モデル・本山順子が神社仏閣、教会や寺院を国内外問わずご紹介する本連載。第58回目は京都市大原に街詣で。京都市街地からバスを乗り継ぎ1時間、15分ほど新緑の美しい山道を登ったところに、静かに佇む〈三千院〉が見えてまいります。雨水に濡れ輝く苔の絨毯に差し込む木漏れ日が非日常の空間へ誘います。それでは早速!詣でましょ〜う!

ちょっとしたハイキングののち、目に飛び込んできたのはまるで城壁のような石垣。それもそのはず、こちらの石垣は築城で名高い安土桃山時代に活躍した石垣職人である”穴太衆”が築いたものなのだそう。重厚感のある御殿門をくぐり受付を済ませ大玄関へと進みます。

客殿へ入り中書院を回ると、宸殿から庭園に抜けるのですが、目の前には池泉回遊式庭園である「有清園」が広がります。ここは極楽浄土かと見まごうような静かで穏やかな空気が庭園を包み込み、そっと心が解きほぐされていくのがわかります。

「有清園」の先には、〈三千院〉の歴史の源ともいえる本堂「往生極楽院」が見えてきます。簡素な御堂ながら、もう〜ただならぬ空気を醸し出されておられるんです…!

国宝「阿弥陀三尊像」の金色のお姿にただただ圧倒されつつ、手を合わせると、不思議と気持ちがシン…と静まるような慈悲深さを湛えていらっしゃいます。現在、肉眼ではなかなか見ることが難しいのですが、当時の堂内の天井には極楽浄土に舞う天女や菩薩様の姿が極彩色で描かれていたそうで、いかにこのお堂が大切にされていたのかが見てとれます。天井画は復元されてものを展示室で拝見することができますよ〜!こちらも必見です。

「阿弥陀三尊像」にあまりに圧倒され余韻に浸りたくなり、一度「客殿」まで戻り、ゆるりとお茶をさせていただくことに。なんと、こちらの客殿は豊臣秀吉によって京都旧御所の旧材を用いて造られたのだそう。そんな贅沢な空間でいただくお抹茶はまさに別格です!

客殿の縁側の前には聚碧園が広がり、燦々と降り注ぐ日差しによって深くなった葉っぱの影が緑の眩しさをより一層引き立てて、まるで仙境でも眺めているかのような美しさ。時間さえも奥ゆかしく過ぎていきいます。

再び「有清園」へ戻り庭園を眺めていると…おやおや?「わらべ地蔵」さんたちがチャーミングな表情でこちらへ微笑みかけていらっしゃるではないですか!苔の絨毯に寝っ転がったり、日向ぼっこされている可愛らしい姿に、思わずほっこり心が和みます。

今回ご紹介させていただいたのは、〈三千院〉の境内の半分程。有清園の先には「あじさい苑」「金色不動明堂」「観音堂」へと、道はまだまだ続きます。また、秋の〈三千院〉は紅葉の名所でもあります。喧騒から離れ思い切り心身を癒しに”しずかな、京都”へ足を運んでみてはいかがでしょうか?それではみなさまも良い参拝を〜!