『WRESTLE KINGDOM 16 in 東京ドーム』東京ドーム(2022年1月5日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○オカダ・カズチカvsウィル・オスプレイ×

 オカダがオスプレイを熱戦の末に撃破し、IWGP世界ヘビー級王座V1。昨日の鷹木信悟戦に続き、新春の東京ドーム大会で2連勝を飾り、“真の王者"であることを証明した。試合後、内藤哲也の挑戦表明を受けると、対戦を即決。団体創始者のアントニオ猪木にもエールを送った。

 昨年秋のG1を制したオカダは、前日の東京ドーム大会で鷹木を破り、IWGP世界ヘビー級王座を初戴冠。2年ぶりに頂点返り咲きを果たした。早くも翌日に初防衛戦が実現。対戦相手のオスプレイは第2代のIWGP世界ヘビー級王者だったが、昨年5月にタイトルを返上し、負傷した首の治療に専念するため、イギリスに帰国。しかし、8月のアメリカ大会に姿を現し、自作のベルトを手にチャンピオンとして正当性を主張。そして、ついに8ヵ月ぶりに来日を果たし、“真の王者"を決めるべくオカダと雌雄を決することになった。

 オスプレイは自作のベルトを見せつけて入場。セコンドのオーカーンやヘナーレが阿部リングアナを恫喝し、「IWGP世界ヘビー級リアルチャンピオン」とコールさせる。試合でもオカダを本部席に連行し、自作ベルトを強引に見せつけて、自分こそが王者だとアピール。高速多回転式バックブリーカーでどよめきを誘い、試合内容でも観客に魅せる。

 オカダは得意技で巻き返すと、エプロンでショットガンドロップキックをぶち込み、オスプレイを鉄柱に激突させた。さらに、鉄柵超えのフライングボディアタックを放つが、オスプレイはトラースキックで撃墜して主導権を渡さず。すかさず照明用の鉄骨からケブラーダを敢行。なりふり構わぬ攻撃でチャンスを掴んだ。止まらないオスプレイは後頭部にスワンダイブ式エルボーをぶち込み、ライガーボムで追撃。場外に転落したオカダめがけてサスケスペシャルへ。オカダは上手くダイブを逸らしてオスプレイの体を着地させると、場外ツームストンで逆転。大技で一気にとたたみかけるが、レインメーカーはオスプレイが空転させる。ハイレベルな先読み合戦になだれ込むと、オスプレイはドロップキックを読み、足を掴んでライガーボムに切り返した。

 オスプレイはトップロープに腹から落としてオカダを固定すると、そこにシューティングスタープレスを投下。正調式でも落とすと、オスカッターが完璧に決まる。攻撃の手を緩めないオスプレイは後頭部にエルボーをぶち込み、お株を奪うツームストンからレインメーカーポーズを披露。そして、レインメーカーを放つが、かいくぐったオカダがお返しとばかりに、ストームブレイカーを逆に繰り出して、ピンチをチャンスに変えた。

 こん身のドロップキックで場内を沸かせると、レインメーカーを振り抜くが、オスプレイはその場飛びスパニッシュフライで猛抵抗。スーパーオスカッターも繰り出すが、オカダは沈まない。逆に旋回式ツームストンで再び逆襲。ストームブレイカー狙いを切り抜けて、ローリングラリアットを放つと、レインメーカーがさく裂した。オスプレイはギリギリでキックアウトして脅威の粘りを発揮。ならばとオカダはマネークリップに持ち込んで絞め落としにかかる。

 ロープに逃れたオスプレイは掟破りの逆レインメーカーで押し返すと、両者は感情むき出しのエルボー合戦を展開。ねじ伏せたオカダはまたもレインメーカーの構えに。オスプレイはリフトアップ式のエルボーでオカダのアゴを射抜くと、後頭部にヒドゥン・ブレイドを一閃。オカダがそれでも沈まないとみるや、しつこくストームブレイカーを仕掛ける。しかし、オカダはことごとく切り抜け、強烈な頭突きを被弾しても闘志は消えず。オスプレイの生ヒジ式ヒドゥン・ブレイドをドロップキックで迎撃すると、開脚式ドライバーから今日2発目のレインメーカーをぶち込み、死闘を制した。

 オカダがオスプレイを下してIWGP世界ヘビー級王座初防衛。ドームで2連勝を飾り、自身が真の王者であることを結果で証明してみせた。オカダはマイクで「本物のチャンピオンはこの俺だけど、お前の強さは本物だよ。この俺が認めてやる」とオスプレイを素直に称賛。そのうえで、「これで胸を張って言えると思います。IWGP世界ヘビー級チャンピオンはこの俺だ。昨日の鷹木さん、今日のオスプレイのように、50周年に相応しい相手と50周年に相応しい戦いを皆さんにお見せしますので、オカダ・カズチカに、IWGP世界ヘビー級チャンピオンにご注目ください」と高らかに宣言した。

