『2020 Champion Carnival』最終戦 東京・後楽園ホール(2020年10月5日)
「2020 Champion Carnival」優勝決定戦 ○ゼウスvs宮原健斗×

 宮原の連覇を阻止したゼウスが7度目の出場にして悲願のチャンピオン・カーニバル初優勝。史上3人目の全勝Vも成し遂げ、地元10・17大阪での三冠ベルト獲りを宣言した。

 史上初の秋開催となったカーニバルもいよいよ最終戦。Aブロックを全勝で突破したゼウスと、Bブロックを首位通過した昨年覇者・宮原の間で栄冠が争われた。

 迎えた優勝戦は長期戦の様相を呈した。序盤から一進一退のせめぎ合いが続く中、ゼウスが場外でのフロントスープレックスやエプロン上でのコウモリ吊り落としを敢行して主導権を握った。その後もエプロンの宮原を雪崩式ブレーンバスターでぶっこ抜き、バイセップスエクスプロージョンをさく裂。宮原が後頭部への串刺しブラックアウト、ジャーマンの波状攻撃に出ても、シャットダウンは決めさせず。バイセップスエクスプロージョン、ミサイルキックの猛攻を浴びせた。

 だが、ここから宮原の猛反撃が始まる。ゼウスが放ったフロッグスプラッシュを両ヒザで迎撃すると、後頭部へのブラックアウトで反撃ののろし。二段式ジャーマンで巻き返しを図る。だが、シャットダウンを阻止したゼウスがカウンターのドロップキックで反撃。馬乗りになってケサ斬りチョップやエルボーを連打し、宮原が回転足折り固めで丸め込んでも、今シリーズ猛威を振るった新技・腕極めフェースロックで捕獲。一気に絞め上げた。

 グロッギー寸前となった宮原だったが、無類のタフネスぶりを発揮。三々七拍子で後押しされると、スタンドブラックアウトを連打して一気に挽回。正調ブラックアウトもさく裂させてゼウスの動きを止めると、満を持してシャットダウンスープレックスを爆発させた。

 宮原の連覇達成かと思われたが、ゼウスは意地で返してみせた。場内が重低音ストンピングに包まれる中、30分が経過。宮原が再びシャットダウンを仕掛けたが、投げられる寸前に振りほどいたゼウスはこん身のバイセップスエクスプロージョンを連打して形勢逆転すると、ジャックハマーを爆発。ようやく激闘に終止符を打つ3カウントが入った。

 この瞬間、宮原連覇の夢は潰え、ゼウスが初優勝を決めた。しかもジャンボ鶴田、スタン・ハンセンに次ぐ史上3人目となる全勝優勝を達成。「人生は祭り」を標榜するこの男の栄冠獲りはまさに「ゼウス・カーニバル」。試合後はPURPLE HAZE入り以来、封印した形となっていた「人生は祭りやで! わっしょーい! わっしょーい! わっしょーい!」の三唱で久々に締めた。

 7度目の出場にしてようやくつかんだカーニバルの大トロフィー。2018年7月に三冠初戴冠を果たしているが、「チャンピオン・カーニバルを俺は取り残してないかって。この全日本プロレスでまだまだやってないことあるなって。なんで第一線退いてんねんって。2019年に思ったんですよ。チャンピオン・カーニバル絶対獲ろう」とひそかに決意。たゆまぬ鍛錬を積み重ね、それがこの日結実した。「今年1月から8ヵ月、練習してきたたんで。その努力の結果が見せられたんじゃないかなと思います。もっと言うならば、この10年の結果が今日のチャンピオン・カーニバルの結果となって出たと思います」と胸を張ったゼウスは「トロフィーのあの重さ以上にチャンピオン・カーニバル優勝という凄い重さがあるんで。その重さをまた武器にして、これからのプロレス、どんどんレベルアップしたい」とさらなる前進を誓った。

 試合後、ゼウスは自ら右手を差し出して宮原とノーサイドで握手を交わした。宮原初戴冠となった2016年2月の三冠王座決定戦以来、二人は三冠戦やチャンピオン・カーニバルで何度も激闘を繰り広げてきた。言ってみればライバル関係にある。三冠ベルト初戴冠後、2度目の防衛戦で宮原に敗れて陥落した時、最高男から「ゼウスさん、俺たちで全日本プロレスを盛り上げましょう」と呼びかけられた。「この約束を絶対果たさないかんって、ずっと覚えているんですよ、胸に。彼に対する悔しい気持ちと、彼に対する尊敬と、彼が『一緒に盛り上げよう』ってリング上で言うた言葉が忘れられないんですよ」とそれを胸に刻み続けてきたゼウスは「絶対にこの全日本プロレスのプロレスはこんなもんじゃないんで。みんなで力合わせて、切磋琢磨したら、もっと盛り上がる、日本一の全日本プロレスを作るのが自分の今の夢です」とキッパリ。その思いがあるからこそ自ら握手を求めたのだった。

 カーニバルの栄冠を手にしたゼウスが次に狙うは当然、三冠ベルト。しかも次回三冠戦の舞台は10・17大阪大会に決まっている。地元で挑戦となる公算大となったゼウスは「三冠しか見てない」と言い切ったうえで、「有利ですね、有利。この今の流れは自分にあるんじゃないかなって思っているんですけど、勝つことしか考えてないです」と2度目の戴冠にかける決意を口にした。前回は初防衛しただけで陥落しているだけに、「そういう悔しかった気持ちをまたトップに入れて、絶対三冠王者になって、次は防衛、防衛、防衛を重ねていって、この体が限界来るまで防衛したい」と今から長期政権を描いた。

【試合後のゼウス】
▼ゼウス「リングの上で自分の気持ちを全日本プロレスファンの皆さんに伝えたかったんで。マイクはあんまりしゃべる気はあらへんですね。ただ、言えるのは、本当にファンの皆さんがあって、あとは仲間がいて、皆さんもいて、今日は優勝をなし得たことなんでね。みんなに心から感謝します。感謝します」

――7度目の出場で初優勝を達成したが?

