2・20名古屋大会で世界ジュニアヘビー級選手権試合を争う王者・岩本煌史、挑戦者・CIMAが16日午前、公開Zoom会見。岩本が「今まで自分の中でも最大の難敵」とV5戦へ向けて気を引き締めれば、世界ジュニア初挑戦となるCIMAは「CIMAの歴史にとって非常に重要な一戦になる。僕の全てをさらけ出して挑戦させてもらう」と宣言する一方で王者に苦言を呈した。

 1・23後楽園大会で岩本が阿部史典との熱戦を制し、世界ジュニアV4を果たした。その試合後、映像で登場したCIMAが「このCIMAが23年間培ってきたプロレス全てをぶつけて世界ジュニア挑戦させてもらうぞ」と挑戦を表明。両者によるタイトルマッチが2・20名古屋大会で実現することになった。決戦を4日後に控えたこの日、両者が全日本初となる公開Zoom会見に登場し、舌戦を繰り広げた。

 CIMAは世界ジュニア初挑戦。「僕の中で大一番と捉えてますので、そういった大一番を迎えるのも過去、何年さかのぼればいいかなっていうぐらい記憶にない」と言うように、シングル王座獲りに乗り出すのも久しぶり。「CIMAの歴史にとって非常に重要な一戦になる」と全日ジュニアの至宝獲りに色気たっぷりだ。

 CIMAにとって世界ジュニア王座にはファン時代に見た渕正信のイメージが強く残っている。CIMAは現在43歳。当時の渕と同じぐらいの年齢で挑むことになる。「2000年代に入ってからの世界ジュニアっていうのは僕ほぼ無知」だけに、挑戦が決まってから岩本の試合映像を毎日視聴し、研究にも余念がない。

 そこで目を引いたのが孤高の芸術を筆頭とする岩本の柔道殺法。同じ#STRONG HEARTSのエル・リンダマンが柔道出身とあって、二人で岩本の映像をみながら対策を練っているという。「相当やばいっていうふうに僕は脅されてます」と言うように警戒を強めているCIMAは「ホントにウソ偽りなく、今回は挑戦者の立場として、岩本選手にチャレンジ、僕の全てをさらけ出して挑戦させてもらうつもりです」との決意を示した。

 対する王者・岩本は5度目の防衛戦。強敵を迎え撃つことになったのは言うまでもなく、「知名度とか含め、今まで自分の中でも最大の難敵になるんじゃないかなと思ってます」と過去最大級の苦闘を覚悟している。やはりCIMAに警戒すべきは長年のキャリアで培ってきた豊富な経験。試合映像を研究してみえてきたのは「序盤のホント細かい攻防とかなんですけど、そこからCIMA選手は自分の流れに持っていくっていうイメージ」だった。「精神的な部分だったりとか、リング上でのイニシアチブを取られて、そのままズルズルいってしまいかねない」と警戒したように、相手のペースに持ち込まれるのは何としても避けたいところだ。

 「今まで戦ってきた選手の中では正直、攻略しづらいなという印象。本当に心してかからないといけないなって。自分の中でも本当に今回の防衛ロードでも最大の難敵」と繰り返したように苦戦は免れられそうにない。裏を返せば、“世界のCIMA"と称されるように国内外で存在を認知されているCIMAはおいしい獲物。岩本は「めちゃくちゃハイリターンな戦いでもあるので、必ずここはキッチリ獲って、世界ジュニア、そして岩本煌史の厚い厚い土台になってもらおうかなと思います」とCIMAを踏み台に自身とベルトをさらに高める構えをみせた。

 会見の終盤、CIMAが仕掛けた。岩本の発言を聞いて「『俺、何でもやってきたから知ってますよ』みたいなのは、何を知ってるのかな?っていうのは僕は正直、映像では伝わってこなかったんで、そこらへんはどうなのかな」と疑問符をつけた。「チャンピオンなんでね。言いたいことはよくわかるんですけど、何かさっきから聞いてたらどっちがベテランで、どっちが若手かわからない」と王者の姿勢にも苦言を呈した。

