SDGsを実践するもっとも身近な方法のひとつが食。実際にレストランで実践しているシェフの工夫とアイデアが新しい美食の価値観を生んでいる。そこで今回は今注目の最新サステナブル・レストランをご紹介します。

1.〈Sincere BLUE〉サステナブルシーフードが主役の気軽で楽しいビュッフェ。

〈Sincere BLUE〉石井シェフのスペシャリテ“スズキの鯛焼き”はフランスの古典料理、ルーアンクルートがベースに。FIP(漁業改善プロジェクト)への思いが込められている。/お茶目な鯛焼きにシェフの思いと創意が満載!

北参道のレストラン〈Sincere〉の石井真介シェフが新たに手がけるのは、カジュアルにサステナブルシーフードを味わえる〈Sincere BLUE〉。認証付き魚介類や、食用として市場に出回りにくいオアカムロや沖アジなど、未利用魚を使った料理をビュッフェ(大人4,900円・2時間制。土日のみ入店可な未就学児は無料)で楽しめる。好きなだけ選ぶことができる12種前後の前菜やメインで登場するスズキの鯛焼きは、テーブルでサーブされ、各自にトングも用意。安心して、おいしく楽しい魚料理を堪能したい。

店は〈JINGUMAE COMICHI〉内に。
石井真介さん(右)と新たに〈Sincere BLUE〉の料理長を任された吉原誠人さん。

〈Sincere BLUE0(シンシア ブルー)〉
東京都渋谷区神宮前1-23-26 2F
03-6434-0703
11:30〜14:00(平日はビジネスランチ950円〜)、17:00〜23:00 月休
16席/禁煙

2.〈Maruta〉ローカルファーストを通して食の“尊さ”を体感。

自家農園で採れたハーブもふんだんに!

滋味深いコンソメスープは親鳥のだしと深大寺の水のみを使い、グリーンカレー(1,500円)には、協生農法を目指したハーブ園で採れるニガヨモギや夏みかんの葉をスパイスとして加えるなどローカルファーストへの思いはオープン以来どんどん高まっている。石松一樹シェフは、オーストラリアの〈Brae〉で働いたこともあり、地産地消やオーガニックに軸足を置いた料理が自身のベースにある。「レストランは食を楽しむことが第一にあるべき」という考えのもと、サステナブルかつ純粋なおいしさの料理でゲストの心を掴む。

薪焼き料理は石松シェフが担当。
店に隣接した庭園ではハーブを栽培。料理に欠かせない存在。

〈Maruta〉
東京都調布市深大寺北町1-20-1
042-444-3511
12:00〜日没(事前に確認の電話を。12:00に入店の場合のみ10,000円のコースも提供可)月火休
28席/禁煙

3.〈Noeud.TOKYO〉日本ノハム協会認定の“安全な食”を堪能。

盛りつけも大地の恵みと力強さを意識
QRコードからメニューを読み取るシステムを採用。

仏語で“つながる”を意味する店名通り、日本全国の生産者との信頼関係のもとに届けられる食材を余すことなく使うのが〈Noeud.TOKYO〉のコンセプトのひとつ。おまかせコース(13,000円)に登場する野菜は無農薬、肉も山で平飼いされている鴨など、極力、自然と体思いの素材を吟味している。手塩にかけて育てられた農作物を無駄にしないように、端材はパウダーやソースとして活用。“土に始まる食の円環”をテーマとした空間で、ガストロノミーとサステナブルが融合した料理をゆっくりと堪能したい。

シェフはフランスで修業経験も。
二次加工せず温もりを生かした杉の木のカウンター。

〈Noeud.TOKYO(ヌー.トウキョー)〉
東京都千代田区平河町2-5-7ヒルクレスト平河町 B1
03-6910-0233
17:00〜22:00 日月休
10席/禁煙

東京のレストランシーンがサステナブルに進化。

フードロス問題やオーガニック食品への関心が高まるなか、持続可能な食への取り組みが、レストランのシェフのあいだで活発化している。海の未来を考える料理人が集まり、水産資源問題の改善を目指す「シェフス・フォー・ザ・ブルー」の発起人で、北参道のレストラン〈Sincere〉のシェフでもある石井真介さんは、この9月にサステナブルシーフードを主役にした〈Sincere BLUE〉をオープン。市場に出回ることなく、廃棄されてしまうことも少なくない未利用魚を使った料理をビュッフェ形式で提供し、話題を集めている。「原宿という発信力の高い場所で、若い世代にサステナブルフードに興味を持ってもらえる〝入口〞になれたら」と石井さんは話す。

ダイニングに薪窯を備えた調布の一軒屋レストラン〈Maruta〉は、オープン時からローカルファーストを実践している。そして、リサイクル資源を活用したモダンな空間で料理を堪能できる〈Noeud.TOKYO〉。シェフの中塚直人さんと秋田絢也さんは、地方を巡りながら食材の生育環境に向き合い、生産者の思いを生かした料理で食好きを魅了している。地球の未来のために、サステナブルな食と真剣に取り組むレストランが今後、ますます増える予感だ。

(Hanako1190号掲載/photo : Shinnosuke Yoshimori, Jun Hasegawa, Yoichiro Kikuchi text : Keiko Kodera, Ayumi Shirasaka edit : Kana Umehara)