▼ゼウス「初めて出る時は正直、5試合あって、ここはあんまり言えないですけど、『半分勝ったらええわ』ってそんな考え方してたんですよ。今になるとね、『お前なに甘いこと言ってんねん』って思うけど。それがね、三冠獲ってから、チャンピオン・カーニバルを俺は取り残してないかって。この全日本プロレスでまだまだやってないことあるなって。なんで第一線退いてんねんって。2019年に思ったんですよ。チャンピオン・カーニバル絶対獲ろうって。今年1月から8ヵ月、練習してきたたんで。その努力の結果が見せられたんじゃないかなと思います。もっと言うならば、この10年の結果が今日のチャンピオン・カーニバルの結果となって出たと思います」

――しかも全勝優勝で申し分ない結果となったが?

▼ゼウス「そうですね。まあ、試合少なかったんでね。これが初めの予定通り、デイビーボーイ・スミスJr.選手とか、あといろんな他団体の猛者が出てたら、どうなるかわからんかったと思うんですよね。自分は1試合1試合、勝つことしか考えてないんで」

――初めて大きいトロフィーを手にした時の気持ちは?

▼ゼウス「重たいですね。リフトアップして持ち上げたろうかなと思ったけど、古いから壊れそうでやめました。とにかく重たい。でも、あの重さ以上にチャンピオン・カーニバル優勝という凄い重さがあるんで。その重さをまた武器にして、これからのプロレス、どんどんレベルアップしたいなと思ってます」

――次の目標は当然、三冠になる?

▼ゼウス「目標というか、もう三冠ですよ。三冠しか見てないんで、ずっと。前に三冠獲って、1回防衛して。石川修司選手からね。凄い猛者から防衛できたんですけど、2回目でまた同じ選手から獲られるというのは本当にファンのみんなもガックリしたと思うんですよ。『ゼウスがここから5回、6回防衛するんちゃうか』と思われていたところで獲られてしまったからね。自分自身、一番悔しかったから。あの時の悔しさいうのはいつも思ってて、あの試合よく見るんですよ。今日も行きの新幹線で、いろんな他の試合見ながら、最後は、横浜文化体育館、2018年10月21日、自分が三冠戦で負けた試合を見てここに来ました。そういう悔しかった気持ちをまたトップに入れて、絶対三冠王者になって、次は防衛、防衛、防衛を重ねていって、この体が限界来るまで防衛したいと思ってます」

――次の三冠戦の舞台は前回獲った時と同じ大阪になるが?

▼ゼウス「まあ、有利ですね、有利。この今の流れは自分にあるんじゃないかなって思っているんですけど、勝つことしか考えてないです、毎日。もう三冠まで勝つことしか考えてないです。三冠獲ってもね、防衛重ねていくつもりです」

――フィニッシュにジャックハマーを選んだのは?

▼ゼウス「あれぐらい長丁場になってくると、フェイスロックにしてもなかなか腕に力が入らなくなってきちゃうんで。やっぱり宮原健斗選手もスタミナが凄いですから、フェイスロックで絞めきれないところがあったんでね。もう1回、カバーしたあとにフェイスロックにいこうかなとちょっと思ったんですけど、これでいってもちょっと逃げられるんちゃうかなって正直思ったんで。ジャックハマーで仕掛けていこうと思って、3カウント取りにいこうと思いましたね。あとはなにか? メチャメチャ集まっているのに全然(質問)してくれないですね。僕は質問してくれなきゃあんまりしゃべることないタイプなんで。あともう1つ言うたら、リング上で本当は言いたかった。彼にね、宮原健斗選手に。もう帰ってしまったからね。2018年10月21日、横浜文体の試合のあとに、彼が言うたんですよ、リング上で僕に。『ゼウスさん、俺たちで全日本プロレスを盛り上げましょう』って。この約束を絶対果たさないかんって、ずっと覚えているんですよ、胸に。彼に対する悔しい気持ちと、彼に対する尊敬と、彼が『一緒に盛り上げよう』ってリング上で言うた言葉が忘れられないんですよ。絶対にこの全日本プロレスのプロレスはこんなもんじゃないんで。みんなでもっともっと盛り上げられる。もっとできるんですよ。自分がいる。健斗さんがいる。諏訪魔さんがいる。石川選手がいる。ジェイク・リーがいて、青柳がいて、岩本選手がいて、いっぱいいる、本当に。入江君もたまにしか来てないけど、イザナギさんやUTAMAROさんやみんないる。みんなで力合わせて、切磋琢磨したら、もっと盛り上がる、日本一の全日本プロレスを作るのが自分の今の夢です」