『2021 Champions Night 2〜全日本プロレス49周年記念大会〜』東京・大田区総合体育館(2021年10月16日)
三冠ヘビー級選手権試合 △ジェイク・リーvs宮原健斗△

 ジェイクと宮原の“主役決定戦"は13年2ヵ月ぶりの三冠戦60分フルタイムドローで決着つかず。3度目の防衛を果たしたジェイクは「来年の50周年、俺はもっと突き抜ける。俺が全日本プロレスを作り直す」と全日本50周年を迎える2022年も見据えて宣言した。

 6・26大田区大会で宮原、青柳優馬との新王者決定巴戦を制し、三冠初戴冠を果たしたジェイク。あれから芦野、諏訪魔をも下し、2度の防衛に成功してきた。頂点の座を盤石としつつある王者の前に立ちはだかったのがエース・宮原。「全日本プロレスの主役は俺だ!」と豪語し、昨年3月の陥落以来1年7ヵ月ぶり5度目の戴冠に挑んできた。

 当然、ジェイクも譲らず「お前に主役は無理。俺が全日本プロレスの中心だ」と主張。両者による三冠戦は“主役決定戦"の図式が明確となり、前哨戦で感情むき出しに火花を散らしてきたが、この日、今年2度目の大田区大会での決戦の時を迎えた。

 試合は長期戦の様相を呈した。互いに一歩も譲らず、腕攻めでジェイクが優位に立てば、宮原はブラックアウトを連射すると、10・6新木場の再現とばかりにスネークリミットで絞殺にかかる。ジェイクがジャイアントキリング、バックドロップで逆襲すると、宮原は前のめりに倒れ込んでしまう。セコンドの青柳がタオル投入の構えをみせ、林リングドクターのチェックが入る事態に。立ち上がれない宮原にジェイクは10・9北本と同様にペットボトルの水を浴びせた。

 何とか息を吹き返した宮原は師匠・佐々木健介ばりのラリアットを痛む右腕で連発。ブラックアウト連打からのシャットダウン・スープレックス・ホールドで先に勝機を作ったが、3カウントは奪えない。ハイキックで逆襲したジェイクが後頭部へのジャイアントキリングからD4Cを爆発させたが、今度は宮原がギリギリで返した。

 刻一刻と残り時間が少なくなっていく中、宮原がブラックアウトを乱れ打ち、2度目のシャットダウンで勝負に出たが、ジェイクは意地のキックアウト。バックドロップからのD4Cで3カウント寸前に追い込み、ジャイアントキリングをぶち込んだが、ここでタイムアップを告げるゴングが鳴らされた。

 譲らない死闘を繰り広げたジェイクと宮原だったが、60分間フルタイムを戦い抜いて決着つかず。王者・ジェイクが3度目の防衛を果たした。三冠戦の60分フルタイムドローは2008年8・31両国大会の「諏訪魔vs太陽ケア」以来、実に13年2ヵ月ぶり。どちらが主役か明確にはならなかったものの、32歳で同い年の二人は過去にとらわれない“今の全日本"を表現してみせた。

 ドロー防衛となったジェイクは「引き分けておいてなんだが、俺も宮原健斗もまだまだこんなもんじゃない。俺はもっと上のステージに行く」と宣言。「来年の50周年、俺はもっと突き抜ける。俺が全日本プロレスを作り直す」と誓ってみせた。全日本は来年が50周年記念イヤー。そこでジェイクは頂点の座=三冠王者に君臨し続け、新たな全日本プロレス像を確立するつもりだ。

 宮原との主役決定戦の決着は来年に持ち越し。バックステージでジェイクは「来年50周年、こんな試合が他にできるヤツいるか? おい、諏訪魔。おい、芦野。おい、青柳、石川。それ以外もだよ。お前らこういうことできるか? できねえだろうな。そんなんじゃいつまで経っても何も変わらねえよ。たぶんこのままいくと、俺と宮原の2人だけだ」と全日本ヘビー級勢に対して手厳しく通告した。50周年以降の全日本を見据えるからこそ「俺しかできないことをこれからも見せてやる。来年50周年、俺が作っていく。俺が作り直していく」と繰り返し強調してみせた。ジェイクが作ろうとしている新しい全日本。その一端が宮原とこの日みせた三冠戦の中にあったのは間違いない。

【試合後のジェイク】
▼ジェイク「V3達成って言っていいのかな? どう思います? V3って言っていいのかどうか。どう思います?」

――言っていいのではないか

▼ジェイク「その言葉を待ってました。リング上ですごい短い言葉だったが、あれが俺の本心です。何も取り繕ってない。来年50周年、こんな試合が他にできるヤツいるか? おい、諏訪魔。おい、芦野。おい、青柳、石川。それ以外もだよ。お前らこういうことできるか? できねえだろうな。そんなんじゃいつまで経っても何も変わらねえよ。だから言ってやったんだ。突き抜けるって。お前らがもう見えないぐらい。たぶん、このままいくと俺と宮原の2人だけだ。悔しいんだったらさ、お前ら何のためにプロレスをやってるかってちょっとは本心さらけ出せよ。取り繕ってないでさ。お前らの主義主張って何だ? この会社・団体をどうしていきたい? 考えてことあるか。考えてはいるけど、ビビッてんだろ? ここまで体張れねえんだろ? だから俺が突き抜けてやる。俺しかできないことをこれからも見せてやる。来年50周年、俺が作っていく。俺が作り直していく。他に何か聞きたいことは?」

――作り直していくうえで、来年になるかもしれないが、改めて宮原選手との主役決定戦に決着を付ける必要もある?

▼ジェイク「宮原にひとこと言いたいことがあるんだ。お前さ、全日本プロレスの主役…全日本プロレスでいいのか? お前、プロレス界って言ってなかったっけ? 違ったっけ? お前もっと上のステージに行きたいんだろ? だったらさ、お前のその気持ちをもうちょっと出してやれよ。作り笑顔ってバレバレだぞ。あいつに結果を残してほしいとか、そういうのじゃない。けど、ずっと言ってきたけど、お前、本当にこのままでいいのか?」

【宮原の話】「この通りだ、結果は。俺がベルトを掴めてたら…。あいつが言っていた通りだ。何が始まったんだろうな? 何かが始まったんだろうな」