『G1 CLIMAX 32』北海道立総合体育センター 北海きたえーる(札幌市)(2022年7月16日)
Cブロック公式戦 ○アーロン・ヘナーレvs棚橋弘至×

 G1波乱の開幕。初出場のヘナーレが棚橋狩りの番狂わせをやってのけた。

 3年ぶりの夏開催となった今年のG1は史上最多28人が出場し、22年ぶりの4ブロック制。開幕戦となったこの日、3度の優勝経験(2007年、2015年、2018年)を持つ棚橋が公式戦の幕開けに登場した。蝶野正洋が樹立した最多優勝記録5回の更新を見据えて「これを近い将来抜くためには、今年優勝しとくべき」と誓っていたが、まさかの結末が待っていた。

 相手は初出場のヘナーレ。ダイビングボディアタックで先手を取った棚橋だが、ダイビングレッグラリアットで反撃され、エアギターでお株を奪われてしまう。太陽ブローで応戦してもサッカーボールキックで返り討ちにされ、馬乗りになってのエルボー連打を浴びせられた。

 守勢に回った棚橋はその後もローキック連打、ナックルパンチと猛攻に出るヘナーレの前に防戦一方。クロス式キャメルクラッチに捕まった。フライングフォーアーム、ダイビングサマーソルトドロップと得意技を連発しても、追尾式ラリアットでやり返され、変型ボムで豪快に叩きつけられた。

 どうにも流れをつかめない棚橋はヘナーレのミドルキックやエルボー、串刺しジャンピングニーを被弾。バックフリップ、ダイビングセントーンの猛攻を浴びてしまう。それでもアルティマを切り抜け、ツイストアンドシャウトを連発すると、スリングブレイドをショートレンジでさく裂。ハイフライアタックを放った。

 ようやく棚橋ペースと思われたのもつかの間、ハイフライフローをヘナーレが両ヒザで迎撃して勝機を作らせない。スパインバスターで動きを止められた棚橋はアルティマに捕まって絶体絶命。何とか耐え抜いたもののスピンキックを食らうと、Streets of Rageで叩きつけられて3カウントを聞いた。

 棚橋がシングル初対決となったヘナーレにまさかの敗北。逸材21回目のG1は初戦黒星で幕を開けた。悔しさをにじませながらも棚橋は持ち前の前向きさを失わない。「G1は何回出ても緊張するし、こういうことも起こる」と敗戦を深刻に受け止めず、「一番長くG1出てるから、今日、負けたけど、必ずCブロック突破してG1優勝する」と「一番カッコいい」優勝を描いた。棚橋の次戦は7・24大田区大会で内藤との歴代優勝者対決を控える。

 一方、ヘナーレはようやくつかんだG1初出場で初戦から番狂わせをやってのけた。「(UNITED EMPIREに)入った当初から俺はホンタイ・センパイを一人残らず狩って壊してやると心に決めていた。そして今日でそのミッションは遂行された」と会心の勝利を誇り、「これでいい流れで次に進める」と好感触をつかんだ。

 続く2戦目は7・23大田区大会のザック戦。「このリーグでザックこそが一番デンジャラスだとわかっている。間違いなく世界一のテクニカルレスラーだ」と一目を置いたヘナーレだが、「そんなザックの首を俺がアルティマで破壊したら? 最後はレフェリーストップか?」と不敵な笑みとともに勝利の姿を描いた。棚橋から値千金の勝利をもぎ取ったヘナーレがこの勢いのまま優勝まで突き進むか?

【ヘナーレの話】「お前らファン、これでわかったか? どうだ見たか!? 今朝起きて、30対1の確率で俺が負けるって予想を見た。でもどうだ!? 家でSNSにへばりついて、Twitterで女の子をストーキングしてるお前らオタクども見たか!? お前らなんかこの“BASED BOY"アーロン・ヘナーレからしたら屁でもない! G1デビュー戦で“ビッグ・BASED・勝利"を上げた! いまごろタナハシは(トレーナーの)スガノに膝にアイスパックを当ててもらってるだろうな。そして、ホンタイのヤツらは『大丈夫?』なんて聞いてコビを売ってるに違いない。でもタナの心の底では『ヘナーレを信じてやれば変わってたのかもしれない』って後悔してるはずだ。だが、もう手遅れだ。俺は今、UNITED EMPIREのメンバーだ。(UNITED EMPIREに)入った当初から俺はホンタイ・センパイを1人残らず狩って壊してやると心に決めていた。そして、今日でそのミッションは遂行された。いい流れで次に進める! これまで1度もザックをけなすようなことは言ったことはない。なぜなら俺はこのリーグでザックこそが一番デンジャラスだとわかっているからだ。最近、絶好調で結果も残しているし、彼はイギリス、日本、アメリカだけに留まらない、間違いなく世界一のテクニカル・レスラーだ! だが、そんなザックの首を俺がアルティマで破壊したら!? 最後はレフェリーストップか!? ワハハハハ…!」

【棚橋の話】「あぁ…!(とコメントスペースで仰向けになり)マジか…! 悔しいな……クッソ…。(上体を起こして床に座り込み)いきなりのマイナススタート。G1は何回出ても緊張するし、こういうことも起こるし。ただ…一番長くG1出てるから。今日、負けた…けど、必ずCブロック突破して、G1優勝して。初戦で負けて、一番最後の試合で勝つ。一番カッコいいの、(立ち上がりながら)やってやりますよ」