『ニコプロpresentsハードヒットEXTRA「俺たちの50/50』東京・新宿FACE(2022年7月25日)
△伊藤崇文vsKEI山宮△

 “50歳記念試合"は熱戦ドロー。伊藤の再戦要求を山宮が受諾した。

 パンクラス生え抜き第1号の伊藤、元ライトヘビー級キング・オブ・パンクラシストの山宮は今年、ともに50歳となった。それを記念した両者の一騎打ちがこの日のメインに組まれた。

 パンクラス黎明期のリングアナだった宮田充氏が両者をコールして試合開始となった。山宮がフロントネックロックでエスケープを奪って先制すれば、伊藤も腕ひしぎ逆十字固めでエスケープに追い込んで譲らず。掌底を激しく打ち合うと、山宮がアキレス腱固め。伊藤がアンクルホールドを狙い合った。

 ともに極まらず両者は再び掌底の打ち合いで火花。伊藤のタックルを潰した山宮が後転からのフロントネックロック、胴締めスリーパーを狙う。阻止した伊藤はアキレス腱固めを狙ったものの極められず。残り1分をきって掌底を打ち合ったものの時間切れとなった。

 残りポイント4-4で50歳対決はドローに終わった。握手、座礼で健闘を称え合った両者。光留を筆頭に出場選手も加わって集合写真に納まると、マイクを持った伊藤が「今年の6月21日で50歳になりました。まぁ毎年1年ずつ平等に増えていくものなんで、今さら何って言われても正直何もないんですよ。でも『おめでとう』って言ってもらえることはいつまで経っても嬉しいんで、もう1回だけお願いします」とアピール。観客から祝福されると、「パンクラスのときから山宮に1回も勝ったことなくて、今日50歳になったら勝てると思ったけど、全然1回も勝てずのままなんで。60歳か70歳か知らんけど、もう1回やってみようかなって思うから…まあまあ、いい返事くれると思うで!」と再戦を要求した。

 すると山宮は「佐藤光留! まずはこのような機会は本当にありがとう! 感謝します!」と謝意を示したうえで、「50歳、おめでとうございます! 自分は先に32を過ぎたら、もう40も50も60も100でも一緒だと思っているので、数字は関係ないです! だからもう何回でもやりましょう!」と受けて立った。光留から「もう1回でいいんですか?」と問われた伊藤は「俺が勝ったらそれでいいよ」と対山宮初勝利へのこだわりをむき出し。山宮から「あんまり50のおっさんがしゃべっててもアレなんで、最後1、2、3、ダーで締めて」と振られた伊藤が「いくぞー! 1、2、3、ダー!」の叫びで締めた。


【大会終了後の光留】
――まずは大会の総括を。

▼光留「よかったですね! 僕が2000年にデビューして、伊藤さんと山宮さんは1990年代デビューで。あの頃ってリングに上がるのって、プロレスラーになるかボクシングやるかしかなかったんですよ。今みたいに仕事しながら、ちょっとずつアマチュアで勝ってっていうんじゃなくて、もういきなり入門して…(いわゆる)プロレスラーよりも過酷な部分もあったと思うんで、パンクラスだったから。無差別級で。そういう世界もあった中で、50歳までやった二人をお祝いしたいなと。おめでとうじゃなくて、やっぱり試合で…と思ったんですけど、本人たち60、70までやるって言ってるんで、ちょっとやらざるを得ないなと思いましたね(苦笑)」

――山宮選手から「こういう機会をつくってくれてありがとう」という言葉がありましたが、ハードヒットを続けてきてこういう場がつくれたことは主催者冥利な部分もあるんじゃないですか。

▼光留「そうですね。元々ハードヒットって、ただUWFの興行が出来ればいいっていうんじゃなくて、今って悪い言い方をすれば選手もフェードアウトしていってしまうんですよ。一緒にやってきた選手も、時代を築いた選手もフェードアウトしていってしまう。でもプロレス・格闘技っていうところの垣根が、みんなが思っている以上に我々の中ではないんですよね。『プロレスっていうのは格闘技なんだ』って言う人もいるから、そういうリングに残していけたっていうのは、ひとつの自分の…なんて言うんですかね。もうちょっとみんなから褒めてもらってもいいと思うんで。全然何も言われねえから! ただUWFスタイル…Uスタイルっていうのをただやるだけじゃないし、なぜそれをやるかっていう意義もあれば…本当にないのはお金だけですから」

――門馬選手にJEEEPとか川崎大会とか公開オファーして、本人も「行ってやる」と言ってましたが。

▼光留「まだ…門馬さん、電流爆破はやったことがあるんですよ。電流爆破って言ったら、周りの人も『ああ?』って言うと思うんですけど、JEEEPって言われてもたぶん通じないと思うんですよね。より深い部分に誘おうと思ってたら、まさかの長渕剛の『JEEP』の曲を引用してくると思わなかったんで。お客、置き去りでしたからね。素質あるなって思いました!」

――今日は普段のハードヒットと違うとはいえ、前口選手が鳥羽選手をKOしたり…。

▼光留「あの試合もよかったですね」

――石川選手もすごい…。

▼光留「ミノリータ選手もよかったですね! とってもよかったです」

――これからのハードヒットでも活躍してくれそうな選手も出てきた感じがしたが。

▼光留「キッカケなんか本当にどこにでも転がってるし。正直、WINDYさんの試合とか、もっと見たいと思ったし。ミノリータ選手って小柄じゃないですか。今日は石川さんでしたけど、小柄な選手同士のハードヒットだったらどうだったんだろうとか思うところもあるので。そうすると、うちにも椎葉おうじっていうプリンスがいるんでね。(ミノリータvs椎葉を)見たいなっていうのもあるんでね。いろいろ夢は膨らんでくるなって感じですね」

――次はいよいよ8月21日の富士通スタジアム川崎ですが。

▼光留「まあハードヒットは1試合だけですから(笑)。妙な才能で、JEEEPとかのほうが需要が出てくるっていう…。でもまだまだ『格闘技とプロレスって別のもんじゃん! プロレスってお客さんが楽しめばいいんでしょ? 楽しむってエンターテインメントでしょ? 俺たち笑かせて! 楽しませて!』っていう時代に、なんでこのスタイルが生き残っているかっていうのは、ちょっと意味のあるものにしていきたいなっていうのがあるので。まぁでも最後、1、2、3、ダーやるとは思わなかったから! さすが伊藤崇文って思いましたけどね」