台湾のお茶の歴史は古い。農家と茶工場の努力で独特のお茶の味を生み出した。今、台湾では若い世代を中心にお茶がブームになっている。今回は、創業130年の老舗〈有記名茶(ヨウジミンチャ)〉を訪れました。本誌連載『秘密の台湾』よりお届け。

竹製のカゴの前で。この中に茶葉を入れて炭火で焙煎する。お茶作りには大切な道具だ。

台北の大稻埕(ダーダオツォン)にある100年超の歴史を持つお茶屋さん〈有記名茶〉へ。店内に足を踏み入れて、お茶の香りのする方へ進むと、目の前にはうずたかく積まれた竹カゴが現れる。どれも使い込まれたものばかりで時間の経過を物語っているようだ。今回の案内人・チュンさん同様、20代ぐらいの若い世代の間では、今、台湾のお茶がブームだ。

お茶を選別する機械。茶葉の厚さと大きさをふるい分けるもの。今も現役で使われている。

「お茶は上の世代のものだと思っていましたが、その文化に興味があります」とチュンさん。お茶の世界を学ぶために〈有記〉へ。ここは昔ながらの製法を守って、竹カゴにお茶を入れて焙煎し、独自の味わいを出していることで知られる。〈有記〉では農家からお茶を買い付け、この店だけのブレンドも販売する。

試飲の時間。ご主人が丁寧に解説
竹カゴに入れられた茶葉はゆっくりと炭火で燻される。均一に火が回るように手で混ぜる。
お茶の作業場を案内したり、購入者にはスタンプを集めてもらうなど、お店ではお茶文化振興に奮闘中だ。

5代目オーナーの王聖鈞(ワンシュンジュン)さんは、若い世代にもっとお茶に親しんでほしいと願う一人だ。「スペシャルティコーヒーのように産地や焙煎にこだわると、もっとおいしいお茶の味を求める人が多くなる」と言う王さんは〈有記〉のティーマスターだ。店内ツアーが終わったらお茶の試飲。「文山包種茶はフローラルな香り、貴妃烏龍茶は蜂蜜、鉄観音はフルーティな香りがしますよ」と王さん。豊富な種類と複雑なお茶の味わいの中から自分好みを見つけ出す。それが台湾茶の魅力なのだ。

〈有記名茶(ヨウジミンチャ)〉

創業は1890年の、100年を超える歴史を持つ老舗。炭火で焙煎する独特の製法で有名。
台北市大同區重慶北路二段64巷26號
02-2555-9164
9:00〜19:00 日休

Navigator…チュン・ワン

Hanako Taiwanの編集部員。仕事以外でも台湾の屋台に繰り出したり、新しいことを求めて街に出かけている。

(Hanako1198号掲載/photo : Jimmy Yang text : Laney Chang coordination : Chien tsui wen produce : Hanako.taiwan)