『WRESTLE KINGDOM 16 in 東京ドーム』東京ドーム(2022年1月5日)
IWGP USヘビー級選手権試合 ノーDQマッチ ○棚橋弘至vsKENTA×

 棚橋は5m以上ある巨大ラダーから捨て身のハイフライフローを投下。KENTAを粉砕し、2ヵ月ぶりにUS王座に返り咲いた。

 棚橋は11・6大阪大会でKENTAに敗れてUS王座から陥落。それでも引くことを知らない逸材はタイトル奪還に動き出した。挑戦の条件提案を王者に迫ると、KENTAは反則裁定、リングアウト裁定なしのノーDQ戦を提示。棚橋も受け入れて、再戦が新春のドーム大会で行われることになった。

 前哨戦ではこの形式に慣れたKENTAが無法暴走を連発したものの、棚橋も徐々に順応。前日の最終前哨戦では逆に棚橋が竹刀でKENTAをメッタ打ちにして反則負けとなり、「竹刀ぶん回して人をぶっ叩くのが気持ちいいなと思っちゃった」と新たな一面を見せていたが、ドームでは想像をはるかに超えるファイトを披露した。

 棚橋はのっけから竹刀で殴りつけるが、KENTAも奪い取って報復。アルミ製のバケツやパイプイス、かつて棚橋に破壊されたUS王座挑戦権利証用のアタッシュケースをリングに持ち込むと、逸材を殴りつける。さらに、ラダーまで持ち込んで、棚橋を容赦なくそこに投げつけた。

 しかし、棚橋はバケツを持ったKENTAに低空ドロップキックを放って、バケツに顔面から激突させて反撃に出る。バケツをKENTAに被せて、そこをパイプイスで痛打すると、リング下から取り出したギターでも一撃。さらに、リングサイドにテーブルを設置し、ノーDQ戦に順応してみせた。テキサスクローバーホールドはアタッシュケース攻撃で防がれ、さらにアタッシュケースを挟んでのブサイクへのヒザ蹴りに被弾。それでも、場外テーブルを使っての攻撃は切り抜けると、棚橋はパイプイス山へのスリングブレイドを決めた。

 そして、一気にハイフライフローを敢行するが、避けられてパイプイス山に激突。一転してKENTAペースに傾く。コーナーでへたり込む棚橋の眼前に無数のパイプイスを立てかけると、KENTAは串刺しドロップキックを発射。すかさずgo 2 sleepを狙うも、棚橋はイスへのツイスト&シャウトでピンチを脱する。棚橋はテーブルをリングに持ち込み、KENTAをそこに寝させると、再びハイフライフローの構えに。

 KENTAはイスで殴りつけて反攻。前戦ではテーブルへのハイフライフローで背中に傷を負ったKENTAが、雪崩式ファルコンアローで逸材をテーブルに叩きつけて倍返しを果たす。テーブルは真っ二つにへし折れ、棚橋は倒れ込んで動けない。KENTAはこれでもやり足りないのか、5mはある巨大ラダーとテーブルを投入する。

 KENTAは棚橋を仕留めるべく、巨大ラダーを立たせると、その前にテーブルを設置。棚橋をその上に寝かせて、ラダーに上がる。しかし、復活した棚橋はラダーを揺さぶり、KENTAを顔面からバケツめがけて転落させることに成功。流血したKENTAをテーブルに寝かせると、棚橋は絶叫しながら巨大ラダーへ。そして、捨て身のハイフライフローを投下。這うようにしてフォールし、KENTAを沈めた。

 ノーDQ戦を制して棚橋が2ヵ月ぶりにUS王座返り咲き。新たな側面をKENTAとの激闘で披露した。しかし、棚橋本人は「嬉しいとか、悲しいとか、悔しいとか、何の感情も残ってないです。ただ…ただあるのは虚無感…。虚しいだけ…。なんで俺、プロレスラーになったのかな…」と複雑な心境を告白。「ベルトは返ってきたけど、どっからスタートすればいいのかわからないです。ああ、藤波さんが好きだったなあ…。ああ、武藤さんに憧れたな…。で、今これか…」と苦笑するしかなく、「ああ…レスリングやらなきゃ…。こってこての60分フルタイムドローのレスリングがやりたいよ」とこぼした。

 自身のスタイルを曲げてノーDQ戦に挑み、US王座を奪還した棚橋。受けたダメージは心身ともに軽くはない様子だが、負った傷を癒すためにも、自分が思うプロレスでUS王座を防衛していくしかない。

【棚橋の話】「(コメントブースの席について、しばらく頭を抱え)嬉しいとか、悲しいとか、悔しいとか、何の感情も残ってないです。ただ…ただあるのは虚無感…。虚しいだけ…。なんで俺、プロレスラーになったのかな…。プロレスラーである自分を誇りに思いたくて…。ああ…はあ…ベルトは返ってきたけど、どっからスタートすればいいのか分からないです。ああ、藤波さんが好きだったなあ…。ああ、武藤さんに憧れたな。で、今、これか…(苦笑)。ああ…レスリングやらなきゃ…。こってこての60分フルタイムドローのレスリングやりたいよ(と涙声で語りながら立ち上がり、天を仰ぎながら鼻をすすりつつ)ふー(と一息つきながら控室へ)」

※KENTAはノーコメント