『Ultimate Party 2020』東京・大田区総合体育館(2020年11月3日) KO-D無差別級選手権試合 ○遠藤哲哉vs佐々木大輔×

 遠藤が佐々木との激闘を制して、KO-D無差別級王座V3。佐々木との遺恨を清算し、再合体を果たすと、DAMNATIONのメンバー・石川修司がサプライズ登場し、中島みゆきの名曲「糸」を切々と歌い上げて大団円となった。

 遠藤の指名で決まった今回のタイトル戦。9・27後楽園で遠藤が佐々木をDAMNATIONから追放し、4年間にわたって共闘していたカリスマと袂を分かったことで、遺恨マッチの様相を呈していた。前哨戦のみならず、調印式や記者会見の場でも乱闘を展開。DDTにとって今年唯一の“有観客"によるビッグマッチのメインは波乱含みだった。

 佐々木は「負けたら引退」を示唆し、顔を白塗りして決意を胸にリングに登場。先制争いは激しい先読み合戦に。佐々木はケブラーダを防ぐと、王者の左ヒザに照準を合わせ、ドラゴンスクリューやパイプイス攻撃でペースを掌握した。一方、遠藤はセコンドに付いた島谷の援護を受けると、サスケスペシャルで飛翔。佐々木と共闘する大和も試合に加勢するなど両軍入り乱れての混戦となり、攻守も激しく入れ替わった。遠藤はセコンドから受け取ったパイプイスを押し戻し、正攻法にこだわる。

 遠藤がカナディアンデストロイヤーを繰り出せば、佐々木は正田デストロイでお返し。遠藤がゆりかもめ、佐々木がクロスフェイスを狙ってせめぎ合う。そんな中、佐々木はエプロンペティグリーで自分の流れをたぐり寄せると、リングサイドの本部席に遠藤を座らせ、コーナーから鉄柵&テーブル超えのダイビングエルボーアタックを敢行。捨て身の荒技で勢いを掴んだ。

 遠藤派と目されていたポーリーがパイプイスを奪い取って佐々木に加勢し、追い風が吹く。すかさず佐々木は金的攻撃で王者の動きを止めると、脳天に容赦なくパイプイスを振り下ろす。そして、NOW OR NEVERからクロスフェイスに捕獲して遠藤を追い詰めた。

 しかし、遠藤は追撃をことごとく回避すると、旋回式トーチャーラックボムで試合を立て直す。佐々木のミスティカ式クロスフェイスに捕まってピンチを迎えたものの丸め込んで脱出に成功。その場飛びスパニッシュフライ、オーバーヘッドキックと空中戦でリズムを刻み、秘密兵器の変型マスキュラーボムで佐々木を危険な角度でマットに突き刺した。もはや虫の息の佐々木を意味深げにあえて抱きしめた遠藤は、顔面に頭突きをぶち込むと、最後はシューティングスタープレスで激闘を制し、KO-D王座V3を果たした。

 遠藤が佐々木を抱きしめた理由は試合後に判明した。佐々木は潔く敗北を認め、引退の10カウントコングを要請したが、遠藤は「俺は責任を取れって言ったんだよ。引退? そんなの責任じゃねえだろ。逃げだろうよ。責任を取るって言うんだったらよ、もっともっとプロレスにしがみつくべきなんじゃねえか?」と問いかけた。そして、「俺は本気のあんたと今日ここで戦いたかった。こうでもしないと、あんたはどうせふざけるでしょ? 今日、本気のあんたと戦えて嬉しかったよ」とあえて遺恨マッチに持ち込んだ真意を明かした。

 そのうえで、「また俺たちDAMNATIONでテッペン目指さねえか?」と提案。佐々木は「お前がそこまで言うなら、引退は撤回して、またお前と一緒にDAMNATIONやってやってもいいぞ?」と返答し、「今回だけはなかったことにしてやる」と遺恨を清算した。

 ぎこちないながらも握手を交わすと、それを祝福するように、現在は全日本所属の石川が入場ゲートからサプライズ登場。中島みゆきの名曲「糸」を情感タップリに熱唱し、盟友たちの仲直りを祝福した。

 大団円を迎えると、最後に遠藤が真剣な眼差しでマイクを持った。「世界的に新型コロナウイルスで安心できない日々が続いています。6月、さいたまスーパーアリーナが中止になって、本来今日やる予定だった両国も中止になりました。でも、今日こうやって、お客さんを入れて、大田区総合体育館という大きな大会を開くことができました。これも俺たちを信じて、ここに集まってくれた皆さんのおかげです」。遠藤の思いがこもったアピールに大きな拍手が降り注ぐ。

 そして、「ただ、俺たちはまだまだ満足してません。必ず…必ずさいたまスーパーアリーナ、両国国技館、そしてまたこの大田区総合体育館で、もっともっと大勢のお客様を入れて、試合をするために、俺たちはこれからも戦い続けます」と決意を新たに。仲間たちが見守る中、「もちろんその時も最後にこのリング上に立っているのは俺たちDAMNATION。俺たちは群れない、媚びない、結婚しない」と断言すると、「プロレスはこれからも止まり続けずに、前に進みますんで、お前ら、俺たちから目を離すな!」と高らかに宣言して、大田区大会を見事に締めてみせた。

 王者に休息はなく、11・22後楽園からシングルリーグ戦・D王GPが開幕。遠藤はBブロックにエントリーしており、秋山との注目のシングルマッチも実現する。来年最初のビッグマッチとなる2・14カルッツかわさき大会も決定。当然、ベルトをそこまで守り抜くつもりだ。新型コロナ問題は解決しておらず、不安定な情勢が続くが、それでも遠藤は最前線に立ち、DDTマットをけん引するのみだ。