太陽を感じられるテラス席がある〈マンマーノ〉。人知れず私は“代々木上原のパリ”と呼んでいます。地元のお客様も多く、駅から近いこともあって気楽にふらっと立ち寄れる雰囲気がなんだかパリっぽい(そうなの?)。HPを見たら「パリの16区をイメージしたブーランジェリー&カフェ『マンマーノ』」と書いてある。よかった、あながち間違っていなかった!

クロワッサンからクリームパン、マリトッツォまで!

とはいえ、並ぶパンたちは正統派なフランスらしいクロワッサンやバゲットもあれば、食パンにサンドイッチ、マリトッツォまでバリエーション豊か。肩肘はらずに好きなものを選んで、隣のカフェテリアでコーヒーと一緒に焼きたてのパンをいただけます。うん、パリっぽい(しつこい)。たくさんの選択肢の中から直感で選んで朝パンに。

「カマンベールと蜂蜜バターのタルティーヌ」
真ん中の焦げ目がいい味出してます。

ふひゃー。これは想像よりも重量級でっせ(褒め言葉です)!表面にカマンベールが塗られているのかな?と思ったら、もはやパンはカマンベールに侵食されているではないか!しっかりなさい!(誰?)
いえいえ、ちゃんとバゲットはしっかりしているんです。ドライな歯応えから香ばしさがざわめきしっかりとその粉の味を味わわせてくれます。でも、それを凌駕する存在感でカマンベールが幅をきかせ、まったり、とんろりと俺色に染め上げてしまうのです。温めて柔らかくなっているから、さらに強調されるのかも。
カマンベールが1番分厚く溜まった中心部分には、蜂蜜バターがすでにチェックイン。噛めばじゅわりと溢れ出てきて脳が追いつきません。蜂蜜のギュッと濃厚な甘さが、バターの油脂にのってカマンベールのまったりさにまとわりつくから、もう落ちるところまで落ちてしまえ。落ちた底には幸福しかない渦へと巻き込まれます。こんな渦なら自ら巻き込まれていきたい所存です(何宣言?)

「クリームパン」
自家製クリームの深い黄色がコクの証。

口内に絡みつくクリーム。もったりとしたテクスチャーと黄色さが物語る、黄身が活きたこっくり深い味わいです。そして、そこに合わせるのが我が使命と言わんばかりに柔軟に形を変えながら寄り添う柔らかなパン生地。2つが互いを尊重し合い出来上がったのがこの子ってわけですな(どうした)。手の平に収まる小さなサイズ感ですが、バニラビーンズの香りも届いて、おやつにしたい充足感です。

「無花果とアールグレイのリュスティック」
色鮮やかでかわいい断面。

一口目からアールグレイが香り心はリッチに膨らむ。紅茶漬けされたイチジクから生地に香りが広がって、隅々まで紅茶の香りに浸れます。古代小麦スペルト小麦を使ったこちらのリュスティックはむっちりと密度が高いので、ゆっくりと噛み締めて頂きたい。というのも、噛み締めている間に車窓からみえる景色のように味わいが移ろっていくから。大ぶりの見るからに立派なイチジクとクランベリーがゴロゴロ。一粒一粒本当に食べ応えがあってプチプチ弾けて、あぁわたし今イチジク食べているのねって浸れます。クルミももちろん大ぶり。ザクザクです。ワイルドに噛み締めて、果実や木の実の食感、アールグレイのふくよかさ、小麦の香ばしさ、このパンを満たすリッチな味の移ろいを楽しんで。

「とうきびブレッド」
大きめな気泡と粘度を感じられる断面。トーストがおすすめです。

“バゲット生地にとうもろこしのピュレと粒を加えたもちもち食感の食パン”とのこと。ピュレも練り込まれているから生地全体からとうもろこしの甘い風味がダダ漏れです(歓喜)!でも生地には砂糖のような加えられた甘みは感じられなくて、あくまでも茹で上げたとうもろこしのあのホッカホカな甘み。もっちりとひきのある食パン生地はなるほど、バゲット生地だからなのですね。噛み締めるたびにとうもろこしの粒がプチプチと弾けて、もうとうもろこし味はとどまるところを知りません。バターのせたらバターコーンの出来上がりですよ、奥さん(何者?)。細かなところまでとうもろこしが行き届いたパン。私然り、全とうもろこし好きに届けたい。(こちらは季節限定商品のようで今は無さそうです。すみません)

訪れる度に季節の新商品があったり、ケーキやサンドイッチもあったり、食パンもたくさんの種類が選べたりと品揃えが豊富で、見ているだけでもワクワクしてしまうお店。私の中で“代々木上原のパリ”だけど、品揃えは背伸びせずに選べるものもたくさんあるのがいいですよね。そしてなんと、オンラインストアで販売も行っています!代々木上原に行くときも行かないときも“代々木上原のパリ”はすぐそこに。

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