フランクフルトからもほど近い、ヘッセン州の州都ヴィースバーデン。街全体が優雅な雰囲気につつまれ、そぞろ歩きにぴったりの場所です。19世紀には高級保養地としてその地位を確かなものにし、現在でもその名残がいたるところで見られます。

ヴィースバーデンへのアクセスは、フランクフルトからの電車で最短30分。駅から町の中心部までは市内バスの利用が便利ですが、町並みを見ながら歩いても良いでしょう。徒歩の場合は15分ほどで中心部に到着します。

19世紀には貴族が集まる社交場として栄えたヴィースバーデン。そんな歴史を象徴しているのが、1907年に建設された「クアハウス」です。ギリシャ神話に登場するかのようなたたずまいが特徴で、当時のドイツ皇帝ヴィルヘルム2世も「世界で最も美しい」と称賛したのだとか。

内部にはカジノやシンポジウムに使用するホールが入っています。カジノはドイツ最古のひとつに数えられ、その歴史のなかで様々なドラマを目撃してきました。そのひとつが、ここで1晩にして全財産を使い果たしてしまったロシアの小説家ドストエフスキー。彼のあわれな体験は小説「賭博者」に描かれているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

入り口ロビーでは丸天井が高さを演出し、威厳をたたえながらも優雅さのある空間が広がります。

クアハウスの裏に広がる「クアパーク」は、市民にとって憩いの場所。ベンチでのんびり本を読んだり、ジョギングをしたりと、思い思いの時を過ごす人々の姿が見られます。

さて「入浴」を意味する「バーデン」が町の名前になっているように、ヴィースバーデンは温泉と深いつながりのある町。町には源泉が数か所あり、ここから湧き出るミネラル分たっぷりのお湯はスパや病気の治療に使用されています。

町の中心には温泉の湧き出る泉「コッホブルネン」もあり、気温の低い冬は泉から湯気がモクモク上がる面白い光景も見られますよ。

中心部から少し離れますが、郊外にあるネロタールでは水の力で動くケーブルカー「ネロベルクバーン」が運行しています。麓から丘の上まで乗車時間は3分ほどしかありませんが、珍しい体験ができるのでおすすめです。丘の上から見渡す街並みも美しいので、ぜひ天気の良い日に出かけてみてください。

優雅な雰囲気につつまれた、ヘッセンの州都ヴィースバーデン。あちこち観光地を巡る旅も良いですが、たまには町並みを楽しみながらゆっくり散策したい。そう思わせてくれる町です。