東京のコーヒーシーンを牽引する人気店東京・両国にある〈Single O Japan〉が、実際に店で採用している抽出レシピを大公開。豆の持ち味を最大限に引き出す淹れ方を覚えれば、香りや味わいは劇的に変わる!4月28日(水)発売 Hanako1196号「自分を高める、学びの教科書。」よりお届け。

まずは基本の道具をそろえよう

1.ドリッパー
2.サーバー
3.グースネックケトル
4.ペーパーフィルター
5.ミル
6.スケール&タイマー

1.ドリッパー
らせん状の筋(=リブ)がついている円錐型のタイプだと、旨みと香りをしっかり抽出できる。

2.サーバー
抽出したコーヒーを受ける器。耐熱性の容器でOK 。目盛り付きならば、抽出した湯量も一目瞭然。

3.グースネックケトル
ケトルは、粉にお湯をまんべんなく行き渡らせることができるよう、注ぎ口が細いものがベスト。

4.ペーパーフィルター
ドリッパーの形に合ったものを選ぶこと。茶色より白い方が、コーヒーの味に影響を及ぼしにくい。

5.ミル
コーヒーの豆を挽く器具。手回し式ならば、軽量で一定の速度で挽けるハンディタイプがおすすめ。

6.スケール&タイマー
コーヒーの抽出量と時間を計測するアイテム。キッチン用のスケールと、スマホのタイマーでもOK。

【Basic】基本のドリップ方法

1.豆を量り、挽く。

今回は300ml(2杯分)のコーヒーを抽出するために、18gの豆を使用。豆は、一定のスピードと力加減で挽くと、粒の大きさが均一になり、抽出ムラが抑えられる。

2.ペーパーフィルターをリンスする。

ドリッパーにフィルターをセットし、粉を入れる前に、熱湯をフィルター全体にたっぷり(200㎖)注ぎ、紙の匂いを洗い流す。サーバーに落ちたお湯は捨てる。

3.コーヒーの粉を入れ、蒸らす。

抽出は、沸騰後火を止めて5分ほど経ったお湯で。粉を平らにし、粉の倍量のお湯を注ぎ、30秒ほど蒸らす。その際、スプーンで粉をかき混ぜて、粉全体にお湯を行き渡らせる。

4. 1度目の注ぎ。

蒸らしに使った湯量と合わせて、トータル150mlになるまで、リズムよく注湯して少し待つ。粉の中心だけでなく、外側の粉にもしっかりと注ぐのがポイント。

5. 2度目の注ぎ。

1分10秒経ったら、4と同じ方法で、300mlまで注湯。リブ付きドリッパーの場合、リブと同じ方向にスプーンをひと回しすると、最後の一滴まで抽出できる。
【POITNT】リブなしの場合は、スプーンは使わず、ドリッパーをとんとんと軽くたたくと、粉が下に落ちて、上手く抽出できる。

6.お湯を落とし切る。

サーバーにコーヒーが落ち切ったら出来上がり。フィルターの周りに粉があまり残っていない状態が理想的。全体に行き渡るように注ぐことで、香りも味も際立った極上の一杯に仕上がる。

【POINT】豆はジップ袋に入れて保存。

豆は湿度、光、温度に弱いため、写真のような遮光性のあるジップ付きの袋に入れて、涼しい場所で常温保存すると、おいしさが長持ちする。

【+α】こんなとき、おいしく淹れるには?

A.1
A.2

【豆の保存方法】

Q.1『粉で保存していた場合は?』
A.1『粉の量を少し多めにする。』
粉で保存していた場合は、挽き方を変えることができないため、粉の量で調整。通常より量を多くして、抽出時間を長くするとよい。

Q.2『豆で保存していた場合は?』
A.2『挽き方を細かめにする。』
焙煎から時間が経ったコーヒー豆をドリップでおいしく飲むには、豆を挽くときに通常より細かめに挽くと、香りや味が抽出しやすくなる。

A.2

【豆の焙煎度合い】

Q.1『浅煎りの豆の場合は?』
A.1『細かめに挽く。』
短い時間で焙煎した浅煎りの豆は、味が抽出しづらいので、豆を通常より少し細かめに挽くこと。すると、抽出時間が長くなり、豆の個性が際立った一杯になる。

Q.2『深煎りの豆の場合は?』
A.2『粗めに挽く。』
一方で、時間をかけて焙煎した深煎りの豆は、味が抽出しやすく、苦みが出過ぎる。豆を粗く挽くと抽出の時間が短くなり、過抽出を防ぐことができる。

A.1
A.2

【豆の状態】

Q.1『焙煎してすぐ(5日以内)のときは?』
A.1『最初に蒸らす時間を長めにする。』
焙煎したての豆は炭酸ガスを放出し、味がブレやすい。工程3の蒸らしを10秒ほど長くするだけで、余分なガスが出て抽出しやすくなる。

Q.2『焙煎して1カ月以上経っているときは?』
A.2『水出しコーヒーにする。』
焙煎から長期間経過すると、コーヒー本来の香りや味が出にくくなるので、粉の10倍の水を入れて、じっくり抽出する水出しがおすすめ。

コーヒーのおいしさの決め手は、適切な粉と湯量、抽出時間。

自宅で本格的なコーヒーを味わうために、品質の良い豆を調達し、丁寧にドリップしても、プロが淹れた味わいにならないのはなぜ?「味を大きく左右するのが、コーヒーの粉とお湯の量のバランス。粉1に対してお湯16〜17が適量なのですが、いつも目分量で淹れていませんか。さらにタイマーで計測しながら適切な時間で淹れることができれば、お店で飲む一杯にグッと近づくことができます」と、シドニー発祥のロースタリー〈Single O Japan〉のバリスタ成沢勇佑さん。

さらに豆のポテンシャルを引き出すには、さまざまなコツがあるそう。「コーヒーは焙煎から1〜3週間が飲み頃で、時間が経つほどに味は変わっていきます。その変化を楽しみつつ、焙煎度合いや豆の状態に合わせた淹れ方を知ることも大事です」より豊かなコーヒータイムを過ごすために、淹れ方をマスターしよう。

Teacher…成沢勇佑(なりさわ・ゆうすけ)

東京・両国にある〈Single O Japan〉のバリスタトレーナー。エアロプレス選手権で世界2位に輝いた実力の持ち主。日々、コーヒーの淹れ方を研究している。

(Hanako1195号掲載/photo : Kayoko Aoki illustration : Shapre text : Emi Suzuki)