10・28後楽園大会で杉浦貴&桜庭和志組のGHCタッグ王座に挑戦する“金剛"マサ北宮&征矢学組。

 2度に渡る同門シングル戦を経て合体し、杉浦&桜庭組が新王座に就いたその場で真っ先に挑戦表明した。『金剛』に誕生したタフで愚直なブル・ファイターコンビだが、3年以上タイトルとは無縁の北宮と、ノアでの実績がつかめていない征矢。反骨心も強い。

 中嶋勝彦のGHCヘビー挑戦も決まっているだけに、『金剛』としてもヘビー級ベルト独占のチャンス。その先陣を切る形となる武骨な二人に現在の心境を聞いた――。


【マサ北宮&征矢学インタビュー】

――8・30川崎大会で表明していたGHCタッグ挑戦が決まった

▼北宮「いい加減『早くしてくれ』って気持ちだったし、やっと決めてくれて良いんだけども…そもそもの顛末をたどれば、ワグナーJr.とレネ・デュプリが返上してからの流れが腑に落ちなかった」

――コロナ禍で来日不能となったイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.&レネ・デュプリ組が王座を返上し、『潮崎&中嶋vs杉浦&桜庭』による新王者決定戦を指定した

▼北宮「うん。だからこそ、新王者が決まったらすぐに出ていった。そこで『やる』って流れはできていたんだけど、すぐにシングルのリーグ戦(N-1 VICTORY)が始まったからね。こっちが何か言わないと危うく流れちゃうような感じもあったから。“やっとだな"って思いが強い」

▼征矢「自分はそのN-1で形はどうあれ、現王者の桜庭和志から(丸め込みで)勝ってるんで。あれもプロレスのひとつの勝ち方だと思うし、そういう意味でも“ようやく"挑戦の機会が来る…という思いがある」

――まだ二人で組んだ機会は少ないが、このチームへの手応えというのは?

▼北宮「組んできたというよりは、まだシングルマッチでガッチリやりあってきたという印象のほうが強いけど、(征矢には)ひじょうにシンパシーを感じてる。スタイル的にも熱量的にも。パートナーとしても心強いし、十分に自信はある。だから(挑戦に)行こうと思った」

▼征矢「GHCナショナルの挑戦者決定トーナメントの決勝、この間のN-1公式戦と2回シングルでやりあってきて、自分に似てる部分を凄く感じた。気持ちで行くタイプだし、そこは凄く共感できる。だからこそ、ぜひ二人で組みたいと思っていて行動に移した」

――やはり二度に渡ってシングルで真っ向からぶつかりあったことが、実力や熱意を肌身で知る機会となった?

▼北宮「うん、特に驚いたのは力の強さ、今のノアの中でも一番なんじゃないか。人間を相手にした時の当たりの強さ、引っこ抜く力が強い」

▼征矢「自分は(北宮の)“気持ちの圧力"に面食らった。本当に押し潰されそうになるというか。プロレスで気持ちは何より重要。攻めても攻めても、逆に強い気持ちを返してくるから、攻めてるこっちの心が折れそうになった。やはり“当たって砕けろ"の精神を強く感じる選手」

――完全なる同タイプの“タフなブル・ファイター同士"のタッグチームとなる

▼北宮「もう我を押し通すのみ。スカしたり、老かいなテクニックも意に介さず、一直線に叩き潰すのみ」

▼征矢「今までの自分のパートナーは、自分にないものを補ってくれるような存在の選手が多かったけど、同じタイプで組むのは初めてに近い。ブレずに、一直線に、一本の太い柱を相手にぶつけるような試合をしていきたい」


――王者の杉浦&桜庭組の印象は?

▼北宮「杉浦貴はいつもウチの興行に出てるけど、もう一人(桜庭)はビッグマッチとかたまにしか出ないで、それでいてベルトを持っていかれてるんで、凄く気に入らないね。あとは杉浦軍の“変に和気あいあいとした空気感"。あれには虫唾が走る。フザけた雰囲気のオッサンどもが、ベルトも持っていってる。凄く気に入らないね、連中は」

――確かに緊張感を重んじる金剛とは空気感がまったく違う。征矢選手は?

