エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)『THE NEW BEGINNING in OSAKA』(2019年2月11日)
IWGPヘビー級選手権試合=○ジェイ・ホワイトvs棚橋弘至×

 ジェイが棚橋を下し、IWGPヘビー級王座初挑戦で初戴冠を達成。外国人としては最年少記録となる26歳で至宝を腰に巻いたジェイは「新しい時代(ニュー・エラ)にようこそ」と新時代到来を宣言した。

 棚橋は1・4東京ドームでケニー・オメガを撃破し、約4年ぶり8度目のIWGPヘビー級王座戴冠を果たした。ベルトを腰に巻いたばかりの棚橋に挑戦表明したのが、同じく東京ドームでオカダ・カズチカを下したジェイだ。1・5後楽園の試合後、棚橋をブレードランナーでKOし、実力行使でタイトル挑戦にこぎつけると、前哨戦では逸材を圧倒。2・2札幌では古傷の右ヒザを痛めつけてTTO(タナハシ・タップ・アウトの略)で一本勝ちを奪取した。“スイッチブレード”が圧倒的有利の情勢でIWGPヘビー級初挑戦の時を迎えた。

 序盤からジェイにヒザを狙われた棚橋だったが、キッチリと防御。場外戦に持ち込まれても、鉄柵に投げ飛ばして切り抜ける。ジェイのセコンド・外道に襲撃されるも、リング内に押し込み、鉄拳制裁を狙った。

 しかし、背後からジェイが奇襲。ロープ際でエプロンめがけてバックドロップを強行すると、鉄柵やエプロンにしつこく棚橋を叩きつけていたぶった。そして、右ヒザへの一点集中攻撃へ。鉄柱やエプロンにヒザを叩きつけると、ブレーンバスターの構えから無造作に実況席へとヒザから投げつけた。場内には悲鳴にも似た棚橋への声援が巻き起こる。

 棚橋はフライングフォアアームで反撃を狙うが、場外ハイフライフローアタックには繋げられず。直後にジェイのコンプリートショット、ジャーマン、回転式ブレーンバスターの大技ラッシュを食らって追い詰められる。ジェイは棚橋をエプロンに追いやると、ロープに張りつけにして、エルボースマッシュや逆水平を乱射した。何度も悲鳴をあげた棚橋だったが、ロープを挟んだ状態から右ヒザに絡みつき、ドラゴンスクリューをお見舞い。今度こそコーナーからのハイフライフローアタックで決死のダイブを繰り出し、15分経過とともに逆襲に転じた。

 ジェイがイスを持ち込んでも、セコンドの外道へ同士討ちを誘うと、大技を狙って激しい先読み合戦を展開。ポジションが二転三転したが、棚橋は執念でツイスト&シャウト3連発をお見舞いした。ジェイはロープを掴んだり、ヒザをついたりと、のらりくらりスリングブレイドを回避するが、棚橋は構わずダルマ式ジャーマンでぶっこ抜くと、四つん這いになったジェイの背中にハイフライフローを投下。すぐさま正調ハイフライフローで勝負に出た。

 しかし、避けられてヒザを強打。ここぞとばかりにジェイはグラウンド式ドラゴンスクリューを乱射すると、TTO(変型裏足4の字固め)に捕獲する。前哨戦の悪夢が蘇り、棚橋はギブアップ寸前となった。それでも命からがらロープに手を伸ばしたが、ジェイの猛攻は止まらない。高速バックドロップ、デスバレーボム、キーウィークラッシャー、スリーパースープレックスと危険な大技をこれでもかと繰り出すと、ブレードランナーで仕留めにかかる。

 粘る棚橋はビンタで払いのけると、負けじとヒザ攻めで逆襲。低空ドロップキック、グラウンド式ドラゴンスクリューと畳みかけ、テキサスクローバーホールドでギブアップを迫った。ロープを目指すジェイをリング中央に引きずり込むと、作戦を切り換えて、スタイルズクラッシュをズバリ。ジェイがスイッチブレードを狙ったり、ロープに振ろうとしたりするのを利用して、カウンターのスリングブレイドを連発すると、ドラゴンスープレックスもさく裂した。

 ここが勝負所と踏んだ棚橋は、痛むヒザを気にせず、ハイフライフローアタックで突っ込むが、ジェイはこのチャンスを待っていた。突っ込んできた棚橋の体をキャッチすると、対応する暇を与えずに、一気にブレードランナーを敢行。一撃で3カウントを奪い取った。

 棚橋がわずか1ヵ月で王座から転落。2012年2月の大阪大会で圧倒的不利の状況を覆し、オカダが棚橋からIWGPヘビー級王座を強奪した事件は“レインメーカーショック”と呼ばれているが、今宵の王座移動劇はさながら“スイッチブレードショック”といった状況に。場内は騒然となる。

 そんな雰囲気を切り裂くように、外国人史上最年少でIWGPヘビー級王座を腰に巻いたジェイは、2016年6月に大阪城ホール大会で海外遠征に向けた壮行試合を行ったことに触れ、「その時に俺は『大阪こそ自分のホームになるだろう。ここにいるみんながファミリーだ』とコメントした。だが、俺は間違っていた。お前たちは俺のファミリーでもなんでもない」と観客に通告。「俺は1人でここまで来たんだ。そして、みんなが疑ったこと全てをやってのけた有言実行の男だ」と悪びれもなく言い張った。

 「俺こそが真のIWGPヘビー級チャンピオンなんだ。そして、これは誰のためでもなく、俺のためだけにやった。新時代のため、BULLET CLUBのためにやったんだ」と胸を張ったジェイは、「新しい時代、新しい始まり、それをここから始める。タナもお前らもスイッチブレードとともに呼吸するがいい。新しい時代へようこそ」と新時代到来を高らかに宣言した。

 ジェイは初防衛戦の舞台をNEW JAPAN CUP後の4・6マジソンスクエアガーデン大会に指定。バックステージでは「立ち向かってくるヤツ全てを逆に叩きのめすまで。それが俺にとって片付けるべきこと。でも、みんな俺に嫉妬していることを気づけばいい。新時代がやってきた」と早くも王者としての威厳を誇示した。若き王者が誕生したことで、IWGP戦線は活発化することは間違いない。スイッチブレードが中心となり、新日本マットは新たな局面を迎えそうだ。