 そんなオカダの前に立ったのが、今大会でジェフ・コブを破ってシングル戦線で急浮上を遂げた内藤だ。「昨日は鷹木に勝利し、今日はオスプレイに勝利。今、新日本で一番強い男は間違いなくオカダだよ。だからこそ、そんなオカダを感じてみたい。だからこそ、そんなオカダの持つベルトにチャレンジしたい。次のタイトルマッチの相手、内藤哲也はどうだ?」と挑戦表明。場内が大歓声に包まれると、オカダは「まあ、この歓声を聞いたら問題ないでしょう。オカダ・カズチカvs内藤哲也、決定でいいんじゃないでしょうか。50周年に相応しいんじゃないでしょうか」と受諾し、V2戦が決定的となった。

 50周年に向けて、オカダは闘病中の猪木にメッセージ。「俺はこの新日本プロレスのリングの上に猪木さんが上がってくれるのを待っています。元気があれば何でもできる。そうでしょ? 猪木さん、しっかりと元気になって、またこのリングに上がってください。リングに上がるのは50周年に相応しいんじゃないかと思います」とエールを送り、50周年イヤーの猪木登場に意欲を見せた。

 観客にも「1・4、1・5、2日間、熱い声援、本当にありがとうございました。声が出せない中、応援してもらって。でも、その熱い声援というのはしっかりと選手に届いて、しっかり熱い戦いで返せたんじゃないかと思います」と感謝の言葉をかけると、「俺、やっぱり声援がある中でプロレスがしたい」と吐露し、感極まってたまらず涙。声を震わせながらも、「もう無観客に戻りたくないですし、しっかりとみんなの前で戦っていきます。新日本プロレス全選手熱い戦いをしますので、これからも新日本プロレスよろしくお願いします!」と決意を新たにした。

 最後に「新日本プロレスの50周年まで来ることができました。そして、50年先までこのオカダ・カズチカで食っていけるようにまだまだ盛り上げていきますので、よろしくお願いします」と50周年イヤーのさらなる先まで見据え、「というわけで、新日本プロレスに金の雨が降るぞ!」と締めくくった。

 コロナ禍が長く続き、今後も予断を許さぬ状況だが、オカダは中心になって50周年を引っ張っていく構え。強敵2人を打ち破り、真の意味で頂点になったレインメーカーが、記念イヤーの新日本マットに再び金の雨を降らせる。

【試合後のオカダ】
※後藤、YOSHI-HASHI、石井、ロッキー、イーグルスが待ち受ける中、オカダが矢野に付き添われて登場すると、全員が拍手で迎えて祝福

▼ロッキー「オカダサン、おめでとう! お前は2日連続でIWGP世界ヘビー級チャンピオンであることを証明したな。CHAOSのためにカンパーイ! ハッピー・ニュー・イヤー!」

※全員で乾杯すると、オカダ以外はお祝いの言葉をかけて立ち去る

▼オカダ「ありがとうございました!」

──昨日今日と戦い抜いて、ベルトとともにインタビューに応える今の思いは?

▼オカダ「やっぱり2020年ですね、1月4日は勝ってたんですけど、5日に負けるっていう、そういう悲しいことも、思い出したくないようなこともあったので、今回はこうやって4日、5日と勝つことができたので、すごくうれしいですし、やっぱり4日だけ勝つ、逆にオスプレイが5日だけ勝つ、そんなようなことよりも、2日連続で勝つっていうことがこの新日本プロレスを引っ張っていく人間にふさわしいと思うので、昨日今日と素晴らしいチャレンジャーと、素晴らしい元チャンピオン、鷹木さん、その2人と戦うことができて、その中で勝つことができたので、ホントに僕の中でお正月が来たような…すごい、うれしいです」

──この2試合、相手に対しての思いは?

▼オカダ「ホントにどちらも強かったですし、やっぱりこの新日本プロレスというリングのレベルの高さをすごく感じましたね。まぁでも、4、5と戦っていく中で、4代目のIWGPヘビー級の経験というのがすごく生きてきたと思いますし、今日2日連続でつらかったですけど、4代目で戦った経験がすごく生きて、今日はまた4代目のベルトに助けられたような気がしましたね」

──そのベルトをどんなベルトにしていきたいですか?

▼オカダ「まぁやっぱり最高のベルトにしていきたいですね。4代目IWGPヘビー級のベルトに負けないようなベルトにしていきたいですし、ホントにまだこのベルトの歴史は始まったばかり、新日本プロレスの歴史は50年ありますけど、まだまだ僕も4代目ですので、4代目IWGP世界ヘビー級チャンピオンとして、どんどんこの価値というものを上げていって、新日本プロレス、イコール、IWGP世界ヘビー級となるように、どんどんどんどん…昨日今日と素晴らしい相手と戦いましたし、僕が巻いたことで世界中に届くことにもなると思いますので、しっかりとこのベルトの価値を上げていく、そして新日本プロレスの50周年を盛り上げていく、新日本プロレスをもっともっと上のステージに持っていく。そうやっていかないといけないなと思います」

──試合後、内藤選手が上がってきました。笑っていましたが、どんな思いでしたか?

