西麻布に、和牛の新しい可能性を模索する「和牛ラボ」が誕生!?なんでも、五感を刺激する熟成肉料理が楽しめるんだとか・・・。牛をまるまる一頭買いし、オリジナルの方法で熟成させたこだわりの和牛のスペシャルコースを、早速堪能してきました!

薪窯が奏でる音を「聴く」。

西麻布交差点すぐ近く。都会の喧騒を忘れられる隠れ家のような〈FIRE WOOD TOKYO〉は、グレーを基調としたモダンな内装と、立ち上がる炎の温かみが格別なひと時を演出してくれています。まずは新窯から鳴っているBGMに耳を傾けてみましょう。カウンターからぱちぱちと聞こえる薪の小気味良い音が聴こえてきます。

長期熟成のこだわり和牛を「眺める」。

きめ細かな霜降りが美しい和牛は、肉の匠と呼ばれるメインシェフ、平田正道さんが厳選したA4,A5ランクの和牛。丸ごと一頭の牛を湿度90%の熟成庫で時間をかけて熟成させるんだとか。牛肉の熟成期間は約10日間が通常と言われていますが、平田シェフの使う牛の熟成期間はそれをはるかに上回る45日間。部位によっては80日を超えるものもあるのだそう。また、脂がやわらかく、低い温度で溶けるメス牛のみを使用しているのもこだわりの一つ。カウンターでこれから調理されるお肉が豪快に捌かれる様子を目に焼き付けて。

職人特注のカトラリーに「触れる」。

店内のカトラリーは新潟県燕三条の職人に特注したオリジナル。一本一本手作りしたお箸には材質の固い黒炭やスネークウッドなどを使用。先が細く、持ち手の部分は八角形になっており手に吸い付くような扱いやすさがありました。食器類も全て全国の窯元から厳選したもの。日本の職人芸のすばらしさに触れながら料理を楽しんでほしいという細かい気遣いに触れながら、お料理を楽しみましょう。

森の詰め合わせを「嗅ぐ」。

「Hazy Forest」

コースの最初にでてくる森を閉じ込めたような霧がかったグラス。ミントやディルなどのハーブを混ぜた香りをいっぱいに吸い込むと、まるで森の中にいるようで癒される・・・。コースの最後まで、料理の合間のチェイサーとして寄り添ってもらいましょう。

素材の七変化を「味わう」。

「フライングバード」。

透き通った空のイメージを込めた自慢の一皿は、目が覚めるようなスカイブルーが美しい有田焼のお皿に、タンで表現された翼と、モモとヒレを混ぜ合わせた真っ赤なタルタルが印象的。前菜からお肉?!と少し身構えてしまいましたが、口にして納得。甘みが強く肉肉しさを感じない上品な赤身肉なので、胃がびっくりすることもなくするりと受け入れてくれます。周りに散りばめられた可愛らしいエディブルフラワーも一緒に楽しんで。

今回ペアリングした高級茶葉を使った「ロイヤルブルーティー」は、日本の食材を世界へ発信するというコンセプトに沿って、お酒が選択できない今でも楽しめるようにと用意されたもの。新芽だけを手摘みで収穫し、一切火を使わずに水出しで3〜7日間丁寧に抽出されたんだとか。雰囲気やお料理に合わせてペアリングを楽しめるように、多くの種類が用意されています。

「薪舌」。

甘みが強いタンを薪で焼いた一皿。熟成した甘みの強いタンは、脂がさらりとしていて食べやすくくどさを全く感じません。薬味はカンボジア産の香り高い生胡椒。(これがまた優しい変化を添えてくる)お塩はエジプト産の砂漠の地層から採取した、塩分が強すぎずミネラル分を多く含んだ一級品です。大葉と葱をビネガーオイル漬にした自家製の付け合わせも、さっぱり感をプラスしてくれます。シンプルなのに満足度の高い一皿でした。

常識はずれのスペシャリテにがっついて。

「フォーク&フォーク」。
「Fall in Love」。

テールをどうにかしておいしく食べて欲しい、という想いで考案されたスペシャリテは、片方のフォークで深く刺して抑えながら、もう片方のフォークでお肉を引き剥がすという、シェフ自ら「マナー違反」と称する一皿。獣になった気分で、思いっきりお肉を削り取って貪ってみましょう。ようやっと削れたお肉は、骨周りの旨味たっぷりの脂身に甘辛いお味噌の味が絡んで最高・・・!いつの間にか皆フォークを持つことも忘れて、蟹を食べる時のように手でがっついていました(シェフは怒らないですよ!)ペアリングにするのは、台湾の茶葉を使った「Fall in Love」。お茶の中でも飲み応えを感じ、ワインの代わりになるような香り、喉越しを楽しめました。

