説明ですませてしまっているのがで「よくわからない〜」と言われてしまう一因ではないでしょうか。

 まして、地上波テレビの実況解説では、主に跳んだジャンプの種類と見た目での成功・失敗が中心で、あとは表現力がどうこうと漠然とした話に終始することが多い気がします。それで、実は何が採点されているのか、審判はどこを見ているのかがあやふやなまま、出てきた得点を見て「ああよかった!」とか「ダメだった!」と反応するしかない人が多いのでは?

 一方でフィギュアスケートの特集記事も報道も、基本ルールと採点法はわかっているという前提で話が進むので、いまさら聞けない感もありますよね。それに、採点方法は「複雑! 細かい! 難しい!」の三拍子揃っていて、多少なりとも、いや、だいぶオタク気質がないとついていかれないのも事実です。

 でも今はせっかくの4年に1度の大勝負を目にするチャンスです。少しでも何がどう採点されて勝負が決まるのか、把握できていたほうが観戦しがいがあるでしょう。私はジャッジでも関係者でもありませんが、長年のスケートファンとして個人的に得た知識を総動員し、少しでもわかりやすい説明と今季ここまでの現状を記してみたいと思います。