『POWER STRUGGLE』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)(2021年11月6日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○鷹木信悟vsザック・セイバーJr.×

 鷹木が大激闘の末にザックを粉砕し、IWGP世界ヘビー級王座V3。試合後、挑戦権利証を持つオカダとマイク合戦を繰り広げ、来年の1・4東京ドーム大会で“真王者決定戦"を行うと宣言した。

 チャンピオンとしてG1に臨んだものの、初優勝を成し遂げられなかった鷹木。V3戦ではG1公式戦で敗北を喫したザックを迎え撃つことになった。G1では変型腕ひしぎ十字固めで屈辱の一本負けを奪われていただけに、試合の焦点は「関節技」に。鷹木は前哨戦でシンゴ・タカギ・フェースロックこと裏STFを多用。ザック狩りに臨んだ。

 スキあれば関節技を狙っていくザックに対し、鷹木もテクニックで呼応。ザックのヒザ十字固めをサソリ固めで切り返すと、関節技をことあるごとに繰り出し、リング上で倒れ込んでグラウンド戦を誘う。一方、ザックは前哨戦で鷹木を絞め落としたロープを挟んでの宙吊り式スリーパーで応戦。パワーで抵抗する鷹木を技術で凌駕し、首に集中砲火を浴びせると、右腕攻めにシフト。鷹木の表情が何度も苦痛で歪んだ。

 両者はハイレベルな先読み合戦で何度も火花を散らすと、鷹木はドラゴンスクリュー、ネックツイストなどお株を奪う関節攻撃でペースを握り、パワーボムから裏STFで絞め上げる。しかし、逃れたザックは豪快なザックドライバーで大逆転。鷹木もジャパニーズレッグロールクラッチをスリーパーで切り返し、MADE IN JAPANを決めるなどして反攻するが、ザックはSTAY DREAM狙いを切り抜け、雪崩式腕ひしぎ十字固めに捕獲する。一気に絞め上げてG1公式戦の再現を狙ったが、鷹木はニアロープに救われてエスケープした。

 止まらないザックはなおも右腕に集中砲火を浴びせると、2度目のザックドライバーで勝負に。だが、鷹木は意地のキックアウト。胴絞めスリーパーに捕まったものの、ザックを背負ったままコーナーに上がり、背後に押し潰して形勢逆転を果たす。ザックは三角絞めで絞め落としにかかるが、鷹木は強引に体を抱え上げると、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンも繰り出した。

 余力わずかの2人はエルボーを打ち合うと、ザックはビンタを乱射するが、鷹木はグーパンチで返答。スライディングエルボーもぶち込む。ザックもヨーロピアンクラッチで最後まで勝利を目指したものの、寸前で肩を上げた鷹木は熨斗紙、さらに鷹木式GTRで譲らず。ショートレンジパンピングボンバーを一閃すると、30分経過直後にラスト・オブ・ザ・ドラゴンを決めて熱戦に終止符を打った。

 ザックに雪辱してIWGP世界ヘビー級王座を守った鷹木の前に、4代目IWGPヘビー級のベルトを肩にかけたオカダが現れた。「鷹木さん、防衛おめでとうございます。そして、ご苦労様でした。これからは、IWGP世界ヘビー級チャンピオンに代わって、『G1 CLIMAX 31』チャンピオンが新日本プロレスを引っ張っていきますので、ご苦労様でした」と上から目線で通告すると、権利証代わりのベルトを見せつけ、「これが1・4挑戦権利証ですよ。G1 CLIMAXチャンピオン、IWGP世界ヘビー級チャンピオン、どっちが本当のチャンピオンか決めましょう。IWGP世界ヘビー級チャンピオンとして…失礼。G1 Aブロック予選敗退の鷹木信悟として、このオカダ・カズチカにかかってこい、コノヤロー」と挑発した。

