<横浜のココがキニナル!>

有隣堂 月間BOOKランキング2017(平成29)年6月

<調査結果>





横浜が誇る書店「有隣堂」の強力バックアップでお届けする「有隣堂 月間BOOKランキング」

有隣堂全店の月間ランキングをジャンル別にご紹介!はまれぽライターが、はまれぽならではの横浜にまつわる本をいろいろな切り口でご紹介します。


今月は『君の膵臓をたべたい』がランクイン。各カテゴリをクリックすると有隣堂サイトでランキング詳細を見ることができます。


4ジャンルの中から、キニナル本をクリック!



総合:

『体幹リセットダイエット』佐久間健一(サンマーク出版)

ビジネス:

『多動力』堀江貴文(幻冬社)

文庫:

『君の膵臓をたべたい』住野よる(双葉社)

コミック:

『HUNTER X HUNTER(34)』冨樫義博(c)POT(集英社)




「競技クイズの部活を題材にした漫画です。運動部とは一味違う、熱い作品です」
(コミック王国 細野さん)


『ナナマル サンバツ(1)』
杉基 イクラ
KADOKAWA(560円+税)


「災害や戦争で廃墟となった場所やちょっと変わった建造物など、思わず『こんな所があったのか』と思ってしまう場所を紹介した1冊です」
(本店 齋藤さん)


『世界の果てのありえない場所 本当に行ける幻想エリアマップ』
トラビス・エルボラフアラン・ホースフィールド著小野 智子 訳
日経ナショナルジオグラフィック(2600円+税)


「開店と同時にビジネスマンがご購入。リアルな企業ドキュメンタリーとして私は読みました」
(本店 志村さん)


『あの会社はこうして潰れた』
帝国データバンク情報部藤森徹
日本経済新聞出版社(850円+税)



筆者がはまれぽならではの横浜にまつわる本をいろいろな切り口でご紹介します。


『横浜駅SF』
著者:柞刈湯葉イラスト:田中達之
KADOKAWA(1200円+税)

横浜と創作というテーマは、きっと相性がよい。

たとえばゾンビがあふれた日本で、生存者がワールドポーターズで籠城するとしたら何をすべきか、といった筆者の妄想は日々はかどっている。横浜のランドマークが特徴あるものが多いために、妄想がちになっているのであろうか。

今回紹介する本はその名もズバリ『横浜駅SF』という、SF×横浜をテーマにした小説だ。

同作はインターネットで話題になったことと、有隣堂でも平積みになっているので目にしたことのある方も多いだろう。



横浜駅×SFというケミストリー



『横浜駅SF』は、永遠に終わらない横浜駅の拡張工事をネタに書かれた、自己増殖を続けた横浜駅が本州を覆った未来の物語だ。

作中で「Suika(「Suica」ではない)」を体内に持たない人間は、「自動改札」に阻まれて横浜駅内部である「エキナカ」に入ることができない。横浜駅外の荒廃した世界で育った、「Suika」を持たない主人公が「18きっぷ」を手にいれ、広大な横浜駅に旅立つところから物語は始まる。


あの横浜駅が、とうとう日本を飲み込むとはね〜。

なぜ本州は横浜駅に覆われてしまったのか?本州以外の地域はなぜ横浜駅に飲み込まれていないのか?主人公の旅を通して深まる謎を追ううちに、読者自身も横浜駅に飲み込まれていく。

基本的にシリアスな世界でありながら、作中の名古屋の意外なポジションにずっこけてしまったりと、横浜出身者以外もキニナル設定てんこもりだ。

横浜駅で工事によって通れない場所ができた時に、「ゲームみたいな進行不能エリアができたな」とニヤリとしてしまう方、『BLAME!(漫画)』や『BAROQUE(ゲーム)』のような奇妙で退廃的な世界に魅力を感じる方に『横浜駅SF』はおすすめの作品だ。

ちなみに8月には『横浜駅SF 全国版』が発売予定だ。全国版ということは、『横浜駅SF』で細かく説明されていなかったあの県やこの県が舞台になるのかも…


建物が生えてくる世界ってロマンですよね(筆者画)

『横浜駅SF』によって横浜とSFというテーマの親和性の高さが証明された。

SF世界に限らず、桜木町ぴおシティの地下に広大なダンジョンが発見され、横浜市が捜索隊を多数派遣するものの帰ってくるものはおらず、ダンジョンの踏破をめざす者が集結してぴおシティはいつしか冒険者の街になる・・・という横浜×ファンタジー設定もアリではないか。

やはり横浜妄想ネタには多くの可能性がある。間違いない。

(ミズグチマイ)

取材協力:有隣堂伊勢佐木町本店