2020年の京都はいつもと違う景色が広がっている。ついついあれこれとお目当てを「回って」しまいたくなるが、今は少し俯瞰して京都を楽しむのはどうだろうか。この秋はゆっくりと京都を感じてみませんか。今回は、嵐山を代表する景色と珠玉の日本美術コレクションを堪能できる、嵐山の新名所〈福田美術館〉をご紹介します。8月28日(金)発売のHanako「しずかな、京都。」よりお届け。

嵐山を代表する景色と珠玉の日本美術コレクション。

緑と水を感じながらくつろげるカフェスペース。深いひさしがガラスの反射を抑え、外の景色を美しく映し出す。家具と床には無垢材を使用。

嵐山に美術館ができたと聞いて行ってみると、渡月橋下を流れる大堰川沿いの一等地にあった。ガラスの壁からは有名な風景を眺めることができ、嵐山にまだこんな場所があったのかと誰もが驚くほど。オーナーは京都に生まれ育ち、京都で起業した福田吉孝氏。「京都に恩返しがしたい」という思いから美術館設立を決意したという。約1500点にも及ぶコレクションは「美術に詳しくない人が見ても、感動を与えられるような」作品をコンセプじゃくトに年かけて集められた。

伊藤若冲、竹内栖鳳ら京都画壇を中心に、有名作家の傑作がそろっている。なかには隠れた逸品もあり、公開される日を待ちわびているようだ。こうした大切な作品を守る意味を込めて、展示室は「蔵」をイメージしてデザインされた。来館者は「通路=縁側」を通りながらつの展示室を回遊し、最後にカフェに辿り着き、鑑賞の余韻を味わう。入り口から出口まで作品と自然に囲まれて、浄化されるような心地よい時間を過ごせるだろう。

歴史的な名作を間近で鑑賞。

琳派や横山大観、竹久夢二らの作品を、至近距離で鑑賞できるのがこの美術館の特徴。展示室のガラスケースは、世界最高峰の技術で透明度が高く仕上がっており、さらに作品との距離を約30cmまで縮められるよう設計されている。

かわいくて使えるグッズが充実。

展覧会が開催されるたびに増えていくオリジナルグッズ。バリエーション豊富で思わず欲しくなる。右から、竹久夢二のトートバッグ1,200円、てらおかなつみのポストカード各150円、付箋500円、伊藤若冲の八ツ橋(12枚入り)600円。

焼きたてパンをお供にひと休み。

来館者だけが楽しめるベーカリーカフェ〈パンとエスプレッソと福田美術館〉を併設。近くにある工房から直送された作りたてのパンに、サバや九条ネギなど季節の食材を挟んだパニーニはドリンク付きのセットで1,200円。

〈福田美術館〉

1展示室につき50名の入場制限(事前予約制、当日券あり)を行っている。また、入館にはマスク着用が必須となっている。10/11まで「大観と春草ー東京画壇上洛ー」展を開催中。
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
075-863-0606
10:00〜17:00(最終入館16:30)火休(祝の場合は翌休)、展示替えに伴う休館あり

(Hanako1188号掲載/photo:Norio Kidera text:Mako Yamato, Ai Kiyabu)