建築やデザイン、美術を学んだことのある人であれば、一度はどの名を聞いたことがあるであろう造形学校「バウハウス(Bauhaus)」。学校として存在したのはわずか14年のみですが、この学校で生まれたシンプルかつ機能的なデザインが20世紀の芸術や建築思想に与えた影響ははかり知れません。

1919年にヴァイマールで産声をあげたバウハウスは、今年で創立100周年。そこで今回は誕生の地ワイマールおよび全盛期を迎えたデッサウで、この節目の年に訪れたいバウハウスゆかりのスポットを紹介します。

まず紹介するのは、創立100周年を記念してヴァイマールで今年4月にオープンしたばかりのバウハウス博物館。2千平米以上の展示面積を誇る館内では、初期の作品を中心に芸術作品や家具など約1000品が展示され、バウハウスが辿ってきた歴史に触れることができます。

無駄なものを排除したシンプルで機能的、かつ美しいデザインは、バウハウスの代名詞ともいえるでしょう。細部まで計算されつくしたデザインは、シンプルでありながら圧倒的な存在感を放っています。

町の中心部から少し離れた場所にある「ハウス・アム・ホルン」は、バウハウスがヴァイマールで唯一実現することのできた建物。バウハウス関連の建築群としてユネスコの世界文化遺産にも指定されています。

1923年に実験住宅として建設され、内部ではリビングを中心に寝室、ワークスペース、バスルームなどを配置するなどした機能重視の設計を体感することができるでしょう。

バウハウス大学は、もともとバウハウス学校の校舎だった建物。1919年の設立当時はドイツ建築界の巨匠ともいわれるヴァルター・グロピウスを校長に迎え、ヨハネス・イッテン、ライオネル・ファイニンガーら豪華教授陣が教鞭をとりました。現在は建築、土木工学、アート・デザイン、メディアの4部門の学生がここで学んでおり、校舎内部は学生でなくても自由に見学することができます。

ヘルベルト・バイヤーによって描かれた階段踊り場のグラフィックや校長ヴァルター・グロピウスの部屋、アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデによる螺旋階段など、構内のいたるところにバウハウスの精神が息づいているのが感じられます。

1925年にはヴァイマールから追われるようにして、北東170キロほどの場所にあるデッサウに移転したバウハウス。教育方針の明確化や地元リベラル層の支持のもと活動が活発化し、やがて最盛期をむかえて国際的な評価も高まっていきます。新校舎はグロピウス設計によるもの。

ガラス張りの外観は当時としては珍しく、壁全面から光が差し込む室内はとても開放的です。

構内はシンプルかつ機能的でありながら、そこには美しさも調和しているのがよく分かります。一見すると無機質でありながら、冷たさを感じさせないのはグロピウスの手腕といえるでしょう。

創立から100年を迎えたバウハウス。誕生の地であるヴァイマールほかデッサウ、ベルリンなどで様々な関連イベントが目白押し。またデッサウには今年秋にバウハウス関連の新たな博物館もオープンしたばかりです。節目となる記念の年に各地の関連スポットを巡りながら、バウハウスが辿ってきた歴史と功績を再確認してみてはいかがでしょうか。