バルカン半島のアドリア海に面した小さな国モンテネグロ。日本人の旅行先としてはまだ馴染みの薄い場所ですが、海岸沿いのプドヴァやコトルと言った町は大型クルーズ船が停泊するほどの人気都市でもあります。

一方で北部の内陸部分は、手つかずの豊富な自然と深い信仰がのこる秘境の地。旅行者で賑わう海岸沿いの町とは雰囲気もガラリと変わり、大自然のパワーを直に感じられる場所です。

今回はそんなモンテネグロ北部で訪れてみたい観光スポットを3つほどご紹介しましょう。

・タラ渓谷

長さ80キロにもわたって続くヨーロッパ最大規模の渓谷が、ドゥルミトル国立公園内にあるタラ渓谷。700種以上もの植物やカモシカをはじめとする動物が生息する、まさに生態系の宝庫です。険しい山々が織りなす渓谷は最も深い所で高度差が1300mにもなり、谷底にはエメラルドグリーンに輝くタラ川が流れています。

そんなタラ渓谷に架かる唯一の橋が、アーチの美しいこの橋。高さ150mの場所に全長350mの橋が架けられ、自動車または徒歩で歩いて渡ることができます。

高い所が平気であれば、渓谷の両側を結ぶジップラインもおすすめ。橋と並行するようにして張られたロープにぶら下がり、足がすくむような高さの場所を反対側めがけて勢いよく滑っていきます。

・黒い湖

タラ渓谷とおなじドゥルミトル国立公園内にあり、モンテネグロ有数の景勝地として知られるのが、「黒い森」と呼ばれる湖。湖を囲んでいる針葉樹の森が影を落とす事で湖面が黒く見える事から、このように名付けられました。

湖をぐるりと回る様に遊歩道が整備され、約1時間半で一周できます。足を進めるごとに見える景色がどんどん変化するほか、夏場は泳いでいる人の姿も見られるでしょう。

・オストログ修道院

標高約800mの断崖絶壁に立っているのは、モンテネグロ最大のキリスト教聖地であるオストログ修道院。様々な奇跡を起こすと言われている聖ヴァシリエの遺体が安置されている事から人々の厚い信仰をあつめ、世界中から巡礼に訪れる人々の数は毎年10万人以上にものぼります。

聖ヴァシリエというのは、17世紀前半にこの修道院を築いた修道士。修道士たちは、俗世と切り離された秘境ともいえるこの場所まで自らの足で上り、神や人々のために祈りを捧げる生活を送りました。

門をくぐったところから厳粛な空気が張り詰めていて、キリスト教信者でなくても強い信仰の力を感じることができるはずです。

私達が知らない素晴らしい場所が、まだまだ沢山潜んでいるモンテネグロ。今回紹介した3つの場所はアクセスが決して良いとは言えませんが、訪れてみる価値は十分にありますよ。