 鷹木もマイク合戦では引かない。「オカダ、確かに俺はAブロック予選落ちだ。俺が2位で、1位の飯伏が優勝決定戦に行った。だがしかし、仮にもし、俺が決勝に行ったら、お前が優勝できたか? わかんねえよな、おい。それから、まだお前そのオモチャのベルト使ってるのか? 好きだなあ」とオカダに言い返すと、「とはいっても、偉大なG1王者だ。そして、俺は今日なんとかこのベルトを守った。オカダ、ここまで言ったら、俺が何を言いたいかわかるよな? G1 CLIMAXのチャンピオンがこのIWGP世界ヘビー級チャンピオンか、どっちが強いか、決めようぜ。場所は1・4東京ドーム!」と舞台を新春のドーム大会に指定し、“真王者決定戦"実現を宣言した。

 オカダと視殺戦を繰り広げた鷹木が最後に締め。「今日は本当にしんどい試合だった。本当にしんどかった。何度もギブアップしそうになったが、ここで負けるわけにはいかねえよな、俺は。だが、ザック・セイバーJr.は間違いないよ。あいつは現時点で最強で最高のチャレンジャーだった」とザックを手放しで称えたうえで、「ということは、そのザックを破った俺は、現時点でこの新日本プロレスで最強・最高のレスラーで間違いないよな?」と自画自賛。大きな拍手を求めると、「俺の夢と野心はまだまだこんなもんじゃないからな。まだまだ上を目指す。ということで、1・4東京ドームに向けて、IWGP世界ヘビー級王者として、龍の如く駆けのぼっていくぞ!」とさらなる高みを見据えた。

【試合後の鷹木】
▼鷹木「(※用意されたイスに座り、右ヒジの内側をアイシングしながら)あぁ……強烈だったね。ホント強烈。あいつが直前のインタビューで、ザックが『100%勝つ自信がある』って言ってた。正直ビビったよ、俺。『その根拠なんだよ?』って思ったけど、ホントに自信があるんだなと思って、ちょっとたじろいだけど、俺はG1での(9・23)大田区でもそうだし、開幕戦(10・24後楽園)のイリミネーションでも、ほぼ半分失神してな、場外で寝てた。チャンピオンとしての立場なかったから、今日はどんな無様な格好でも絶対にギブアップしないと。骨が折れようが、絞め落とされようが、絶対にギブアップしてたまるかって、そういう気持ちで臨んだ。まぁ飯伏じゃねぇけど、飯伏じゃねぇけどよ、絶対にあきらめないっていう、そういう気持ちで…半分心が折れてたけど、なんだろな…。でも俺にももちろん絶対的な自信があったから、絶対に負けられないっていう気持ちもあるけど…。それから、オカダ・カズチカ、誰もが知ってるスーパースター、レインメーカー、オカダ・カズチカ。どうなの、あれ? やっと本気になってくれたのか? やっと、本腰を入れてくれたのかな? あいつも何考えてるのかわからないけど、こっちはちゃんとリスペクトしてんだぜ。偉大なG1チャンピオンとよ。俺はG1もNEW JAPAN CUPも優勝したことがない。でもその気持ちはわからない。だがそれは、オカダ・カズチカ、とっても偉大なチャンピオンだと思うよ。だが今、新日本の、ナンバーワンの、本物のIWGP世界ヘビー級チャンピオンはこの俺だ。俺がこの6月からやってきたことは、決してムダでない。それを証明するためにも、1・4だよ、1・4…。ホント人生って面白いよな。俺もプロレス人生17年。18年目を迎えて、今こうやってな、絶頂期がくるとは思わなかったよ。いや、俺はまだまだ絶頂期じゃねぇな。まだまだ昇ってくよ。駆け昇ってみせるから」

――ザック戦を改めて振り返って、何度もあの大田区の悪夢が蘇ってくるようなシーンがあったが、どうやって乗り越えられたと思う?

