『N-1 VICTORY 2020』東京・後楽園ホール(2020年10月4日)
Aブロック公式戦 ○清宮海斗vs潮崎豪×

 年頭に潮崎に敗れてGHCヘビー級王座から転落した清宮が、N-1・Aブロック最終公式戦の舞台で“激闘雪辱"に成功。今年のN-1優勝決定戦(10・11大阪)は「清宮海斗vs中嶋勝彦」に決まった。

 公式戦最終日のメインに据えられた清宮と潮崎によるAブロック公式戦。ここまで潮崎3勝1敗、清宮2勝2敗1分け。勝ち点1点ビハインドの清宮は“勝利"しかブロック突破の道はなかった。

 序盤から首を攻めた清宮は、投げられど、投げられどもスリーパーやフェイスロックを離さない執念のファイトを展開。意地の潮崎も左腕ラリアットで逆襲に転じ、前方に力技で投げ飛ばす捻りを加えた雪崩式ブレーンバスターも決めて勝機をこじ開けると、ゴーフラッシャーも火を吹いた。

 清宮も丸め込みを連発して流れを変え、今N-1からキーポイントで使い始めた追尾式ジャンピングニーも発射。タイガースープレックスで固めたものの、3カウントは奪えない。逆に潮崎はリミットブレイク、豪腕ラリアットと大技ラッシュで一気に巻き返すや、ムーンサルトプレスでトドメを刺しにかかった。

 だが、必死に立ち上がった清宮は、コーナー上の攻防を制すや、ここ一番の雪崩式変型リバースDDTで大ジャンプ。さらには那須川天心直伝の胴回し蹴りで脇腹を射抜き、変型エメラルドフロウジョンへ。潮崎も肩を上げたが、最後はこの日2発目のタイガースープレックスで完璧な3カウントを奪ってみせた。

 N-1最終公式戦の舞台で年頭GHC戦の“雪辱"に成功。王者・潮崎を脱落に追いやった清宮が10・11大阪大会の優勝決定戦に駒を進めたものの、勝利の余韻に浸る間もなく不敵な笑みの“赤い男"が現れた。

 一足早くBブロックを勝ち上がっていた中嶋だった。倒れ込む“元相棒"潮崎の姿にあきれ笑いでマイクを握り、「おいおい。どうした、チャンピオン? なんなんだよ、このザマは。まあ、しょうがない。出戻りチャンピオンなんだからここまでだな」と嘲笑した。

 すかさず清宮が胸板を突き飛ばして怒りをあらわにしたものの、中嶋は「次はお前か。いいよ。お前のヒーローごっこは10・11大阪で終わりだ」と宣告してから姿を消した。

 残った清宮は「おい、中嶋。金剛に入って、何がしたいのかわからないけどな、軽々しく出戻りとか言ってんじゃねえよ。いたな…だと? 俺の今の勢いはな、本物だぞ」と堂々マイクで反撃。

 返す刀で「潮崎さん、今日はありがとうございました」と敬意を表したうえで、「このリーグ戦、そして今日の戦いを通して俺は、このN-1 VICTORYというものは本当に権威のある戦いで、過酷なリーグ戦だということが身に染みてます。俺はこのリーグ戦、N-1 VICTORYをどこの団体にも負けない戦いにしたいと思ってます! そのために、ノアのヘビー級がナンバーワンだということを絶対証明します!」と公約して後楽園大会を締めくくった。

 ともあれ、今年も大阪が舞台となるN-1頂上決戦は「清宮vs中嶋」に決定。新日本のG1 CLIMAX、全日本のチャンピオン・カーニバルも目下開催中の今秋。業界にノアの闘いを刻み込んだうえで栄冠を手にするのは、捲土重来を期すスーパーノヴァか、赤く染まった冷たい蹴撃王か――。

【試合後の清宮】
▼清宮「Aブロック突破して、潮崎豪を倒すことができた。でもね、俺からしたらまだ1対1だから。今年の頭に潮崎豪に負けてから初めてのシングルマッチで、まだ1対1だからね。中嶋が入ってきたけど、金剛に入っただけで、とやかく言えるようなことやってないでしょ? 絶対に俺が優勝して、そしてその先にプロレスリング・ノアの絶景を見せたいと思う」

――かなり厳しい戦いだったが、今回に関して勝因はどこだったと思う?

▼清宮「これは俺の気持ちとか、ひとりだけのものじゃなくて、今まで戦っていた選手…武藤さん、桜庭さん、リーグ戦で戦ってきた全員の選手との戦いがここにつながったと思います」

――「出戻り」という言葉にかなり怒りを見せていたが、それだけ潮崎選手へのリスペクトが強いと?

▼清宮「潮崎さんへのリスペクトもありますしね。人それぞれの思いでノアに上がっていると思うんですよ。だから、俺はそういう言葉が嫌いなだけです」

――とはいえ、中嶋選手はかなりの強敵になるが、改めて優勝決定戦に向けては?

▼清宮「前々からスタイルが変わっていってる選手なんで。キャラクターうんぬんは別として、ひとりの選手としてはとてもやりにくい選手だと思います。でも、ここまで来て、そんな姑息な技は俺に通用しないですから。絶対優勝します」