 すると岩本は「僕も僕なりに修羅場くぐってきてると思ってるんで」と反論。CIMAのペースに持ち込まれまいとするかのように冷静さを保った。これを「全然、おとなしい。もっとガガガっと来てほしいんですけどね」と不満げなCIMAは「修羅場というのもね、いろいろありますからね。小さい修羅場もあれば、大きい修羅場もありますし、日本だけの修羅場もあれば、世界の修羅場もある」と経験の差を強調するように指摘。「どの程度の修羅場を岩本選手がくぐってきたのか、ぜひリング上でこのCIMAに見せてほしい」と注文を付けた。

 これまで接点のなかった両者だけに、世界ジュニアをかけた初遭遇がどんな戦い模様となるのか予測できない。が、CIMA発言によって火種ができたのは間違いない。


【Zoom会見の模様】
▼CIMA「本当に僕個人として全日本プロレスさんの世界ジュニアとか、そういうのにかかわらず、シングルマッチのベルトに挑戦することもそうですし、僕の中で大一番と捉えてますので、そういった大一番を迎えるのも過去、何年さかのぼればいいかなっていうぐらい記憶にないんで、2021年ですけど、CIMAの歴史にとって非常に重要な一戦になると。そういう気持ちで名古屋に向かおうと思ってます」

▼岩本「今まで自分は世界ジュニアを3回巻いて、今3回目で防衛も4回してるんですけど、その中でもCIMA選手は知名度とか含め、今まで自分の中でも最大の難敵になるんじゃないかなと思ってますので。ただ、めちゃくちゃハイリターンな戦いでもあるので、必ずここはキッチリ獲って、世界ジュニア、そして岩本煌史の厚い厚い土台になってもらおうかなと思います」

――世界ジュニア王座の印象は?

▼CIMA「僕はそうですね。本当に印象で言ったら僕、渕さんなんですね。僕がおそらく中学生とかの頃にプロレスを見始めてましたので、その頃によく渕さんとかダニー・クロファットとか、そういった選手たちが争ってたイメージですね。おそらく2000年代に入ってからの世界ジュニアっていうのは僕ほぼ無知です」

――今の全日ジュニアの印象はない?

▼CIMA「挑戦表明させていただいて、ここ1ヵ月ぐらいですね。一応、僕、偉そうにとか、キャリアがどうしたこうしたとか、どこでやってきたとか、そういうのは特に今回に限って言うつもりないんで。マジで岩本選手の試合を毎日1試合ずつ全日本プロレスTVで、この会見をつないでもらう5分ぐらい前までもカルッツかわさきかなんかの試合をみてましたよ。ブラックめんそーれ選手を仕留めた試合ですね。それをちょうど見てたところでした。だからちょっと僕、接続が遅れたと思うんです」

――CIMA選手の印象は?

▼岩本「やっぱり今も昔も変わらず、常に最前線っていうイメージですし、僕も結構、試合の映像をあさったり、他のサブスクとかをつないでみたりするんですけど、その時、その時代時代によって形が変わっていってるというか。でも根本が変わってないというか、そういう印象があるので、正直いろいろ試合の映像を見ている中でもなかなか今回、僕が今まで戦ってきた選手の中では正直、攻略しづらいなという印象を抱いてます」

――最近のCIMA選手の試合をみた?

▼岩本「最近みました。他団体の試合とかにはなるんですけど、DDTさんで竹下選手とシングルマッチをやってた試合をみましたね」

――CIMA選手は渕さんのイメージとのことだが?

▼CIMA「当時で今の僕と同じぐらいなんですかね、渕さんの年齢って。90年代前半とか、一緒ぐらいですかね。40代だったんですかね渕さん。最近の試合を拝見させてもらうと、その時のジュニアの試合とは全く違うなというイメージはありますね。渕さんの試合はどちらかというと、いわゆる職人的なものが多かったんですけど、チャンピオン・岩本選手は若いんで、勢いがちょっと違うなというイメージですね」

――初対決になるが、相手の警戒するポイントは?