▼鷹木「その大田区のVTRを何度も見たからね。メチャクチャ恥ずかしいから、あれ。村田(晴郎)アナがね、『鷹木信悟、死んでもギブアップしないぃーーーッ!』って言って、2秒後ぐらいにタップしてたからな。あれ、映像見たときに恥ずかしかったよ。ホント大阪だけに吉本新喜劇かと思ったけど、あの悔しさで今後はじゃあ、骨が折れようがジン帯がどうなろうが、タップは絶対しないと。レフェリーに止められたら仕方ないかもしれないけど、そういう思いでリングに上がりました」

――最後のラスト・オブ・ザ・ドラゴンも完璧な形ではないけれども、意地で出したという印象を受けた

▼鷹木「ホントはね、あんだけ右腕を攻められたから、右腕のパンピングボンバーで決めてやりたかったけど、さすがザックだ。最初からあいつ、強烈だったから。『あっ、こいつマジできてんな』ってのがわかった。いままで何度も、地方大会でも後楽園でも当たってたけど、今日が1番強烈だった。だから俺も、ある意味、底力を出してくれたのはザックだね」

――勝利後に、すかさずオカダ選手がリングに上がってきた。改めて1・4に向けては?

▼鷹木「相変わらずスカした野郎だね。上から目線で。呼び出してやろうと思ったけど、まさかあいつから来るとは思わなかったから。ま、あいつがどんだけ上から目線でこようが、いま、新日本の頂上はここにあるから。オスプレイだってそうだろ? あいつが『Real、Real』(本物)って言えば言うほど、オスプレイ、自分でもわかってるんだろ、Fake(偽物)だってことが? 本当のベルト持ってるヤツは、『Real』なんで言わねぇからな。1・4まで時間があるから、今日もベストに近いコンディションだったけど、もっともっと、心・技・体を向上させてっくから。なんかオカダがよ、言ってたじゃない。『鷹木信悟が何やったかっていったら、病み上がりの僕から勝って、連戦の棚橋さんから勝っただけでしょ』って。ふざけんなよ。今日の最高、最強のチャレンジャーのザックから勝ったし、なぁ、言ったじゃねぇか、レスラーは病み上がりとか関係ねぇって。それこそ9・5のメットライフドームで証明したろ。やっぱオカダは気に食わねえな。もうなんの! 言い訳もさせねぇからな。オイ、せめてお前、次、負けたら、『正月ボケしてました』とでも言っとけ。俺は、なんの言い訳もできない状態で、1・4東京ドーム、リングに上がる。鷹木信悟の真骨頂、見せてやるよ…」

【ザックの話】「(※タイチの肩を借りて引き揚げてくる。コメントスペースまで運ばれると、壁にもたれてフロアに座り)強かったな…。この状況でほかに何を言えばいい? シンゴは今日、俺よりも強かった。力及ばずだ。絶対に勝てると思って挑んだけど、ダメだった。アイツは速い。スピードはDRAGONGATE時代からまったく衰えてない。なのに90年代の全日本プロレスの選手かのように、技の1発1発が強い。サブミッションマスターの俺でさえ、アイツのペースをまったく崩せなかったし、今日に限っては関節技も大して効果がなかった。オータク(9・23)に続き、アームバー(腕ひしぎ逆十字固め)1発で勝てると思った。あいつの腕がもげるような音が聞こえたけど、あいつは耐えてロープブレイクで切り抜けた。どうやってあの技を切り抜けることができたのか、俺にも理解できない。あいつはマジで強い。どこで間違えてしまったんだろうな? ドラゴンスリーパーをかけたときに、ふと気が抜けてしまったのかもしれない。ドラゴンのあいつをドラゴン・フジナミ(藤波辰爾)の技で倒してやりたかった。ちょっと頭で考え過ぎてたのかもしれない。腕だけに集中していればよかった。でも100%、あいつのヒジが壊れる音は聞こえた。あんまり聞きたくないような音だったけど…。今日に関しては、タイミングが悪かったとしか言いようがない。何であんなに速く動けるんだ? もしかして毎朝5kmは走ってるんじゃないか? とにかく今日の俺はダメだった。ダメ、ダメ、ダメ、ダメ…。あともう一歩だったんだけどな。でも最後に勝てなければ、そんなの意味ないもんな。引退後に『チャンピオンとしてベルトを巻いたことは?』って聞かれても、答えが『あともう一歩でベルトに届いた』じゃ、『それが何だ?』って返されるだけだ。サッカーのプレミアムリーグでもワールドカップでも、『もう1勝で優勝してた』って言っても、それじゃダメなんだよ。今日だって結局はベルトに届かずだ……。このままずっと落ち込んでることもできるけど、ツギ、『(WORLD)TAG LEAGUE』がある。1週間後には始まる。気持ちを切り替えて前に進むしかない。G1優勝も逃し、ベルトにも届かなかった。でも今年のタッグリーグは必ずタイチと俺で優勝する。次のシングルのベルト挑戦まで何年も待っていられない。タッグチャンピオンの座だけで満足してられない。目指すはシングルトップの座。トップのベルトを獲る。ライネン。来年、絶対にだ。タカギ、おめでとう。これでお前とは1勝2敗か。だけどニュージャパンのリングだけで見れば、1勝1敗のタイだ。絶対にまたお前と闘う…」