「長崎県の焼きナスと平戸なつ香サバ」。
「Real Honey」。

長崎県の平戸で育った柑橘を食べて育った「平戸なつ香サバ」。臭みが全くなく、仄かにサバ自身からも爽やかな香りがします。とろっとろの焼きナスとの相性も抜群!ホワイトバルサミコと生姜の効いたポタージュ仕立てのソースをたっぷり絡めていただきましょう。はちみつの甘い香りが印象深い「Royal Honey」は個人的一推しのペアリングでした。

「秋舞」。
「玉露焙じ茶KAHO香焙」。

秋の散歩道をイメージしたその名も「秋舞」。挽肉を地面に見立て、秋の味覚であるキノコやさつまいも、石ころをイメージしたシャンピニオンソース(マッシュルームをピューレにしたソース)を合わせた一品。食べ進めていくと、ぷにっと食感のシュウマイの皮を発見。「秋舞」とかけてみました、と遊び心あるシェフのアレンジも加わった、お茶目な一皿。香ばしさがギュッと詰まった焙じ茶ともぴったりです。

「CPU」。
「Queen of Blue」。

チーズ(Cheese)、ポテト(Potato)、牛(Ushi!?)の頭文字を取って名付けられた「CPU」。数種類のホルモンを酢漬けにしたものを、薪で燻して香りづけし、契約農家直送のじゃがいもやチーズと混ぜ合わせたユニークな一品。合わせるのはマスカルポーネのソースとカンボジアのスパイス、レッドロングペッパー。パンチの効いたスパイスが口の中に新しい刺激を与えてくれます。ワインや日本酒などにも合いそうですが、今回ペアリングするのは烏龍茶。中でも発酵度合いが一番重たく、「お茶の貴婦人」という異名も持つ一本です。メインの料理にも負けない芳醇な香りを持ったペアリングがしっくりきました。

「薪と炭と肉」。

メインのお肉はシャトーブリアン、ミスジ、サーロインの3種類の熟成肉。下味が付いているのでまずはそのまま食べてみて。やはりメス牛を使っているからなのか、旨味がぎっしり詰まっていながらくどくなく、胃のもたれを感じません。付け合わせの黒米のソースは、米の甘みを存分に味わえるだけでなく、油の吸収も抑えてくれる名脇役。ペアリングはブラックティーを合わせて。コクのある紅茶をデザートでなく敢えてお肉と合わせる珍しさに惚れました。

「カルボナーラ」。

「カルボナーラです」と差し出された料理は泡まみれ。何かの間違いではないか、と恐る恐る泡を食べてみると、しっかりとカルボナーラの旨味と塩っ気。そしてフォークを入れると黄身と細長いカペリーニが登場!
濃厚な味わいに目を丸くしながら食べ進めると、底の方に隠れていたトリュフとフォアグラが勢いよく顔を出してきた・・・!

一皿で一体何度面食らってしまったんだろう、と感心するのはまだ早い。先ほど飲んでいた紅茶に徐にミルクが注がれて、あっという間にグラスの中でロイヤルミルクティーが完成していました。カルボナーラ×ロイヤルミルクティー、この組み合わせは正直、大当たりです。

「ボロネーゼ」。

お腹にまだ余裕がある人は(殆どの人は満足しきっていると思いますが)今日使ったお肉たちを使って作った特製ボロネーゼを。こんなに贅沢でお肉が主役のパスタは食べたことない・・・!

「ドルチェ(豆のモンブラン)」。
「京都宇治甜茶The Uji」。

最後も変わり種。タスマニアブラックペッパーとパッションペッパーを効かせた、お豆のモンブランです。甘さ控えめなクリームと、スパイスと蕎麦の実のアクセントで別腹の扉は勝手に開いてくれるので心配ご無用。最後のペアリングは宇治の玉露茶。まるでお出汁を飲んでいるようなトリッキーさがありました。

熟成肉へのまっすぐな愛を感じる料理とペアリングの数々に酔いしれる、五感で楽しむ贅沢体験。大切な人との記念日にも、自分へのご褒美にも。堅苦しすぎず楽しめるので、ぜひ気軽に足を運んでみてください。

〈FIRE WOOD TOKYO〉
東京都港区西麻布2-25-24 NISHIAZABU FTビル MB1F
03-6805-1716
18:00〜2:00LO(ドリンク1:30LO)
 ※状況により営業時間が変動するため、詳細は店舗へお問合せください
日曜定休
23席(カウンター7席、テーブル10席、個室最大6名)
公式サイト