ヨーロッパ屈指の大きさを誇る旧市街が世界遺産に登録されている、リトアニアの首都ヴィリニュス。

ヴィリニュス観光の中心となるのが、あちこちに散らばる色とりどりの教会です。

「ヴィリニュス観光=教会めぐり」といっても過言ではないほど、ヴィリニュスは教会の多い街。狭い範囲に、さまざまな建築様式やさまざまな宗派の教会が点在する光景は壮観です。

ヴィリニュスに数ある教会のなかでも、バロックの街・ヴィリニュスを代表する記念碑的存在が、聖ペテロ・パウロ教会。「リトアニアバロックの真珠」ともたたえられ、教会内部の装飾の美しさでは東欧随一といわれています。

聖ペテロ・パウロ教会は、ロシアからの解放を記念して建てられた教会で、1668年から建設が始まり、外観に7年、内装にはさらに30年あまりの歳月が費やされました。

旧市街のはずれのアンタカルニス地区に位置し、ヴィリニュス観光の中心地からはやや離れていますが、わざわざ足を運ぶ価値のある教会。旧市街中心部から歩くにはやや遠いので、2、3、4、14、17、20番のトロリーバスを利用すると便利です。

内装に多くの時間がかけられた理由。それは、「バロックの凍れる音楽」とも呼ばれる内部をひと目見ればわかります。

扉をくぐって教会内部に足を踏み入れた瞬間、真っ白な内壁が無数の彫刻で埋め尽くされている光景に感嘆のため息が・・・

天井も、壁も、柱も、一面が漆喰彫刻で覆いつくされています。その数なんと2000以上。イタリアから招かれた彫刻職人が制作にあたり、数百人ものリトアニアの職人がアシスタントに加わりました。

ここにある彫刻について特筆すべきは、ひとつとして同じものがないと言われていること。

彫刻のテーマの多くは、聖書や神話から取られており、リトアニアの戦史を表現したものもあります。モチーフは聖人や天使、植物、想像上の獣など多岐にわたりますが、隣り合っている天使の彫刻は、それぞれにポーズや表情が異なります。

同じように見える花の彫刻であっても、やはり花びらの付き方や角度などが異なっているのです。

思わず頬がほころんでしまう、こんなキュートな彫刻も。

女性をかたどった彫刻も多く、これらは教会に差し込む光の加減によって表情が変化して見えるように計算されて作られているのだとか。

聖ペテロ・バウロ教会が「リトアニアバロックの真珠」と呼ばれるのは、彫刻の数が多いのはもちろんのこと、一つひとつの完成度が際立っているからなのです。

布の質感まで伝わる表現力や、豊かな表情、躍動的な動きが与えられた無数の彫刻が束になって迫ってくるような感覚は、どこか波を思わせます。

命あるものたちが、それぞれに動いている一瞬を切り取ったかのような彫刻で埋め尽くされた空間。

この劇的な光景を目の当たりにすれば、「バロックの凍れる音楽」との異名にもうなずけるというものです。

聖ペテロ・バウロ教会の内装は、数百人もの職人たちが、その技術と想像力を結集して造り上げた小宇宙といえるでしょう。

名前 聖ペテロ・パウロ教会 (Sv. Apastalu Petro ir Povilo Baznycia)
住所 Antakalnio g. 1, Vilnius 10312, Lithuania
電話 2340229