【オカダの話】
※4代目IWGPヘビーベルトを右肩にかけてコメントスペースへ入ってくる

――今まさに、1・4東京ドームという言葉が出てきたが、それについては?

▼オカダ「まぁそうですね、1・4がタイトルマッチ、メインイベントに上がることが決まったわけですから、しっかりと『G1 CLIMAX 31』チャンピオンとして、新日本プロレスを盛り上げて…まぁ、ややこしいですよね、チャンピオンが2人いるってのは。まぁ僕がしっかりIWGPを、世界ヘビーを獲って、2冠王っていうのにならしてもらおうかなと思います」

――引き続き立場としては、今一番強いのはG1チャンピオンだということはもう間違いないと?

▼オカダ「(※笑みを浮かべながら)間違ってると思います?」

――当然、挑戦者は向こうなんだというスタンスは変わらない?

▼オカダ「変わんないですよ。だって実際、向こうが出てる大会で、G1 CLIMAX優勝してますんで。まぁ形としては僕がチャレンジャー、それはわかりますけども、向こうがチャレンジしてくるような気持ちでないと、ダメなんじゃないかなと思います。オカダ・カズチカですよ、相手は。ま、ホントに、形として僕がチャレンジャーですけども、向こうもチャレンジーのつもりでかかってくると思いますし、ま、G1 CLIMAX、たらればはやめましょうよ、チャンピオン、恥ずかしいんで。しっかりと…ま、わかりやすく言えばホントに、G1 CLIMAXのチャンピオンと、IWGP世界ヘビーのチャンピオン同士の闘いということなんで、そこはしっかりと、まだ1月4日まで時間はありますんで、ワクワクしていきたいなと思います」

――挑戦権利証の代わりに持つことを許されたそのベルトは、実際に持ち歩いてどう感じる?

▼オカダ「挑戦権利証だからこそ腰には巻いてないですし、これはホント、ただの挑戦権利証です。ま、いろんな意見ありますよ。G1 CLIMAXのチャンピオンとしての証が、ただのちっぽけな紙なんて、おかしな話だと思いますし、そういう意味ではチャンピオンなんですから、ベルトちょうだいよ。それは本来なかったですけども、それに並ぶものをもらいましたし、まぁ、飯伏幸太を待つ意味でも、最後G1 CLIMAX、ああいう終わり方だったので、そういう意味で持たしてもらいましたし、もう1個、僕の中ではテーマがあるんですけど、それはまた、のちほど。(口にするのは)今じゃないからって思うんで。そのときになれば話したいと思います」

――1・4はそのベルトを持って東京ドームに上がると?

▼オカダ「ま、そうですね。G1 CLIMAXを制した証が、僕はこのベルトだと思ってますんで。なんでG1 CLIMAXチャンピオンが持っちゃダメなのっていうような感じで思ってますんで。ま、でも、ホントに東京ドーム決まって、ワクワクしてきましたね。このワクワクが、新日本プロレスファンの皆さんに伝わるような闘いをしっかりとしていきたいと思います」