ドイツ南西部に広がる黒い森。ここには、まだ日本ではほとんど知られていない可愛らしい小さな町がいくつもあります。

今回ご紹介するハスラッハも、そんな町のひとつ。日本でならともかく、ドイツ人でさえ「それはどこ?」と首をかしげてしまうような、まさに知る人ぞ知る秘境ともいえる町なのです。

そんなハスラッハが位置するのは黒い森のほぼ中心。高級温泉保養地として有名なバーデン・バーデンから電車で南へ電車で50分ほど走った場所にあります。

ハスラッハは黒い森の中でも特に古い歴史を持つ町。ローマ時代には既にこの地に人々が住み始めていました。13世紀には近くの山から採れる銀の主要な取引地として栄えます。

17世紀にかけて町は交易で更に発展しました。マルクト広場やマルクト通りは、現在に至るまで完全な形で当時のまま残されています。

町でまず目に飛び込んでくるのは、まるで天井のように頭上に張り巡らされたカラフルな万国旗です。筆者が訪れた日はあいにくの曇り空でしたが、色とりどりの国旗の旗はそんな中でも晴れの日と変わらない元気な印象を町に与えています。

国旗にばかり目が行ってしまいがちですが、ハスラッハの魅力は何と言ってもその可愛らしい木組みの家々。この町は「木組みの家街道」に属しており、通りを歩けば頭上の国旗に負けないほどカラフルな木組みの家が次々と現れます。

市庁舎の壁に描かれているのは、周辺の地域に古くからある伝統衣装。形や色使いがどれも特徴的ですね。ハスラッハには黒い森の伝統衣装を集めた博物館もあり、貴重なコレクションを間近で見ることが出来ます。興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

大通りから細い路地に入ってみると、そこにもまた可愛らしい木組みの家が。こんなに可愛い家に出会えるのだから、仮に道に迷ったとしても何だか嬉しくなってしまいそうです。

こんな可愛らしい小道が、ハスラッハの町にはいくつもあります。

立派な教会の塔の上には、なんとコウノトリが巣をつくっています。時折町の上を旋回しながらコウノトリが飛んでいる様子は、まるでこの町を彼らが見守っているかの様です。

木組みの家々が可愛らしい街並みを作り出しているハスラッハ。黒い森の奥に潜んでいる知る人ぞ知る町へ、足を運んでみてはいかがでしょうか?