『バーニング・スピリット』兵庫・ワールド記念ホール(2022年9月25日)
IWGP USヘビー級選手権試合 ○ウィル・オスプレイvsデビッド・フィンレー×

 オスプレイが大激闘の末、フィンレーに雪辱を遂げ、US王座2度目の防衛に成功。試合後、内藤哲也とザック・セイバーJr.が挑戦を表明し、両者による次期挑戦者決定戦が浮上した。

 G1初出場を果たしたフィンレーは上位食いを連発し、飛躍の足がかりを作った。中でも光るのがUS王者・オスプレイからの勝利で、この日のベルト挑戦を決めた。新日マットでのシングル王座初戴冠を狙うフィンレーは前日会見でオスプレイにパイプ椅子を投げつける暴挙で王者を大の字にしていた。

 開始と同時に両者は感情むき出しのエルボー合戦で火花。スピーディーな読み合いからフィンレーがドロップキック、ラリアット、プランチャの波状攻撃で先手を取ってみせた。オスプレイは前夜のお返しとばかりに本部席のテーブルを投げつけて反撃。テーブル2台をリングサイドにセットし、その上にパワーボムを仕掛けたが、フィンレーが未遂に終わらせた。

 ここからオスプレイが徹底した腹部攻めに出たが、しのいだフィンレーは串刺し、ダイビングとエルボースマッシュを連打。高速ブレーンバスター、ヒザ蹴り連打と攻勢を続けた。オスプレイが反撃に出ても、旋回式バックドロップで叩きつけて譲らない。ならばとオスプレイはエプロンへのパワーボム、コーナー最上段からのキリモミ式プランチャを敢行。すかさずテーブルを利しての攻撃を狙ったが、フィンレーはシレイリでオスプレイの左手を殴打した。

 すかさずフィンレーは徹底した指攻めを展開。指を決めての脇固めで絞め上げた。耐えたオスプレイはセコンドのギデオン・グレイによって左指をテーピングで固定されると、悲鳴を上げながらもピッピーチェリオを放った。が、不発に終わらせたフィンレーはエプロンでのハーフネルソンスープレックスを敢行。断崖式ACID DROPで場外のテーブル上にオスプレイを叩き落とし、パワーボムでテーブルクラッシュ。場内が大きくどよめいた。

 オスプレイがリングアウト寸前にかろうじて生還すると、フィンレーはスピアー、ACID DROPで一気呵成。首切りポーズを見せると、オスプレイが力なくエルボーで反撃してもエルボー一発で返り討ち。エルボースマッシュを打ち込む。雄たけびを上げたオスプレイもこん身のエルボーで対抗するものの、フィンレーはエルボースマッシュを連発し、改めてトラッシュパンダを仕掛けた。

 これはオスプレイが首固めで切り返し、逆さ押さえ込み、腕を固めてのエビ固めと丸め込みを連発していく。トラースキックを打ち込んだが、オスカッターを阻止したフィンレーはPrima Noctaをさく裂。引かないオスプレイもその場飛びスパニッシュフライで応戦したが、フィンレーはヒドゥンブレイドを回避してトラッシュパンダを爆発させた。

 だが、ニアロープで3カウントは奪えず。2発目のトラッシュパンダを不時着したオスプレイがヒドゥンブレイドを後頭部にフルスイングした。ダブルダウンから起き上がった両者は頭突きを打ち合う原始的な攻防で意地を張り合う。エルボー合戦、ラリアット合戦に発展し、オスプレイがサイレントウィスパーをさく裂。パワーボムはフィンレーがフランケンシュタイナーで切り返し、オスカッターもPrima Noctaで撃墜してニアフォールに追い込んだ。ACID DROPはオスプレイが不発に終わらせ、スーパーオスカッターをさく裂。ペディグリー、ヒドゥンブレイドとたたみかけると、ストームブレイカーを爆発させてようやく3カウントを奪った。

 オスプレイがフィンレーとの大激闘を制してUS王座2度目の防衛に成功。試合後、内藤が不敵な笑みとともに花道から現れた。両者はG1準決勝で対決し、オスプレイが勝利している。マイクを持った内藤は「オスプレイ、コングラチュレーション」と拍手とともに祝福。「俺がここにいるということは、つまり…ワン・モア・タイム。内藤vsオスプレイ。どうですか? オスプレイさん」と挑発的な口調で再戦を要求した。

 「ユア・アンサー・イズ・イエス・オア・ノー!」と内藤が返答を迫ると、待ったをかけるように今度はザックがやってきた。「オイ、オイ、オイ、チョットマッテ。内藤、お前がUS王座に挑戦するって? ナゼ? キョウカッテナイネ。俺はお前をG1で破っている。俺が次のチャレンジャーだ」と主張。「ナイトー、アイデアアル。ライシュー、イギリスタイカイ。ナイトーvsザック。勝者が次の挑戦者だ。ドウデスカ?」 と提案した。

 無視した内藤は「アミーゴ、またね」とスペイン語でオスプレイに言い放って花道を下がっていく。ザックが追いかけると、リングに残ったオスプレイは「あいつら俺に挑戦したいって? 内藤かザック、どっちでも構わない。オスプレイ・イズ・ベスト・チャンピオン」と豪語した。

 ザックが舞台に指定したロンドン大会は10月1日&2日の2連戦で開催される。内藤とザックはG1公式戦で対決し、内藤が118秒殺勝利。雪辱を誓うザックの地元でUS王座への挑戦権をかけた再戦が決定的となった。


