『G1 CLIMAX 32』広島サンプラザホール(2022年8月10日)
Cブロック公式戦 ○後藤洋央紀vs棚橋弘至×

 後藤が逆転Vに向けて執念の棚橋撃破。メインで激勝した荒武者は、頂点獲りを願う長男にリング上から「お父さんは本当は強いんだ! 最後の最後まで生きて生きて生きまくるぞ!」とメッセージを送った。

 3連勝を果たした棚橋はCブロック首位タイ。2勝2敗の後藤が望みをつなぐためには勝つしかない苦しいシチュエーションだった。後藤は今年6月の大阪城ホール大会で棚橋に敗戦。過去のG1での対戦成績も1勝4敗と後藤不利は否めない。それでも「棚橋の光を奪い取る」と予告していた荒武者が広島2連戦・2日目のメインで大仕事をやってのけた。

 棚橋は左ヒザ攻めで先制。教科書通りの一点集中攻撃で優勢に試合を進める。後藤が必死に反撃しても、棚橋はリバーススリングブレイドで鎮圧。グラウンドドラゴンスクリューを連発し、テキサスクローバーホールドに持ち込んだ。

 しかし、後藤は必死にロープへエスケープ。雪崩式回天は未遂に終わり、雪崩式ブレーンバスターの餌食になるが、即座に昇龍結界で絡みついて意地を見せる。牛殺しも完璧に決まり、ようやく流れに乗った。

 棚橋も非情な攻めで応戦する。打撃戦になると、強烈なビンタを一閃。後藤は口から出血した。棚橋はアクシデントか、狙い通りかは不明だが、ふらついたまま倒れて後藤の急所に一撃。動きの鈍った荒武者にスリングブレイドを決めると、ハイフライフローアタックから正調ハイフライフローにつなげる必勝パターンで勝負に出た。

 後藤は間一髪で回避して自爆を誘うと、口を血で赤く染めながらも奥の手・後藤参式で丸め込むが、棚橋はギリギリで肩を上げる。ならばと棚橋の両足をコーナーに引っかけ、「せーの!」と叫んで“ひとり消灯"を繰り出した。粘る棚橋は牛殺しを首固めで切り返すと、クラッチを離さずにツイスト&シャウトを連発したものの、後藤もクラッチを解かずに昇天・改をズバリ。最後は鬼の形相を浮かべながらGTRでダメ押しし、棚橋から3カウントをもぎ取った。

 血染めの後藤が逸材狩り。逆転勝利で戦績を3勝2敗とし、14年ぶりのG1制覇に望みをつないだ。後藤はマイクを持つと「G1 CLIMAX、残る公式戦はあと1戦。かろうじて俺もまだ生きてます! 次もしっかり勝って、この暗闇の中に希望の光を灯したいと思います」と力強く予告した。

 シングル戦線ではベルトから遠ざかっているが、後藤には負けられない理由がある。それは小学3年生になった愛する長男の存在だ。今年の七夕、息子は短冊に「パパがせかいヘビーきゅうチャンピオンとAEWの所のタッグチャンピオンとIWGPタッグチャンピオンをとれますように」としたためていた。後藤はその気持ちに応えたかった。

 リング上で後藤は「最後に自宅でワールドを見ている息子にひとこと言わせてください」と熱くメッセージ。「お父さんは本当は強いんだ! 最後の最後まで生きて生きて生きまくるぞ!」と絶叫して広島大会を締めくくった。

 後藤の最終公式戦は8・16武道館大会でのEVIL戦。IWGPタッグ王座やNEVER6人タッグ王座を巡り抗争を繰り広げてきた暗黒の王と対戦する。「見ての通り、ダメージはデカいよ。でも、それ以上に大きな光を手に入れた。最後の公式戦はEVIL。なにがダークネス・ワールドだって。俺の光で照らしてやるよ」と逸材から奪い取った“光"でEVIL撃破を誓った後藤。「最後にリングでG1のGは何かを言うのが楽しみだ」と封印した「G1のGは後藤のG」宣言解禁まで予告した。

【後藤の話】「見ての通り、ダメージはデカいよ。でも、それ以上に大きな光を手に入れた。最後の公式戦はEVIL。なにがダークネス・ワールドだって。俺の光で照らしてやるよ。最後にリングでG1のGは何かを言うのが楽しみだ」