3年前の3月にイラク戦争が始まったとき、あるいはその約1年後に日本人がイラクで人質になったとき、いったいイラクで何が起きているのか知りたくてテレビをつけると、常に冷静に的確に解説してくれる専門家がいた。それが中東調査会の大野元裕さんだ。イラクの支配者を「フセイン」ではなく「サッダーム・フセイン」と正確に呼ぶのが印象的だった。大野さんは1991年に湾岸戦争が勃発したとき、イラクの日本大使館で専門調査員としてイラク政府をウォッチしていた。つまりそれくらいずっと、「サッダーム・フセイン」を見つめてきたわけだ。その元大統領の裁判が、ついに結審した今、大野さんにコラムを寄稿いただいた。前回のコラム「ジダンの涙」に続く、大野元裕コラム第2弾です。