『タイガー服部レフェリー引退記念大会』東京・後楽園ホール(2020年2月19日)

 タイガー服部レフェリー引退セレモニーが全試合終了後に行われ、新日本勢、長州力、武藤敬司ら仲間たちに見送られ、40年以上にわたるプロレス人生に終止符を打った。

 服部レフェリーは明治大学レスリング部出身。渡米中にフロリダ州タンパのヒロ・マツダ道場でコーチを務めたのをきっかけにプロレス界入りし、フロリダ地区では明大レスリング部時代の先輩・マサ斎藤(故人)、高千穂明久(ザ・グレート・カブキ)らのマネージャーを務めた。日本では新日本、全日本、ジャパンプロレス、WJなどでレフェリーとして活躍し、多くの名勝負を裁いてきた。そして74歳にして引退を決意。昨年9・28ニューヨーク大会でアメリカでの最後のレフェリングを行い、引退の日を迎えたこの日、セミファイナル、メインイベントの2試合を裁いた。

 そしてメイン終了後のリング上で引退セレモニーが執り行われた。服部レフェリーがリング中央に立つ中、まずはCHAOS勢が登場し、オカダが花束を贈呈。両者が抱き合うと、記念撮影の際に大の字となったオカダの上に服部レフェリーが覆いかぶさって自ら3カウントを叩いた。また、WJ時代に苦楽をともにした石井とも抱き合い、石井が服部レフェリーの手を挙げて称えた。

 続いて「怒りの獣神」が流れる中、先に引退した獣神サンダー・ライガーを先頭に新日本本隊勢が登場した。棚橋から花束が贈呈され、笑顔で抱き合った服部レフェリー。集合写真に納まると、ライガーとも笑顔で握手を交わした。さらに新日本審判部から記念品として寄せ書きサイン入りのレフェリーシャツが贈呈。ハロルド・ジョージ・メイ社長、菅林直樹会長が花束を贈呈して労をねぎらった。

 スペシャルゲストとして服部レフェリーにゆかりの深い顔ぶれが登場した。まず現れたのはザ・グレート・カブキ。握手を交わし、「今日は服部さんのためにありがとうございます」と観客に感謝してから花束を贈呈。続いて衆議院議員・馳浩氏が登場。「服部さん、本当に長い間お疲れ様でした」とねぎらうと、「いつまでも服部さんのことを覚えていていただきたいと思います」とファンに呼びかけた。

 3人目は武藤敬司。久々に新日本のリングに足を踏み入れた武藤はLOVEポーズを決めると、「ユー!」と服部レフェリーの口癖を拝借し、「服部さん、長い間ご苦労様でした」と激励。「これで少し時間に余裕ができるのかな? 今度また坂口さんでも誘って麻雀やりましょうよ」とらしく呼びかけた。

 最後に登場したのは長州力。新日本、ジャパン、WJと苦楽をともにしてきた二人は笑顔で握手を交わし、抱き合った。長州が「ミスタートランプ」と自身のツイッター上での服部レフェリーの愛称で場内の笑いを誘うと、「正男、長い間お疲れ様でした」とねぎらって花束を贈呈。服部レフェリーは満面の笑顔で受け取った。涙を拭うとスペシャルゲスト勢と記念写真に納まり、武藤と何やら言葉を交わした。

 さらに天龍源一郎、アントニオ猪木からのVTRメッセージが上映された。天龍は「20代の後半に入った時、フロリダでマサ斎藤さんと高千穂明久さんと、そのマネージャーをやっていたのが服部さんで、その時プロレスってこんなに素晴らしいものだってことをまざまざと見せつけられた」と服部レフェリーと出会った当時の思い出を披露。猪木は引退を惜しみつつ、「1、2、3、ダー!」でねぎらった。

 最後に服部レフェリーにマイクが渡された。「サンキュー・タイガー!」コールの中、ファンに来場を感謝した服部レフェリーは「自分はこのユニークなスポーツに出会えて、一生プロレスを愛していたけど、自分の人生のような感じがします。素晴らしいことも友情もいろいろありましたが、裏切りもありますし、悲しいこともありますし、自分の人生みたいな感じがします」と40年以上のプロレス人生を振り返り、「最後までいい年して、ここまで来られたのも皆さんのおかげと感謝しています。ここにおられる方、新日本の会社にいるスタッフ、メディア、TV、リングクルー、そして私の仲間のレスラーには本当に本当にありがとうございました」と全てに感謝した。

 「こういう思い出は一生忘れないように、よく頭の中に刻んで生きていきたいと思います。本当にありがとうございました」。そう続けた服部レフェリーは選手、ゲストたちがリングを囲む中、引退テンカウントゴングを聞いた。阿部誠リングアナによる「レジェンドレフェリー、タイガー服部!」のコールを受けると、先輩・マサ斎藤さんのテーマ曲「THE FIGHT」が流れる中、服部レフェリーは四方に深々と一礼。棚橋、オカダら選手たちによって胴上げされて宙を舞った。再びオカダから3カウントを奪った服部レフェリーは2・22後楽園で引退を控える中西とも握手。一礼してから両手を挙げ、最後のリングを降りた。

 バックステージに戻ってきた服部レフェリーは「やりきった感があったというか、あぁ、これで最後だなって思って。燃え尽きました」と完全燃焼。スペシャルゲストやVTRメッセージに驚きつつ、「自分が思うにはプロレスはこのまま永遠につながるような感じがします。いい形のレスリングをみせたら、ずっとつながるんじゃないですかね」と愛するプロレスの未来を描いた。

 思い出の試合として95年4月、北朝鮮での「アントニオ猪木vsリック・フレアー」を挙げた服部レフェリー。この日40年以上のリング生活に幕を下ろしたが、新日本との契約が今年いっぱい残っていることもあり、アメリカでの興行をバックアップするなど今後も新日本を側面からサポートしていく。