中世の面影を色濃く残す、エストニアの首都・タリン。13世紀にハンザ同盟に加入し、ヨーロッパとロシアを結ぶ交易の拠点として繁栄しました。

当時の栄華を今に伝えるタリンの旧市街は、まるごと世界遺産に登録されています。

そんな旧市街にある、1864年創業のタリン最古のカフェが「マイアスモック(Maiasmokk)」。店名はエストニアで「甘党」を意味するのだそう。旧市街のほぼ中心、精霊教会の向かいに位置するクリームイエローの建物内で営業しています。

気軽に利用できるカフェは1階にあり、2階ではケーキに加え、スープやサラダ、軽いメイン料理などの食事も楽しむことができます。

ダークウッドでまとめられた空間に、黄金色の模様が施された優雅な天井が華を添える店内は、クラシカルで落ち着いた雰囲気。

観光地の中心でありながらゆったりとした時間が流れ、「大人の社交場」といった趣です。この内装は、もう100年以上もほとんど変わっていないのだとか。

かすかに聞こえてくる機械音のほうを振り向くと、カウンター席の窓の横を鉄道模型が走っているのを発見。オリジナルデザインの可愛らしいミニ列車に、思わず頬がほころびます。

入口のドアを挟んだ別の窓際には、カップとソーサーが載った観覧車が回っていて、メルヘンチックな雰囲気を醸し出しています。

マイアスモックの窓は古くからタリンの名物で、100年前にはすでに、この窓を見ようとあちこちから人々がやってきていたそうです。

1階のカフェは、カウンターでドリンクやケーキなどを注文するセルフサービス形式。「さすが老舗」と思わせる、レトロで上品なケーキはどれもおいしそうで、どれにしようか迷ってしまいます。

いただいたのは、バルト三国でポピュラーなはちみつケーキ。

はちみつはエストニアの名産のひとつで、とても身近な存在。どこか昔懐かしい素朴な甘みと、上品なまろやかさを併せもつケーキは、忘れられないエストニアの味です。

カフェで心安らぐひとときを過ごしたら、同じ階にある「マジパンの部屋」もお見逃しなく。

もともと薬として中世の薬局で売られていたマジパンは、のちに人気のお菓子となりました。タリンは中世の時代からからオリジナルのマジパンを製造していた街のひとつで、その製法は数百年前から変わっていないといいます。

この「マジパンの部屋」では、手作業で作られた個性豊かなマジパンおよそ200点が展示され、絵付けをする様子を見学することも可能。ヨーロッパならではのスイーツ文化に触れる絶好の機会です。

150年以上にわたって地元の人々や旅行者に愛されてきたタリン最古のカフェ、マイアスモック。ここでは、今も変わらない伝統の味と技が生き続けています。

「マイアスモック(Maiasmokk)」
住所:Pikk tn 16, Tallinn
電話: +372 64 64 066
1階カフェ営業時間:月〜金 8:00-21:00、土日 9:00-21:00
http://www.kohvikmaiasmokk.ee/en/