▼オカダ「何か、久しぶりな感じがしましたね。2020年の1・5で負けた相手ですし、今日初防衛しましたけども、10年前の2012年、僕がレインメーカーとして新日本プロレスに帰ってきた時に初めて防衛戦した相手で。それこそ40周年の旗揚げ記念日に戦った相手ですので、10年経って、またやるのかなと。ホントに50周年を盛り上げたいですから、ふさわしい相手じゃないかなと思います。ただ適当に出てきた相手ではなく実績もありますし、ワクワクしますね。僕と内藤さんが向き合っただけで、次のシリーズが楽しみになっている人もいると思うので、止まらないですよ、新日本プロレスは。どんどんいきます」

──その後、込み上げるようなものがあったように見えました。どんな思いがありましたか?

▼オカダ「まぁ何も込み上げてはないですけど…昨日目に当たってそれが痛いなというだけだったんですけどね。やっぱり僕は歓声のある中で試合したいですし、僕だけじゃなくて、お客さんもそうだと思うんですよ。やっぱりそういう中でのプロレスが楽しいと思いますし、無観客でやるってのはすごく淋しいこと…無観客でやることっていうよりも、2020年のような状態でプロレスのリングだけじゃなくてですね、世間がそうならないように、しっかりとまた気を引き締めて、また一歩ずつ前に進めるように、また3カウント入りそうになるのではなく、返して返して返して勝ちにいく。そういうものを気を引き締めてまた進んでいかないといけないと思いますし、だからホントにその日を楽しみにしたいと思います。その時はまた僕が中心にいないとダメだと思いますし、その日まではずっと勝って、このベルトと一緒に盛り上げていきたいと思います」

──この2日間、新日本のリングではいろいろなことが試合の中で起きていました。この新日本プロレスの50周年、どんなものにしていかないといけないという使命を感じていますか?

▼オカダ「まぁ、僕に任せてください。今の新日本プロレスはオカダ・カズチカでしょという気持ちもありますし、どんな戦いがあろうとも、メインイベントでIWGP世界ヘビー級とともに素晴らしい戦いを僕が見せていきますので、リング上でどんな反則があって、不満が溜まるようなことがあったとしても、それを晴らすような戦いを僕がこのベルトとともに見せていきますので、しっかりと僕に任せてください」

──おめでとうございました!

▼オカダ「ありがとうございました!」


【オスプレイの話】「(若手の肩を借りてインタビュースペースにたどり着くと、しばらく顔を伏せたまま。付き添っていたオーカーンがベルトを机の上に並べると、IWGP世界ヘビー級のベルトを引き寄せてニヤリと笑う)寂しくなんかないよ。俺が悲しんでるのを見て、喜ぶヤツもいるだろうが、感情っていうのはそういうものだな。今、この状況でここに座っていること。それ自体が最悪の状況だ。しかし俺は誰からも手助けは受けられない。ここ2年間、俺は周囲の人々を助け続けた。しかし、今、俺が悲しんでいるところを見て喜んでいるヤツがいるならば笑顔を見せようじゃないか。落胆しているかって? それに答えるなら『イエス』だ。もう俺の腰にはベルトがない。これまで長いこと、オカダと俺の一騎打ちが続いてきた。しかし、ほとんどの場合、オカダの勝利で終わるというのが、この2人のストーリーだった。しかし、その事実を受け止め、そして乗り越えるためにここまで来た。俺はさらに強くなった。しかしこのまま戦い続けて、30半ばまで戦い続けたら、体もガタが来るんだろうなぁ。AJスタイルズやケニー・オメガのような高給取りのスター選手たちも、30代を越えて力を失って来つつあったようだが、俺はまだ30歳にも満たずにこのポジションに君臨することができている。それにはオカダも、そして世界も実は怖がっているんじゃないかなぁ。俺が30を越えたらどうなるのか。しかし俺は今日はファンに謝らないでおこうと思う。俺はここで、ただ次のチャンスを待ったりはしない。ここにい続けて、次の東京ドームのメインイベントでまた戦えるように、そしてこのベルトを自分の腰に負けるように戦い続ける。それまで、このベルトは返してやるよ。俺には友人なんかいないんだ。でも(※横に立っているオーカーンとヘナーレをチラリと見て)大事なブラザーたちがいるからな(※と、IWGP世界ヘビー級のベルトは机に残し、他の3本のベルトを手に引き上げる)」