▼CIMA「#STRONG HEARTSにはエル・リンダマンという選手がいるんですけど、彼も子供の頃からずっと柔道をやってまして、岩本選手も柔道をされてるということで、試合展開の中でも柔道っぽい展開、技が多かったりするんで、リンダマンにも試合を一緒にみてもらって、意見を聞いたりしたら、大学まで柔道をやってたということだったんで、リンダマンは高校までなんですね。プロレスラーになってからも出稽古とかは行ってますけど。だから相当やばいっていうふうに僕は脅されてます。ホントにウソ偽りなく、今回は挑戦者の立場として、岩本選手にチャレンジ、僕の全てをさらけ出して挑戦させてもらうつもりです」

▼岩本「言ってしまえば、CIMA選手の全てということになるんですけど、試合の映像をみて研究して思ったのが、序盤のホント細かい攻防とかなんですけど、そこからCIMA選手は自分の流れに持っていくっていうイメージがめちゃめちゃ強かったので。序盤の攻防だったりとか、やっぱりジャベとかもめちゃめちゃ多彩なので、そこを真正面から喰らっちゃうとダメージっていうよりも精神的な部分だったりとか、リング上でのイニシアチブを取られて、そのままズルズルいってしまいかねないので、序盤の部分ですね。ホントに細かい部分になるんですけど、そこを警戒して制圧していければと自分は思っています」

――これまでの挑戦者の中でもキャリアの長い選手だが?

▼岩本「日高さんともやってはいるんですけど、年齢幅も広いし、対戦相手も違う団体の選手だったりとか、いろいろいるんですけども、やっぱり一筋縄ではいかないというのが、いろいろな媒体で記事読んだりとかしただけでも自分はそこらへんを感じたので、本当に心してかからないといけないなって。自分の中でも本当に今回の防衛ロードでも最大の難敵だと思ってます」

――キャリアの長さを警戒すると?

▼岩本「確かに最大の難敵だとは思うんですけど、今回の防衛ロードも含め、いろいろな人とやってきてるんで大丈夫かなと思ってます」

▼CIMA「いやぁ何かね、チャンピオンなんでね。言いたいことはよくわかるんですけど、何かさっきから聞いてたらどっちがベテランで、どっちが若手かわからないというかね。確かにいろんな選手とやってきたんでしょうけど、引っかかるのが『俺、何でも知ってますよ』みたいな感じで来られるのは、ちょっとどうかなと。私はチャレンジャーなんでどうこう言う立場ではないんですけど、もちろんリング上でっていうことなんでしょうけど、『俺、何でもやってきたから知ってますよ』みたいなのは、何を知ってるのかな?っていうのは僕は正直、映像では伝わってこなかったんで、そこらへんはどうなのかなというのはありますね。もっとガガガっと来てほしいんですけどね。土星の輪っかの中にはまってますね」

▼岩本「まぁね、僕も僕なりに修羅場くぐってきてると思ってるんで」

▼CIMA「修羅場というのもね、いろいろありますからね。小さい修羅場もあれば、大きい修羅場もありますし、日本だけの修羅場もあれば、世界の修羅場もあると思いますんでね。全日本プロレスは世界に名前が響いてますんでね。どの程度の修羅場を岩本選手がくぐってきたのか、ぜひリング上でこのCIMAに見せてほしいですね」

▼岩本「もうやるだけです、自分は」

▼CIMA「全然、おとなしいから、通夜やってるんじゃないんやから、これから試合するんやからね。俺はリング上とにかく楽しみにしてるんで。こういう会見もいいけど、今からもう一回、岩本煌史の試合を俺はチェックするんで、当日楽しみにしてますわ。修羅場、俺に見せてくれや」