【オスプレイの話】「なぜ俺が世界最高なのかわかるか? NJPW、WARRIOR WRESTLING、REV PRO、NJPW STRONG、AEW…あらゆる団体のリングで俺は誰よりも素晴らしいパフォーマンスを残している! 俺のレベルを超えられる人間はいない! でも今夜、俺のレベルにマッチした人間が一人いた! デビッド・フィンレー! ブラーブ! マイ・ゴッド、とんでもないパフォーマンスだった! あの野郎に失神される寸前だった! 指が壊れてるかもしれない。診てもらった方がいいかもな。クソッ。毎回言ってるが、俺たちのチーム、UNITED EMPIREは最高だ。今、オージー・オープンがアメリカのSTRONG無差別級タッグチャンピオンで、ロンドンで(AEWの)FTRと闘う。ジェフ・コブ、アーロン・ヘナーレ、グレート-O-カーンは身を削って頑張ってくれている。それに俺たちには素晴らしいベテランであるTJPに、大金持ちのギデオン・グレイ、未来のスター、フランシスコ・アキラがいる。そんなユニットのトップに立って率いているのはBIG BILLY BOLLxCKS! BILLY GOATだ! みんな心配しなくていい。俺に全て任せてくれればいい。俺が世界最高の理由なら他にもある! 俺は休まない! 休まなくても常にコンディションをキープしてる。この指だってテーピングを巻けば大丈夫だ。ロンドン大会でシングルマッチを要求する。相手は誰でもいい。『ROYAL QUEST II』だ。地元の俺にとって楽しい試合になるぞ! イギリスのみんな、ニュージャパンに俺がどれだけのスターなのかわからせてくれ。もうすぐ世界は俺がトップのニュージャパンを目撃することになるんだ。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドに続いて、ニュージャパンを南アフリカにも進出させるよ! ホホジロザメを生で見たいな。サメってカッコいいよなぁ! ナイトーでもザック・セイバーJr.でもどっちでもいいが、このベルトを象徴するのはアメリカ国旗ではなくて“ハードワーク"だ。ボーイズ、素晴らしい勝負をしてくれよ。挑戦を待ってるぞ。さて、これからは俺はどうすると思う? トーキョーに帰るんだ! ニュージャパンのファン、UNITED EMPIREの応援本当にありがとう。君たちはハイレベルのプロレスってものが何かよくわかっているよ。俺たちは未来だ。じゃあまたな、バカども!」

【フィンレーの話】「(崩れ落ちてフロアにあおむけになり、右手の親指と人差し指の間を数ミリほど放して突き出しながら)もう少しだったのに。もう少し。すごく惜しかった。俺が言えるのは今、絶望的な気分だってことだけだ。(上半身を起こしフロアに座り込んで)すごく惜しかった。俺のキャリアのテーマは常に“あと一歩"な気がする。これは地獄のようにつらいことだ。USチャンピオンまであと一歩だった。あぁ、すごく惜しかった。おめでとう、ウィル。とても良いファイトだったよ。俺は自分の持っているすべてをお前にぶつけた。USチャンピオンになるためなら俺は1000回でも挑戦する。いつの日か、俺が腰か肩にベルトをかかげてアリーナを後にする。残念ながら今日はその日ではなかったってことだな。だけど、この言葉は言い飽きたが、常に次がある。良い試合だったよ、ウィル。こんなことは言いたくないが、お前は最高のチャンピオンだ。いつか、デビッド・フィンレーのマイクで客を見送る日が来る。デビッド・フィンレーがベルトを高く掲げてな。そんな日が必ず来る」

【内藤の話】「この行動が果たして(1・4)東京ドームのメインイベントに続くかどうか。おそらく答えは“NO"でしょう。“NO"だと思うよ。でも、だからといって、じっとしてるわけにはいかないよ。じっとしてたらそれこそGAME OVERだからね。それにしてもザック・セイバーJr.はいちいちいちいちうるさいなぁ。俺、英語よくわかんないからさ、何言ってるか、あんまり理解できなかったけど、ザック・セイバーJr.を倒したうえで、ウィル・オスプレイを倒す。なかなか面白そうだね。カブロン!!」

【ザックの話】「(オスプレイがコメントを出し終わって引き揚げた頃合いを見計らってやって来て、まだテーブルに残されていた缶ビールの栓を開けて)オツカレ! 3週間見続けてきたナイトーの不細工な顔ともこれでおさらばだ! このシリーズ中にはプランは何もなかったけど、今日、降って沸いたように俺の元に浮かんできたよ。俺の元々のプランはIWGP USヘビー級のベルトを『ROYAL QUEST II』で獲ることだった。でも、それは実現しなかった。だけど、これで少なくとも俺はイギリスに帰って、あのナイトーの顔面を破壊してやれるよ! 試合のあとは真っ直ぐパブに行くよ。最高のプランだ。最高だ。ナイトーの顔面を破壊して、IWGP US ヘビー級王座の挑戦権利を獲得するんだ。でもどうせなら俺がウィル・オスプレイとアメリカでUSベルトを懸けて闘った方が理にかなってると思うけどな。俺はこの3年間、ずっと日本で生活してきた。日本はもう俺のホームだよ。だけど、また海外を飛び回る生活が戻ってきた。ビリー・ボーイ、WILLIAM THE WANKERER…あのバカは世界中を飛び回ってベルトを収集する気でいるのか? まさか。俺のパスポートはもうバックパックの中に入っていて準備もバッチリだ。USベルトを持ってのZSJ世界ツアーが今、始まろうとしてるぞ。バイバーイ」