▼征矢「個々が強いんだろうが、実際のチームワークはどうなんだ?っていう。我々金剛はそれぞれが強い信念を持ってやっていってる。チーム力としては、我々のほうが上だと思ってる」

――どう攻略する?

▼北宮「あの二人は桜庭和志が勝手にやってて、そこに杉浦貴が合わせて、そして変にハマって成り立ってるタッグチーム。だから二人のタッグワークをハメないようにするのがカギだと思ってる。タッグとして機能させないまま、俺らのスタイルを押し通して、一直線にねじ伏せたい」

▼征矢「個々の突破力とサブミッションで試合が一気に決まってしまう可能性とは常に隣り合わせな相手だと思う。でも今回はシングルでも6人タッグでもない。いかに“二人"で力を合わせるかのタッグマッチだ。絶対に二人のバランスが崩れる時が来ると思うし、そこを一気に突きたい」

――パワーとタフさでは総合的に勝っているようにも思える

▼征矢「うん。その俺たちの持ち味を120%発揮して一気に押し切りたい」

――決めきるために二人ならではの動きも考えている?

▼北宮「そこは当日を楽しみにしといてくれ」

――北宮選手はGHCタッグ戴冠歴が3度あるが、王座からは3年遠ざかっていて、先のN-1も含めて結果が出ない状況が続いている

▼北宮「そこは積もり積もってる。タイトルやリーグ戦に対する執着、執念っていうのは日に日に増大する一方だ。でも、いつもその感情にとらわれて、視野が狭くなってることで攻めきれなかったり、逆転されたり…っていうのが何度も続いてる。確かに過去3回タッグのベルトを巻いたかもしれないが、それは単に記録として残ってるだけに過ぎない。防衛もほぼしてないし、ベルトを巻いて何の時代も築けてない。だから今回も獲るだけではダメで『征矢学&マサ北宮組がベルトを持ってるんだ』という強烈なインパクトを残して防衛を重ねてこそのチャンピオン、だと思ってる。シングルにしても、タッグにしても、ベルトを巻いて守り続けることこそが、チャンピオンの使命であり、ベルトの価値だと思ってるんでね。ただ、今は気に入らない杉浦軍からタッグのベルトをこっちに持っていきたい。その一心」

――征矢選手は金剛の一員としてノアに上がるようになって半年が経った。どんな変化を感じている?

▼征矢「確かに過去はいろいろあったが、今は現在のこと、先のことしか見ていない。リングに上がれば本来の闘う気持ちは変わらない。振り返らずに、ノアに上がる以上は、マサ北宮と組む以上は、実績と形を求めていきたい」

――“金剛"としては、拳王がナショナルを持っていて、中嶋のGHCヘビー挑戦と、北宮&征矢組のタッグ挑戦が決まっている。金剛でヘビー級のベルトを独占できる好機だ

▼北宮「今あらゆるタイミングが重なっているワケだから、何としてもモノにしたい。金剛を結成して1年以上が経ってるし、今こそ結果で示す時。『目立ってやる』とか『俺がインパクトを残す』とかいうボンヤリしたことはもういい」

▼征矢「人数も増えて金剛自体に勢いがある。さらに、一気に加速できるチャンスが回ってきた。メンバーの一人として、何がなんでも、死にものぐるいでベルトを獲りたい…じゃなくて、獲らないといけないと思ってる」

――改めてどんな意義のあるタイトルマッチに?

▼征矢「自分と似たタイプの選手と組んでタイトルに挑戦するのは初めて。逆に新しい自分が見つけられると思うし、我々が何たるかを、この試合を通じて示していきたい」

▼北宮「俺たちが組んだら、誰もがイメージする通りのチームになるはず。だからこそ、それを押し通して、相手を“叩き潰しきる"こと。一瞬でコロッと状況を変えることができるチャンピオンではあるから。自分らの持ち味で押し切って、仕留めきらないと勝利はない。“貫き通す"試合になる」